お越し頂き有難うございます。
(齋藤由衣・三宅亜矢・劇場スタッフさん・山本菜穂・坂本祐以)
まだまだ、思い出は沢山ありますが今日で最後にしようと思います。
今日まで私の下手くそな記事にお付き合い頂いた皆様、本当に有難うございました。
女郎ズの話ばかりで謙さんや浩市さんたちのお話を聞きたかった!という方には申し訳ない気もしましたが、寄せられたコメントに励まされました。本当に有難うございました。
ブログ立ち上げ当初は、一人でも多くの方に映画を知って頂こう!というつもりで書き始めましたが、ある時から完全に考えが変わりました。
今まで綴ってきたエピソードは完全に身内の話で、それはもう、私達の中にきちんとあるので、わざわざ記事にするまでもない事は分かっていたのですが。
【見てくださる方】が、見てくだされば、もう充分だなあと。
だから敢えて女郎ズのことを書き続けました。
(女郎ズ以外の事を書けと言われたら、多分続かなかったでしょうが)
でもこう、毎日書いていると、(記事にしなかった事も含めて)
こんなに沢山の事が脳に焼き付いていたのかと、
それだけ、素晴らしい時間を2ヵ月半、過ごさせて頂けたということなんですね。
お芝居をしている時間も、待ち時間も、1秒1秒が濃密で豊かな時間でした。
悔しかった事もあったし、壁に当たっては砕け散った事もありましたが
私が最後まで現場に立っていられたのは
李監督をはじめ
スタッフの皆さん・役者の皆さんに全力で支えて頂いたからです。
李組のこの現場だったからこそ、改めて作品を創る素晴らしさを噛み締めることが出来ました。こんなに素敵な方々とお仕事をさせていただけた事が心から幸せでした。
またいつか、皆さんとどこかの現場でご一緒できるように、
1つずつ、コツコツと前に進んでいきたいと思います。
本当に有難うございました。
個々に対してのお礼は、私事だから、
わざわざこんなブログにしてまでは・・・・・・と
書こうか、辞めようか迷ったのですが、
恥を承知で書く事にします。(相手にも恥を強いる事になりますが)
まずは女郎ズ。
山本菜穂姐さん・坂本祐以姐さん・三宅亜矢姐さん。
小生意気な私を一番近くで支えてくれ、
私が辛いときや、不安になっていた時に
バカみたいに笑わせてくれて有難う。
あなたがたと共に現場で戦えたことに感謝しています。
これからも私にとってあなた方は大切な人ですし、素晴らしいライバルです。
また、一緒にお芝居がしたいです。
本当に有難うございました。
素晴らしい時間を下さった、プロデューサー久保田さん。
↑念のためプライバシー保護させて頂きます(笑)
【プロデューサー】って打つのが大変でした。
読んでもろくな事なかったでしょう?
久保田さん、プロデューサー陣の皆さま。
出演が決まってからの約3ヶ月、宝物のような時間でした。感謝しています。
本当に有難うございました。
この映画との出会いのきっかけをくださった、
北海道演劇財団、阿部さんそれから、歩さん。
やっぱり、一番最初にお礼を言わなければならないのは本拠地に居る皆さんです。
【やめてくれよ】と声が聞こえてきそうですね。
本当はここに書き記そうか迷いましたが、やっぱり抜かす事が出来ません。
こんなかたちですが言わせてください。
本当に有難うございました。
本当にお世話になりました。
あの2ヵ月半は、役者として、私個人として、一生の財産になりました。
この現場で得た事も、感じた事も全部糧にして
これからも、迷いながら、役者の道を歩いていきます!(笑)
さて。抱負も語ったところで。
最後の今日は現場で見かけた小さな、小さなお話です。
■カットがかかると、私たちの周りには衣裳部・メイク部の方々が飛んで来てくれます。
もちろん、直しをしてくださる為もあるのですが、目的はそれだけではありません。
メイク部の方が暖を持ってきてくださり、衣裳部の方がコートを着せに来てくれるんです。
本来なら管轄外の仕事です。
これは、当たり前のことではないのです。
あの厳しい環境の中、必死に支えようとしてくれていたんです。
スタッフの皆さんが俳優部を支えているという単なるお話ではありません。
一人ひとりが一人ひとりを支るような
李組はそういう組でした。
はじめの記事に支度部屋のプレハブから宿場町が離れている事をお伝えしましたよね。
雨や雪の日はそう簡単に行き来できない事もお伝えしましたね。
簡易トイレの設置場所はプレハブ側でした。私たち俳優部なら待ち時間があるので、行こうと思えば行って来る事が出来るのです。
でも現場を離れる事ができないスタッフの方にとっては、かなりキツイこと。女性なら尚更。
夜の撮影では、オープンセットと支度部屋を繋ぐ道が暗闇につつまれ、
雨が降れば、長靴が脱げるほどの泥濘(ぬかるみ)で、私達でも向こうまで行くのが億劫なコンディションになります。
ある、大雨の夜、秋山楼付近にドロドロになった1台の白い軽トラックが停まっていました。
トラックの荷台には、簡易トイレが1つ設置されていました。
現場を離れられないスタッフの方の為に、あの泥地獄の中をスタック覚悟でやってきたのです。
私が知っているのはホンの一部分ですが、一部分でも、ひとつひとつの事がとても胸の熱くなるスタッフの皆さんの【支え】の心なんです。
だから私にはとても大切なエピソードなのです。
現場やその影でスタッフの皆さんの血の滲むような努力や汗や涙、
作品に対する想いや仕事へのプライドがどんなに強いものか。
私はそれを目撃できて、そういう現場に役者として参加させて頂けて幸せでした。
最後に、シネマトゥデイの記事で柄本明さんがスタッフの方々についてお話してますのでこちらも是非、ご覧ください。
狂気が生み出すリアル・・・柄本明が語る、李相日監督の妥協なき演出とは?
今日までご覧頂き有難うございました。
映画『許されざる者』是非、劇場でご覧ください。
齋藤由衣