助産師さんと言っても、そんなにしょっちゅう話を聞きたいとか、思うかな?
と思っているみなさんに、お伝えしたいです。
いまや情報化社会で、ネットを開けばいくらでも情報が入ってきます。
どこかの専門家が書いているブログもあれば、
みんなの体験談
オープンチャットルームや
ママリなどのアプリなど
たどり着こうと思えば、いくらでも欲しい情報が手に入るかもしれません。
しかし、たくさんの情報がありすぎて、
自分と他人を比較しすぎてしまったり
何が本当の最善なのかとことん追求してしまったりして悩んでしまうこともあります。
特に妊娠中から産後、育児期は、新たな生命をはぐくみ、育てていくという
人類にとっても重要な時期です。
女性は妊娠を維持するためにもホルモンが大きく変化する時期で、雑多な情報を得ることで、心配が増えるということも起こりえます。
また、本やインターネット、アプリ、掲示板など、情報の多くは一方通行です。
例えば、「妊娠中は乳首の色が黒っぽくなることがある」
という情報があったとき、
私はそんなに着色がないけど大丈夫かな?と思うかもしれないし
思っているよりも、変な色かもしれない、これって大丈夫?と思うかもしれない。
色は変わってないけど、なんだがブツブツしているのが増えてきているかも・・・?
など、いくらでも疑問点は出てきます。
妊娠も分娩も育児も。
結局は個人差があることなので、教科書通りという人のほうが稀かもしれません。
産婦人科にいってまで聞くことじゃないけど、でも、これって大丈夫かな。
赤ちゃんのことは小児科に受診した方がいいのかな・・・?
と、悩みはつきません。
上記で言ったように、もちろん、今は情報社会なので、
無料で、自分で解決することもできるし、妊婦健診や産後の健診の日まで待つこともできます。
しかし、産婦人科で働いていたからこそわかるのですが、こまかく丁寧に時間を割いて話を聞いてくれる場はあまりありません。
なぜなら、もっと支援が必要な人(入院している、合併症がある、多胎、経済的リスクがある、等)がおり、病院のマンパワー的にも地域的にも、プラスアルファの支援ができる人がいなかったのです。
悩んだり、なんだかんだしても、例えば実際に産後うつなど発症しなければ、
それは妊娠も出産も産後も、大丈夫だった、と国からは捉えられてしまいます。
コロナ禍で産後うつの割合は1割だったのが2割近くと言われている中、
じゃあ、8割のほとんどの人が大丈夫じゃん、とみなさん思うでしょうか?
パトマトという育児サイトでのアンケートで、
産後1年経って、ふりかえって、自分が産後鬱っぽかった時期があったか
との質問に、半数以上が「はい」と答えました。
つまり、当事者は、しんどいことも悩んでいることも、いっぱいいっぱいで気づかないのです。
通り過ぎて、はじめてあの時大変だったな、と気づくのです。
私は助産師として、
生命をお腹ではぐくむ妊娠期から、出産、産後という
本当に貴重ですばらしい時期を、しんどかったな、つらかったな、
というネガティブな感情が多くなってしまう方が多いことをすごく悲しく思います。
時間というのは貴重です。
あとでは変えられないからこそ、
人生で大切な時期を専門家と一緒に乗り切ってみませんか。
例えば結婚式をしたいときはプランナーさんに相談し
家を買う時は工務店や代理店さん
経営をしていて、お金の相談をしたかったら顧問税理士さん
なにかトラブルをかかえたら弁護士さんと
その時々の大切な時期に、専門家に頼ると思います。
それと同じで、今後は妊娠出産産後についても、地域の助産師を
妊婦さんや産婦さん達が自分たちで選んで
伴走していくようになるのではないかと私は考えています。
昔はそうだったのに、病院で働くようになり、地域で助産師と関われる助産院の数は激減しました。(※2015年の調査では助産所で働く助産師の割合は全体の4.7%とかなり少ないのです。病院が61%)
しかし、令和になり、助産師側の事情としても、ITの発展で個人開業がしやすくなりました。
日本も、今後はフィンランドのネウボラのような制度に、
あるいはフランスの、出産する病院には1-2日いるけど、その他は助産師と契約して、みてもらう、というような
そうなっていくのかもしれません。
助産師にもいろんな人がいますので、自分に合う方を選んで頂けたらと思います。