ようやく春学期が終わりました。間違いなく、人生で一番しんどい学期でした。今期のコースワークは重かったです。特にMass Political Behavior。前にも書きましたがこの授業、どれくらい課題があったかというと、

・毎週Required Readingに指定されている論文を8本ぐらい読み、そのうち1本について800-900wordsぐらいの要約(と内容についての短い議論)を毎週書く
・15週の中から2週選んで、Recommended Readingに指定されている論文について1000wordsぐらいの要約を書いて、クラス内でプレゼン
・リサーチ・クエスチョン、先行研究のレビュー、理論と仮説、分析がフルセットのタームペーパー(自分が出したのは4000wordsぐらい)
・24時間のtake-homeの期末試験(自分が出したのは5000wordsぐらい)

というわけで、この授業だけで20000words以上は書いてます。おかげで書くのだけは速くなりました笑
他二つの授業の負担はこれに比べると軽めでしたが、それでも楽じゃなかったです。それ以外にも学会出たり、学内のワークショップで発表したりと自分で無駄に忙しくしてたので、本当に大変でした。成績まだ出てませんが、課題は全部こなしたのでまぁ大丈夫でしょう。Ph.D.の一年を無事乗り切れてよかったです。

今学期で結構重要だと思ったのは「調整」ですね。学期の初めって、教授がそれぞれの課題で学生に何を求めているのか必ずしもわからないので、期待していたような評価をされないことが多々あります。そんな時は課題でのフィードバックを見たり、直接聞きに行ったりして、相手が何を求めているのか理解し、自分のやっていることを調整することが重要になります。

一つ例を挙げると、International Conflictの授業でRational Choice Approachesの週があって、その時にショートペーパーを書きました。で、「理論的には情報の不確実性が戦争をもたらすって考えられているけど、これまでの実証研究では不確実性をうまく測定できていない」って書いたんですね。結構良いこと書いたつもりだったんですけど、その時の評価はあまり芳しくありませんでした。それで、直接教授に聞きに行ったら、「すでに良い内容はペーパーにあるんだけど、提案や改善方法も書いてほしい」と言われました。正直「そんなのすぐに思いついたら論文一本書けますよ!」と思ったのですが、それを聞いて教授の求めているものがより明確になったので、その後は先行研究の問題点を指摘しつつ、自分だったらこうするというアイデアも書くようにしました。結果、最後のショートペーパーでは満点がもらえました。逆に学生の中には、「自分は正しいこと言ってるはずなのに、なんでわかってくれないんだ!」と自分のやり方を押し通そうとする人もいます。そういう人は成績が伸び悩む傾向にあります。

このあたりの調整する技術はコースワークに限らず、研究生活を送っていく上で結構重要だと思います。学会のプロポーザルであったり、論文の査読であったり、同僚との人間関係であったり、調整が必要になる場面がたくさんあります。別に自分のやりたいことを全部諦める必要はありません。相手が求めることを満たしつつ、自分がやりたいことをやるにはどうすればいいか、考えて実践すればいいということです。そのことを学んだ春学期でした。

13日に日本に一時帰国して、夏学期のTAが始まる6月の頭までにテキサスに戻ってくる予定です。夏はComprehensive Examの準備したり、プログラミングの勉強したり、もちろん自分の研究進めたり、いろいろやらなければいけませんが、秋学期に最高の状態で臨めるように準備していきたいなと思ってます。