3月15-19日まで、カナダのモントリオールで開催していたInternational Studies Association(ISA)という学会の年次大会に出てきました。パンデミックが収まってきたこともあって、対面開催でしたが非常に多くの参加者が来てました。

端的に言うと、バカほど楽しかったです(笑)こういう刺激があるから、多少辛いことがあっても自分は研究の世界にしがみついていたいんだなと再確認させられました。面白い研究発表をたくさん見ましたし、優秀な人たちとたくさん話せて、非常に満足です。就活中で将来どうなるかわからない身ですが、また戻ってきたいと思える場所でした。

今回の学会は個人的に重要なイベントが盛りだくさんでした。一つは、4月上旬にとある大学でジョブ・トークをやることが決まり(就活戦線については情報が確定し次第、またご報告するつもりです)、その大学のsearch committeeとのインフォーマルな面接がありました。当日は結構緊張してて、想定される質問に対する回答を書き出して、音読して口になじませるといった準備をしていました。ただ、いざ面接に臨んでみたら「何か私たちに聞きたいことある?」といった感じでやや拍子抜けだったのですが(笑)、リラックスしていろいろ聞けて楽しかったです。

もう一つは、当然なのですが自分も研究発表したのですが、その重要度がこれまでとは段違いで、かなり気合を入れて臨みました。というのも、今回発表したプロジェクトは来るジョブ・トークでも話す内容だったので、研究内容のみならずスライドの形式や話し方に至るまで、ジョブ・トーク本番前にフィードバックをもらうほぼほぼ最後の機会でした。個人的にはなかなかスムーズに話せたんじゃないかなと思いますし、他のパネリストや聴衆の方にも興味持って頂けたみたいでよかったです。

今回の発表で思ったのは、基本的にプレゼンは聞いてる人を味方につけることが大事だなと思いました。自分の場合、プレゼンの始まりで「今就活中で今度ジョブ・トークがあり、今回報告するプロジェクトのことを話す予定なので、last-minute feedback歓迎です!」みたいなことを話したら、すごく皆さん協力的に質問・コメントしてくれました。同じパネルにいた一人のパネリストからは今回が初対面にも関わらず、後日長文のメールが届き、「本番のジョブ・トークではこうした方がいいと思うよー」といったアドバイスをすごくしてくれました。研究発表するときはどうしてもディフェンシブになりがちですが、ジョブ・マーケットに出てる・出てないにかかわらず、「自分は今こういう状況で、ここまではやりました、でもこういう問題で困ってます、助けてください!」といった感じで研究報告するのは悪くないアイデアだなと思ってます。

研究のトレンド面ですが、いろんなパネル出てみて一つ思ったのは、サーベイ実験を使った研究が非常に多いなと。オンラインでのサーベイ実験がコスト面でもロジスティックス面でも簡単になってきて、観察データでは対処しにくい内生性に比較的簡単に対処できるので、そういった研究が増えるのは悪いことではないです。

ただ一方で、「単にvignette/scenarioをランダマイズすればいいんでしょ」という安易な発想のサーベイ実験が増えてきているなとも感じました。ここまで増えると、サーベイ実験をやっているというだけではあまり売りにならず、「いろんな懸念点に配慮した良い実験デザインだな」とか、「こんなデザインは考えたことなかった!」といった実験デザイン面での面白さや付加価値がないと、もしかしたらトップ・ジャーナルには載りにくくなってきてるんじゃないかなというのが感想です。自分もサーベイ実験を頻繁に使う研究者でこれからもやっていく予定なので、自戒の意味を込めて。

というわけでISAがすごい楽しかった、という話でした(笑) 就活戦線もちょこちょこ動きが出てきたので、近々なにかしらのご報告ができたらいいなと思ってます。
ではまた次回ー。