またずいぶん間が空いてしまいました。どうも、メキシコ男です。
12月頭でモンテレイ工科大学での1学期目が終わりました。もうね、本当に辛かったです笑 何が辛かったかと言われればそれはそれはたくさんあるのですが、二点に集約すると授業負担とスペイン語になります。
1. 授業が大変
当たり前ですが、院生時代からは考えられないぐらいの授業負担を一学期に強いられるので、授業とその準備だけでその週が終わるということがざらにあります。僕は今学期、
- Diversity in a Globalized World
- Conflict and Negotiation
- Global Challenges
という三つの授業を担当しました。モンテレイ工科の教育システムはかなりユニークで、5週・10週・15週に渡って行われる講座や、1週間の短期集中のものもあり、選択しに富んでいます。僕の場合は、Diversityのコースは1週間の集中講義(10月後半)、Conflict and Negotiationは8月頭から12月初旬にかけて15週にまたがるコース、最後のGlobal Challengesは10月後半-12月初旬の5週で集中して教えるコースとなっていました。僕がメキシコに来るのが7月後半と学期が始まる直前だったこともあり、学期の前半にはあまり授業を担当しなくていいように学部が手配してくれた結果、このような割り当てになりました。なので8-9月あたりはメキシコでの生活に慣れたり、移民関係の手続きに集中していればよかったのですが、必然の結果として10-11月は全く研究ができなくなるほど教務に時間を取られました。非常に大変な時期でした。
教える授業の内容も結構やっかいで、下二つは基本的にIRの授業だからよかったのですが、Diversityは自分でもあんまりなじみのあるトピックでは無かったので、gender inequality、racial stereotype、income gapその他諸々を勉強せざるをえませんでした。ただ、diversityはジョブマに出ていた時にDiversity Statementを書かされてその時いろいろ考えたことがあったので、いざ教える段階になったら意外と話すことあるなと思いました。来学期も同じコース教えるのですが、一回教えた経験があれば次はだいぶ楽かなと思っています。とはいえ、このコースはさきほども述べた通り短期集中講義で、月から金まで毎日4時間教えなきゃいけないという鬼畜っぷりなので、その週の土日は疲れすぎて泥のように眠る以外何もできないという有様でした笑
あとモンテレイ工科の特徴として、一つのコースを複数人の講師が担当するものが多いです。自分の場合はDiversity以外のコースはそのパターンでした。複数人で教える場合いろいろと不都合も多くて、例えばConflict and Negotiationでは学生から課題の意図がよくわからんという苦情が出て、自分の担当日じゃないのに授業に参加しなきゃいけないみたいな事態が発生しました。また、うちの学部は現状アメリカで博士号を取った人ばかりというわけでもないので(今後たいぶ増えていきそうですが)、理論的にも方法論的のも教育的背景が違う教授たちと一緒に教えることに結構苦労しました。さらに、モンテレイ工科では教員がシラバスを作るわけではなく、出来合いのシラバスに沿って教えなくてはなりません。与えられたトピックの中で工夫はできるものの、基本的にあらかじめ容易された授業設計に従って教えなきゃいけないという窮屈さもあります。
というわけで、モンテレイのシステムに慣れるのは、それはそれは大変でした。
2. スペイン語が中心の世界
完全に舐めていたと言えばそれまでなのですが、メキシコとはいえ「基本大学内とその周りで生活するんだから、英語できればなんとかなるでしょ!」と高をくくってました。完全に間違いでした。もちろん学部の教授たちや大学生たちは基本的に英語が話せるのですが、大学を一歩出ると英語はほぼ通用しなくなります(体感95%ぐらい)。大学内でもやっぱりスペイン語で話す方が楽なのか、教授会が英語しか話せない教授置いてきぼりでスペイン語オンリーになったりします。「これはまずいわ」と思って9月から週二回のスペイン語の個人レッスンを受けたり、Duolingoで勉強してるのですが、当然数か月ですぐできるようになるはずもなく、幼稚園児や小学生レベルの内容を30過ぎにもなってやらせられる屈辱を味わっています笑
とはいえ以前台湾に長期留学したこともあってこれが4言語目なので、多分他の人と比べ学習のスピードは早いはずなのですが、歳のせいなのか以前にも増して記憶力が悪くなってると感じさせられる場面が増えてきています。完全に習得するまでは数年かかるなという体感なのですが、ただでさえ教務で苦しめられてるのに本業である研究に割く時間が減ってしまう始末です。
とはいえ辛い経験ばかりだったわけでもなくて、例えばモンテレイは結構いろんな人を呼んで研究会をしたり、ジョブ・トークが毎週のようにあったりするので、最先端の研究に触れる機会がたくさんあったので、それは楽しかったですね。あと、モンテレイは教授たちの距離感が近く、特に僕と同様に最近モンテレイに入ってきた教授たちとはびっくりするぐらい仲良くなりました。週末みんなでお出かけするぐらいの仲です笑
なので、いい思い出もあるのですが、今は大変だったなという思いが大半を占めています。現在は日本に一時帰国中で、1月末まではいる予定です。モンテレイの冬休みは比較的長いので、これから研究の遅れを取り戻さなければなりません(各所にご迷惑をおかけしております。まことに申し訳ございません……)。
