大変ご無沙汰しております。ブログ自体が久々の更新となりました…
…久々に時間が取れたから台本を更新したようだけど、
M3のお知らせと自分の企画のお披露目はどうしたの?
あはは…そうです、色々と告知したいことも沢山ございまして…
…少しでも暇があったら、ちゃんとやりなさいね?
そんなわけで、管理人の手際の悪さといったらないけど…
七人道中は、何とかこうして書き続けられているわ。
今回も、前回同様ほぼ移動せずにお説教タイムな回ですが…
ちなみに前回の台本はこちらです。
→http://ameblo.jp/jose-moro/entry-11984682386.html
…五人目が登場するのは、いつの事かしらね。
それでは、本編に参りましょう。作中に出てくる地名、
行政単位といった固有名詞については、
三章 http://ameblo.jp/jose-moro/entry-11964061675.html を
参考にしてみて下さいね。
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『七人道中~我儘星とその四方を守りし者~五話』
○:男性キャラ
●:女性キャラ
□:男女不問
●星置 やまめ(ほしおき やまめ)
年齢:14
何者かに滅ぼされた、星置という里の長の娘。
地下の土蔵に寝かされており、一人だけ無事に生き残った。
わがままで疑り深く、何においても非力。
○上坂 前士郎(かみさか ぜんしろう)
年齢:24
那珂国出身の武士。つい最近まで仕えていた主がいたが、
何らかの理由で出奔し現在は流浪の身。本人曰く刀は飾りらしく、
基本的には拳闘で戦いを乗り切る。根はお人よしなのだが、
気取った性格な上に一言多い。星置の長を守護する者の一人だが、
特に代々引き継いでいる職業があるわけではない。
○高波 左之輔(たかなみ さのすけ)
年齢:25
那珂国出身の術士。炎と水の扱いに通じている。
物腰柔らかで人懐っこく、博識な人物。
星置の長を守護する者の一人で、術士の家系。
●稲積 さより(いなづみ さより)
年齢:27
窮地のやまめたちの前に突然現れた、
姉御肌の剣士。素早い立ち回りで相手を翻弄する。
大らかで豪快な性格。
星置の長を守護する者の一人で、剣士の家系。
○農民
年齢:38
成滝という村に住まう農家の主。
温厚でよく気が利く人物。
□NA
ナレーション。性別不問です。
===始===
□前夜、一行が泊まった成滝村の民家
やまめ「あーーーーーーっ!!もぅっ、訳わかんないっ!!」
前士郎「ふう…こうなるとは思ったが、
少しは落ち着いて聞いて欲しいものだな」
やまめ「これで落ち着けって?馬っ鹿じゃないのあんた!
そんな突拍子も無い事ばっかり、しかもみんなから
いっぺんに話されたって分かるわけないっての!!」
左之輔「無理も無いでしょう…たとえ順を追って説明したとしても、
到底一度で納得できるような中身ではありませんしね」
さより「だろうねぇ。というわけだから、その辺を一番
良く心得ている左之輔…頼んだよっ?」
左之輔「任せてください。お嬢様の為なら」
やまめ「やだ。あんたに話させたら難しくてもっと訳分からなくなるし」
さより「かと言って…他の人が説明する、
ってなったらあんた、どう思うかい?」
前士郎「おい、さより…何故こっちを見ているんだ」
やまめ「…あぁ、そうね。こいつよりはましね。
この皮肉馬鹿、途中から説明すんのやめそうだし」
前士郎「前より更に酷いあだ名を授けてくれたようで、結構な事だ」
やまめ「ええ、ただの皮肉屋じゃなくて、馬鹿もおまけしてあげるわ。
喜んで受け取りなさいな?」
さより「ほらほら、痴話喧嘩はその辺にしな!
