11/19(水)13時公演

ローソン貸切公演

私にとってはエリザベートmy楽です。

トートが井上さんで、これまた初で最後。

ほかにお初のメンバーは大小のルドルフ。

伊藤あさひくんと、ゆきやくん。





初めて使う電子チケット(ローチケアプリ)だったので入場が不安でしかたなく、画面の写メも撮ることができない仕組みでしたので、アナログにもほどがありますが券面を紙に書き写して持参しました(笑)。電池切れに備えてモバイルバッテリーも持ち、何かの時の身分証明のため免許証まで。万全の備えで臨みましたが、改札のお姉さんがススッと2本の指を画面に滑らせてくれて、アッサリ入場できました。(疲)

一仕事終えた気分で着席。

9列目下手。オケピがありましたので実質4列目というかなりの前方席でした。天井が高く舞台装置も嵩上げ著しいので、眺めは2階からとはかなり違いますね〜

いろんな場所から見られてよかった。今日はなんと言っても舞台が近いので迫力が違いました。



マイクの音量とか音響の回り具合については、若干不満があります。デュオ、トリオ、カルテットなどのとき一方がもう一方をかき消すようなことになるのはとても残念。席の位置もあるかもしれませんが、私に聞きづらかったのはルキーニ松也さん。時に、フランツ佐藤さんの声も埋もれて聞き取れなかったです。(;_:)

望海さんと井上さんはほぼしっかり聞き取れました。


井上トートですが、上手いのはもちろんですが歌ってる時も喋ってるみたいに気持ちが乗ってる感じがしました(特に前半)。ただ、トートの好み的には私は古川くんだったかな〜。『死』に感情があるのにはちょっと違和感もあるし、井上トート、なにしろいろいろ強すぎた。『死』は一般的には怖いものなので、他を圧する強さ、恐ろしさもありかとは思いますが、私の死のイメージは不健康そうで気味が悪いという方が強いからかも。もっと言えば、痩せてて長身。井上古川両人ともガタイはけっこういい方なので、私の持ってる「死」のイメージとはそのあたりは少し異なる気もします。

井上さんは集大成としてこれでもかと持てる力駆使して、しかも楽しんでやってる感じが伝わってきましたね〜。いいものを見ることができました。

最後に井上トートに抱かれて死ぬエリザベートは、(私が見た前回より更に)幸せそうに、てかなんなら楽しそうに?笑ってました。


さて今日はフランツとルドルフについて。

まずフランツ。彼のありようを一言で表せば、『世紀のすれ違い』でしょうか。幼い頃から人となりを知っていたとか、人にはない才能に惹かれたとかいうわけでない、ただの一目ぼれらしいですから、ぶっちゃけ好みの容姿だったということですよね?ニヤリちょっと一緒にいれば、考え方はある程度わかるはずですから、(彼女は王室には合わないな)と感じたはずだと思いますが、それでも顔の好みが勝ったわけですね?子どもも成して、それなりに心も寄せてくれたものと思っていたし、母親と嫁とどちらをとるかについても譲歩したのだから、歩み寄れていると期待していたと思いますが、自分の思い通りにならないことには頑として譲らない嫁を、完全に読み誤っていましたね〜。『夜のボート』の中で「ムリ」と言われても、まだ諦めきれない、ほんとに完全な空振りに哀れがつのります。


そしてルドルフ。彼も振り向いてくれない母親にすがりついて切り捨てられる哀れな少年(青年となっても)。同じ女に振りまわれされる似たもの親子です。

時代の変わり目にあって、時流を読めない旧体制は滅びてゆく運命だったのでしょう。ルドルフは若者なりの反発もあって、父親よりたぶん少しは今起こっている変化に近づいていたと思います。

フランツが夢で見たと劇中で表現されていた、ハプスブルク家総出演のオペラにあったように、一族郎党ただひたすらに滅びに向かっていた危機感を、ルドルフは感じていたのではないかと。結局彼も、その滅びに飲み込まれてしまいますが…


前回言及したゾフィーに続き、フランツ、ルドルフも哀れの極み。エリザベートに執着しなければ、ここまでのバッドエンドはなかったかもしれません。


次に続く。