今日学振(僕の場合はDC1)の申請書を提出した。
学振とは、要するに国からもらえるでっかい奨学金みたいなものである。

申請に当たって特に心がけたのは、専門以外の人にもわかってもらえるように、とにかく平易に、わかりやすく書くこと。学振の場合は、審査員のほとんどが自分の専門外の人なので、彼らが容易に理解できるようなものを書かなければならない。というか、これはどんな申請書を出すにしても重要なことである。

幸い、親が二人とも研究者(ただし専門は国文学)なので、申請書の原稿を見てもらって添削してもらった。両親には感謝しかない。

書いてみての反省点はたくさんある。まず、今回の申請書において、僕は結局図を一つもつけなかった。別に図をつけたからといって採用されるとは限らないのだが、自分のアイデアを視覚的に訴えることは極めて重要である。どこかのサイトで書いてあったが、図や表を拾い読みしただけでもなんとなく伝わる申請書が望ましい。今回の申請書作成で、自分のアイデアを概念化・図表化する力がいるなと痛感した。

また、なるべく専門用語を使わないようにしたが、それでも非専門の人にはわかりづらい部分が出てきてしまった。例えば、僕の研究プロジェクトで用いる方法は比較事例分析で、その中でも「差異法」というものなのだが、これを平たく説明するのがどうにも難しい。差異法とは、「複数の事例において、独立変数の値が異なり、従属変数の値も異なっているが、他の変数の値が同じまたは似通っている時、独立変数が従属変数に影響を与えていると因果推論すること」(Lijphart 1971などを参照のこと)なのだが、母親に「独立変数って何?」「回りくどくて何言っているのかわからない」と言われてしまった。しかし、これ以上かみ砕いて説明することは、僕にはできそうもなかった。この点は今後も問題になりそうだ。

「勝負はできるかもしれないけど、多分落ちるだろうな」というのが個人的な感触。DC1の審査員を務めたこと父親には、「DC1としては、まあまあか、という所」というコメントをもらった。歯牙にもかからないというわけではないけど、格別優れている感じもしない、といった感じか。でも、ともかく申請書を書き上げたということが一番の収穫か。なんとなく自分の研究プロジェクトについても考えがまとまったような気がする。仮に落ちたとしても、めげずに頑張っていきたい。

Lijphart, A. (1971). Comparative politics and the comparative method. American Political Science Review, 65(03), 682-693.