前回の更新からまたずいぶん時間が空いてしまいました。アメリカの大学は春学期も終わり夏休みに突入していますが、Ph.D. Candidateに夏休みなどなく、いろんなものの期日に追われている毎日です。書きたいことはたくさんあるのですが、とりあえず今回は三つほど。

1. ジョブ・マーケットへの準備

来年春に博士号を取得予定なので、今年の夏-秋から就活をすることになっており、そのための書類作成に取り組んでいます。今のところ就職先はアメリカの大学がいいなと思っていますが、贅沢も言っていられないので日本でも他の国でも採用されたらどこでもいく所存です。アメリカの大学に応募する際に必要な書類は(大学・ポジションによっては全部じゃない場合もありますが)、

• CV
• Cover letter
• Recommendation letters(通常3通)
• Transcript
• Writing sample
• Research statement
• Teaching philosophy/portfolio
• Diversity statement

となっています。この中で重要度が高いのはCVとcover letterらしいですが、他の書類が理由で落とされたという話もちらほら聞くので、全部気が抜けません。ちなみに今自分はcover letterを作成しているところです。以下二つの事柄も、ジョブマを意識してやっていることになります。

2. 夏学期の授業を開講(できるのかな…?)

Contemporary International Problemsという授業を7月11日-8月12日に開講することになりました。東アジアの国際関係にフォーカスした授業をする予定です。とはいえ、自分は東アジア地域の専門家というわけでもないので、東アジアについての歴史や時事を解説するというよりは、あくまで国際関係論の理論・実証研究から得られた知見を現代の東アジアに応用するとどういったことが言えそうかといったことを検討する内容にする予定です。

ちなみにこの授業は指導教授の提案のもと、大学に頼んで成立させてもらったものです。ジョブ・マーケットに出るにあたって、「日本人で国際関係論を専攻していてアメリカで就職したいと思っている場合、採用する大学側は東アジア関連の研究・授業もできるのか見ているはずだから、この授業を教えることは一つのシグナルになる」という理由です。学生の将来をよく考えてくれる指導教授で本当にありがたいです。

ただ開講できるかどうかはまだ不透明で、というのも履修登録者が一時期7人ぐらいしかいなくて、大学側から「履修者が少なそうなのでこの授業をキャンセルしたい」という通知が来ていました。幸い今はもう少し登録者が増えたので、なんとか開講できそうですが、予断を許さない状況です。僕のキャリアにとって重要ですし、なにより夏の給料が無くなったら困るので、早く安心したいところです。


3. ICPSR

6月19-25日の日程でICPSRのShort Workshopに行くことになりました。ICPSRは前述の授業を教えるためfour-week sessionsと日程が被ってしまい(First Session: Monday, June 20 - Friday, July 15, 2022; Second Session: Monday, July 18 - Friday, August 12, 2022)、今回は無理かなーと思っていたのですが、ちょうどいいWorkshopがあったのでよかったです。僕が出るのはIntroduction to Experiments in Social Science Researchです。今まで実験の方法論は耳学問で進めてきたので、体系的なトレーニングを受けるのはこれが初めてです。しっかり勉強してきます。

ちなみに今年は3年ぶりにミシガン大学での現地開催です。北テキサスからの補助が決定したので、Ann Arborまで行って受けてきます。僕が出るワークショップはZoomでも受けられるので、政治学部には「授業登録料だけでも大丈夫ですよ」と伝えたのですが、ネットワーキングも重要だから現地で受けてきなさい!とのことで滞在費も全額出してくれることになりました。学生のことをよく考えてくれる学部で本当にありがたいです。

ICPSRの受講歴もジョブマに出るにあたって結構重要で、というのも今のところ「国際関係論だけじゃなくてリサーチ・デザインや方法論の授業も教えられますよ」という売り込み方をしようとおもっているので、CVなどにICPSRのことを書けばその一つの証拠になります。また、北テキサス大学はそこまで方法論に強い大学というわけでもないので、「研究で実験やってるって言ってるけど、本当に理解してやってるのかな?」と思われてもしょうがないので、そういった疑念を払拭する意味でもICPSRでの経験は大きいです。


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その他、博論や共同プロジェクトもぼちぼち進めています。
そろそろジョブマに出るというのに結果が全然出ないので非常に焦っていますが、一つずつ終わらせていくしかないですね。なんとか生き残れたらいいのですが。

それでは今回はこのあたりで。ではでは。