…いっぺんに説明しようとして、あんたを
取り乱させたのは私らが悪かった…すまないね。
だけど、これはとっても大事な話なんだ。
悪いけど、改めて耳かっぽじって聞いてもらうよ。
それには左之輔が一番適任だからさ…
分かっておくれよ、やまめちゃん」
やまめ「しょーがないわね…その代わり、しばらく
左之輔と二人っきりにして。あんたはそこの馬鹿と
外で散歩でもしてなさいよ」
さより「仰せのままに。さっ、前士郎!お嬢様の言う事は
しっかり聞きな…一緒に外に出るよ」
前士郎「言わずともそのつもりだ。こんな我儘娘の面を
拝まずに済むと思えば、なんと気の楽…むぐぐっ」
さより「処置無しだね、全く!やまめちゃん…
左之輔の話を、ゆっくりでいいからちゃんと聞くんだよ。
じゃあ、また後でね」
前士郎「むぐぐっ、むぐっ…」
☆SE足音、引きずり音
やまめ「はー…ほんっと、腹立つ…」
左之輔「前士郎さんも、なかなか素直になれませんね…
最もそれは、お嬢さんにも言える事ですよ」
やまめ「なに、あんたまであいつの味方するわけ?」
左之輔「いえ、お互い様という事です。
顔を合わせてまだ三日ですし、受け入れられない
振る舞いや理解しづらい考え方もあるでしょう。
ですが、それゆえに互いに刺を向け合うばかりでは
何も始まりません」
やまめ「…左之輔、あんたがそんな厳しい顔するのは始めてね」
左之輔「お嬢さんをお守りする立場である以上、
時にはそのための直言も必要になります。
どうか、その点はご容赦下さいね」
やまめ「…分ったわ。それで、改めて話してくれるんでしょ?」
左之輔「ええ。…それと一緒に、お嬢さんも今悩んでいる事、
溜め込んでいる事があれば私に全て話して良いですよ。
お互いに、すっきりした話し合いをしましょう」
===場転===
□村の外れ、小高い丘
前士郎「こんな所まで連れて来て、どういう風の吹き回しだ」
さより「そりゃ、あの二人でじっくり話してもらうためさ。
私たちが居ちゃぁ、邪魔だろう?」
前士郎「だからと言って、これ程遠くまで離れる必要があるのか」
さより「やれやれ…あの子の事を突っぱねてるのか、
心配してるのか、ほんとにどっちか分りゃしないねぇ。
いいかい?私も、たんまり話したいことがあるんだよ。
もちろん、あんたにね」
前士郎「左之輔を真似て、君も説教というわけか」
☆SE刀、握り
さより「もちろん、この場から逃げる事は許さないよ。
聞いてもらわなくちゃ、意味が無いからね」
前士郎「…どの道、君の素早い動きから逃げられる気はしない。
大人しく話を聞こうじゃないか」
さより「ふう…とても話を聞く態度とは思えないね。
まぁとにかく…そこに座りな」
===場転===
□再び、一行が泊まっている民家
左之輔「…と、かいつまんで説明すればこんな所ですね」
やまめ「ふーん…まぁ、さっきよりはずっと分かりやすかったわ。
けど…あたしがその星置の里長を継ぐ者だとしても、
やっぱ信じられない。特別な力も道具も、なーんにも
持ってないし」
左之輔「そうおっしゃるのも解ります。実際、里長の一族は
『星呼びの石』という、里に代々伝わる特殊な
石を持った時のみ、その力を発揮できるわけですから」
やまめ「で、その星呼びの石が今ないんでしょ?
誰かが盗んだとかって話で。だったら…
あたし、何も出来ないって事じゃない」
左之輔「お嬢さん…」
やまめ「今までだってそうだった…ずっと、あんたや
あの皮肉屋に守ってもらってばっかりで、
これからはさよりにも頼っちゃうだろうし…
自分では何にもやらないで、石が手に入るまで
みんなに守ってもらうだけ…それなら、あたしなんて…!!」
左之輔「…」
やまめ「ねえ…どうしたらいいの?何すればいいの…?
答えてよっ…みんなを困らせるだけなら…
あたしもう旅したくない…あたしなんて要らない…
そうじゃない!!ねえ…えぅ…ううっ…うぇぇ…えぇぐっ」
☆SEダッシュ
泣き声を聞きつけた農民が、急いで駆けつけてくる。
農民「なんかあったんですかい!」
左之輔「いえ…ご心配なく、とはさすがに言えないですね。
申し訳ないですが、お水を頼めますか?」
農民「もちろんです!ちっと、待ってくだせえ…」
☆SEダッシュ
やまめ「うぅっ…えぅっ…」
左之輔「お嬢さん…良く、我慢せずに打ち明けてくれました」
やまめ「うぐっ…うぅ…ぇ?」
左之輔「言ったでしょう、全て話して良いと。
…刺々しい態度で気丈に振舞って、
本当の気持ちを隠し続けているのは、
これから先を考えれば良い事ではありません」
やまめ「うぅ…それは」
左之輔「何も出来ない事、それは残念ながら事実です。
でも、そんな貴方を助ける為に我々がついています。
…そして、その我々とて一人だけでは何も出来ません。
それぞれが出来る事を組み合わせながら、
一つになって共に歩んでいく事が大切なんですよ」
やまめ「そうなるためには…どうしたらいいのよ」
左之輔「…是非もっと、いや、改めて、仲良くなる事です。
助けてほしい時には助けてと、暇なときには遊んでと、
そんな風に、素直に我々に声をかけてくれるだけで
良いんですよ。…特に、前士郎さんには」
やまめ「…あいつが素直に反応するかが、一番怪しいでしょ」
左之輔「大丈夫。さよりさんの一喝はきっと効いているでしょうからね…
ほら、お水が来ましたよ」
☆SEダッシュ
農民「ほいっ、待たせてすまねえです」
左之輔「ありがとうございます。…さぁ、飲んで落ち着きましょう」
やまめ「うん…ありがと」
===場転===
□村の外れ、小高い丘
前士郎「…言いたい事は、それで全てか」
さより「さあ、後はあんたの返し方次第だね」
前士郎「要は、私があいつにしっかり向き合っていないが故に
今このような事になっていると…そうだな?」
さより「意外と聞きわけがいいじゃないか。
…俺は正しく接してきたつもりだったが、
皆はそう思っていなかった訳だな…
ぐらいの事は、言うと思ってたけどね?」
前士郎「…馬鹿にされたものだな。私とて、自覚が無い訳ではない」
さより「だったら、それをなぜ直そうとしないんだい?」
前士郎「出会ってまだ二日三日だというのに、
そもそも正しい接し方も何もないだろう。
…私とて暗中模索、必死なのだ」
さより「それは、そうさね。…でも、だからこそ
今の気持ちのもやをいつまでも引きずってちゃあ、
いけないんだよ」
前士郎「そうは言ってもな…いざ、あいつに向き合おうとしても
どのように思われているのか不安でならない。
このまま痴話喧嘩ばかり続けるよりは、暫く
何も言葉を交わさない方がまだ良…」
さより「このいくじなしっ!!」
☆SE平手
前士郎「うぬっ…あいつの手刀にも劣らない…」
さより「あの子はね…私たちみんなが、そしてあんたが、
守ってあげなきゃいけないんだよ!!