というわけで今回は以上です。それではまた次回。
12月頭でモンテレイ工科大学での1学期目が終わりました。もうね、本当に辛かったです笑 何が辛かったかと言われればそれはそれはたくさんあるのですが、二点に集約すると授業負担とスペイン語になります。
1. 授業が大変
当たり前ですが、院生時代からは考えられないぐらいの授業負担を一学期に強いられるので、授業とその準備だけでその週が終わるということがざらにあります。僕は今学期、
- Diversity in a Globalized World
- Conflict and Negotiation
- Global Challenges
という三つの授業を担当しました。モンテレイ工科の教育システムはかなりユニークで、5週・10週・15週に渡って行われる講座や、1週間の短期集中のものもあり、選択しに富んでいます。僕の場合は、Diversityのコースは1週間の集中講義(10月後半)、Conflict and Negotiationは8月頭から12月初旬にかけて15週にまたがるコース、最後のGlobal Challengesは10月後半-12月初旬の5週で集中して教えるコースとなっていました。僕がメキシコに来るのが7月後半と学期が始まる直前だったこともあり、学期の前半にはあまり授業を担当しなくていいように学部が手配してくれた結果、このような割り当てになりました。なので8-9月あたりはメキシコでの生活に慣れたり、移民関係の手続きに集中していればよかったのですが、必然の結果として10-11月は全く研究ができなくなるほど教務に時間を取られました。非常に大変な時期でした。
教える授業の内容も結構やっかいで、下二つは基本的にIRの授業だからよかったのですが、Diversityは自分でもあんまりなじみのあるトピックでは無かったので、gender inequality、racial stereotype、income gapその他諸々を勉強せざるをえませんでした。ただ、diversityはジョブマに出ていた時にDiversity Statementを書かされてその時いろいろ考えたことがあったので、いざ教える段階になったら意外と話すことあるなと思いました。来学期も同じコース教えるのですが、一回教えた経験があれば次はだいぶ楽かなと思っています。とはいえ、このコースはさきほども述べた通り短期集中講義で、月から金まで毎日4時間教えなきゃいけないという鬼畜っぷりなので、その週の土日は疲れすぎて泥のように眠る以外何もできないという有様でした笑
あとモンテレイ工科の特徴として、一つのコースを複数人の講師が担当するものが多いです。自分の場合はDiversity以外のコースはそのパターンでした。複数人で教える場合いろいろと不都合も多くて、例えばConflict and Negotiationでは学生から課題の意図がよくわからんという苦情が出て、自分の担当日じゃないのに授業に参加しなきゃいけないみたいな事態が発生しました。また、うちの学部は現状アメリカで博士号を取った人ばかりというわけでもないので(今後たいぶ増えていきそうですが)、理論的にも方法論的のも教育的背景が違う教授たちと一緒に教えることに結構苦労しました。さらに、モンテレイ工科では教員がシラバスを作るわけではなく、出来合いのシラバスに沿って教えなくてはなりません。与えられたトピックの中で工夫はできるものの、基本的にあらかじめ容易された授業設計に従って教えなきゃいけないという窮屈さもあります。
というわけで、モンテレイのシステムに慣れるのは、それはそれは大変でした。
2. スペイン語が中心の世界
完全に舐めていたと言えばそれまでなのですが、メキシコとはいえ「基本大学内とその周りで生活するんだから、英語できればなんとかなるでしょ!」と高をくくってました。完全に間違いでした。もちろん学部の教授たちや大学生たちは基本的に英語が話せるのですが、大学を一歩出ると英語はほぼ通用しなくなります(体感95%ぐらい)。大学内でもやっぱりスペイン語で話す方が楽なのか、教授会が英語しか話せない教授置いてきぼりでスペイン語オンリーになったりします。「これはまずいわ」と思って9月から週二回のスペイン語の個人レッスンを受けたり、Duolingoで勉強してるのですが、当然数か月ですぐできるようになるはずもなく、幼稚園児や小学生レベルの内容を30過ぎにもなってやらせられる屈辱を味わっています笑
とはいえ以前台湾に長期留学したこともあってこれが4言語目なので、多分他の人と比べ学習のスピードは早いはずなのですが、歳のせいなのか以前にも増して記憶力が悪くなってると感じさせられる場面が増えてきています。完全に習得するまでは数年かかるなという体感なのですが、ただでさえ教務で苦しめられてるのに本業である研究に割く時間が減ってしまう始末です。
とはいえ辛い経験ばかりだったわけでもなくて、例えばモンテレイは結構いろんな人を呼んで研究会をしたり、ジョブ・トークが毎週のようにあったりするので、最先端の研究に触れる機会がたくさんあったので、それは楽しかったですね。あと、モンテレイは教授たちの距離感が近く、特に僕と同様に最近モンテレイに入ってきた教授たちとはびっくりするぐらい仲良くなりました。週末みんなでお出かけするぐらいの仲です笑
なので、いい思い出もあるのですが、今は大変だったなという思いが大半を占めています。現在は日本に一時帰国中で、1月末まではいる予定です。モンテレイの冬休みは比較的長いので、これから研究の遅れを取り戻さなければなりません(各所にご迷惑をおかけしております。まことに申し訳ございません……)。
というわけで今回は以上です。それではまた次回。