カウンセラーの資格を保持している関係で、私はローテーションで会社の心理相談室の相談員をしています。
ある日、管理職の女性が娘さんのことでかなり落ち込んで相談室へ来ました。
なんでも、実業団の主力選手として活躍する娘さんが、このところ週刊誌の取材を受けているそうです。
それが、娘さんが高校時代にいじめ加害者だったことに関してで、大学進学は、当初はスポーツ推薦のはずが、このことが表面化して推薦取消になってしまい、大学のランクを落として一般入試で進学した過去があるそうです。
被害者側が、入学を予定していた大学へ娘さんのいじめ加害の証拠を送り付けたことが原因だったそうです。
女性管理職は「8年も前のことを今になって…」と言いながら、当時は「うちの子はやっていないと言っている」と押し切ったことが「今回の導火線になったらしい」と落ち込んでいました。
掘り下げて聞くと、被害者側とは和解どころか謝罪しておらず、被害者側はなぜか裁判ではなくて「週刊誌へ情報提供する形で報復しているようだ」とも語っていました。
娘さんは、週刊誌の記者に対して『事実無根』と否定しているそうですが、チームの監督は記者に追い回されていることに疑念を抱いているそうです。
彼女は「万一、事実ががチームに知られたら、娘は次のリーグ戦に出場できないどころか、引退勧告されるかも知れない」と不安になって仕事に集中できない、とも語っていました。
離婚後、手塩にかけて育てた一人娘なので、ここまで不安になるのは当然です。
ただ、これは心理相談室のサポート範囲を越えています。
今私がすべきことは、彼女が心の混乱を整理し、娘さんへどう接したらよいかを自身で考えられるように寄り添うことです。
私は彼女に、現在の悩みに関して思い浮かぶことをすべてノートに書き出すことを勧めました。
その上で、次回の相談では「書き溜めた内容をA4数枚のレポートに整理した上で臨みましょう」ということにしました。