いよいよ今日アメリカに向けて出発です。親不知の痛みは治まったので一安心ですが、着いてから銀行口座の開設等、いろいろ手続きが待ってるかと思うと若干どんよりした気持ちになります。

ところで、そもそも私がアメリカ留学を志した理由ですが、別にアメリカが好きだからという理由ではありません。正直言って、どちらかというと国としてはあんまり好きじゃない方です。ご飯は美味しくなさそうですし、治安も日本よりは悪いでしょうし、だいたいの地域は日本よりも物価が高いでしょう。公共交通機関もあまり発展していません。そして、なんだかんだ言って白人の国ですから、アジア系の私は多かれ少なかれ窮屈な思いをするでしょう。

それでも、こと政治学の研究に関してはアメリカは断トツで強いです。国際的な学会誌にコンスタントに論文を掲載している研究者が、アイビーリーグみたいなトップスクールだけではなく中堅校にもたくさんいます。例えば、ほぼ同じことをTwitterでも書きましたが、Academic Ranking of  World Universities(このランキングは、国際誌の出版数や引用数を指標としているため、各大学の国際的な研究レベルを反映していると言えます)が分野別のランキングを出しているのですが、政治学分野でノーステキサス大学(UNT)は76-100位にランクインしています。そして、UNTより上の大多数はアメリカの大学です。他方、日本の大学はどうかというと151-200位に早稲田大学、201-300位に東京大学が入っていますが、400位以内に入っているのはこの二校だけです。もちろん日本にも優秀な先生はたくさんいますが、層の厚さはずいぶん違うなという印象です。

また、コースワークのシステムも整っており、最初の2~3年でみっちり勉強させられてから、本格的に自分の研究ができるようになります。辛くはありますが、私みたいな凡人でも無理やり国際的に勝負できるレベルにまで引き上げてくれると考えれば、このコースワークも非常に魅力的です。あとは授業料免除なり、TA/RAの給料なり、奨学金なりの機会が非常に多く、ほとんど大学にお金を払わずに博士号が取れるというのがアメリカ大学院博士課程の最大の魅力と言っても良いでしょう。

修士課程に入ったあたりから国際政治のトップジャーナルを読み始めて、「世の中にはこんなに面白い読み物があるのか」「彼らみたいな研究がしたい」と思ってからずいぶん紆余曲折がありました。もちろんもっと良い大学に行きたかったという気持ちも無くはないですが、UNTも優秀な教授陣が揃っている素晴らしい大学ですし、ようやく挑戦権を得られたなと感じています。このチケットを無駄にしないように頑張ってきたいと思います。

それでは、行ってきます。