何より、あんたはあの子を守りたいんだろ?
使命だから、一族の義務だからなんて後ろ向きな
思いじゃなくて…最初から、ずっとずっと、
自分が守ってやるって思っていたんだろ!!」
前士郎「…その通りだ…だが私は…」
さより「いつまでもうじうじしてるんじゃないよ…
あんたで作り出した決意を、あんたがへし折って
どうするってのさ!あの子にも、自分にも
恥ずかしくないのかい?」
前士郎「…そうだな。このままでは、やはりいけないか」
さより「そうだよ。…あの子を守りたいんだったら、
ちゃんとその思いを、言葉と振る舞いで
きっちり伝えてあげな。…出来そうかい?」
前士郎「やってみよう。…たまには、皮肉屋以外の
呼ばれ方もされてみたい事だからな」
さより「…せめて、名前で呼んでもらえるくらいには頑張りな。
さ、戻るよ」
☆SE足音
===場転===
□みたび、一行が泊まっている民家
☆SE、粉をこねる音
やまめ「二人とも、まだ戻ってこないわね」
左之輔「前士郎さんも、だいぶん気難し屋さんですからね…
でも大丈夫、その為のさよりさんですから」
やまめ「どうだか…それより、あんたなに作ってるの?」
☆SE、粉をこねる音
左之輔「あぁ、これはあわとひえを挽いた粉から作った
お団子ですよ。お二人が戻ってきたら、これを
焼いて皆さんで食べましょう」
やまめ「ふーん…見た目はあんま綺麗じゃないけど、
おいしいの?」
左之輔「勿論。それに、体にも良いですよ。
お米の次は、あわとひえの味わいも
お嬢さんに知っていただきましょうか」
やまめ「ふーん…まぁとにかく、美味しく焼き上げてよね」
左之輔「お任せ下さい」
☆SE足音
左之輔「おや…お帰りのようですね」
さより「帰ったよ、やまめちゃん、左之輔。
…ほら、ぐずぐずしない!男を見せてみな?」
前士郎「…やまめ」
左之輔「さあ、お嬢さんも」
やまめ「あ、あの…ごめんね?…前士郎」
前士郎「う…うむ。こちらこそ、面倒をかけたな」
さより「ぷっ…あはは!こりゃ、ぎこちないねぇ」
左之輔「これはこれで、新鮮な一幕ですね」
やまめ「馬鹿にしてんの?!」
前士郎「馬鹿にしているのか?!」
左之輔「ふふっ…是非、もっと仲良くなって下さいね」
やまめ「全く、冗談じゃないわ…いい、前士郎?
喋りたいんなら、皮肉ばっかり言わないで
もっと素直に言ってきなさいよ。
そんで、仲良くなりたいんだったら…
もっと全力で、あたしを守って!」
前士郎「分かっている…この性分、まずすぐに直る事は
ないだろうが、君を守りたいという思いは真だ。
それを少しでも信じてもらえるよう、
出来る限りの努力はして行こうじゃないか」
やまめ「当然よ!出来なかったら承知しないからね…?」
前士郎「言われるまでも無い」
左之輔「…ひとまずは、一歩前進でしょうか」
さより「そうだね。…さ、もう一息ついたら
この村を発とうかねぇ?」
前士郎「そうだな。目指すはこの須賀(すが)国の国府、
大桑(おおくわ)が良いだろう」
左之輔「ええ、情報も集まる上に北や西の街道への
入り口にも当たりますからね」
やまめ「つまり、いよいよおっきな街に行くって事ね?
人多いの、嫌いなんだけど…」
さより「賑やかな街もまた、面白いもんだよ?
迷子にならないように気をつければ、大丈夫さね」
やまめ「なりませんよーだ!」
左之輔「ふふ…これからも、面白い道中になりそうですね」
NA「なかなか素直になれないやまめと前士郎だが、それを見かねた
左之輔とやまめの後押しで、ひとまずは仲直り出来た様子。
気持ちを新たに大桑の街を目指す一行の先には、
一体何が待ち受けているのであろうか…」
===続===
