10/25(土)1230公演

JCB半館貸切公演の当選でS席(16000円)

グランドサークル(中二階)の2列目、下手側。

一階席の最後列くらいの場所になります。

KAATや明治座などのサイド席と違って、お隣のかたが観劇の妨げにならないよう、一席一席を少しずつ壁ぎわにずらして舞台に向かって斜めに椅子を配置していて、観客ファーストの設計に唸らされます。一昔以上前でもこんな優秀な気づかいができたんじゃん?新しい劇場ほどキャパか格好しか考えてないようで、新帝劇の座席設計が心配でなりません。


さてこのチケット料金、最近慣れてきました。

長いこと宝塚のS席が東京で9500円で、宝塚以外で同じクラスの席を求めると12000円ほどのことが多く、高いと感じてきましたが、『ハリー・ポッター』で価格破壊がおき、その後コロナ禍を挟んで雪崩を打つように値上げが相次ぎ、メジャーな劇場では15000円超えが普通になってきました。お高めの印象だったバレエがかすむほどの値上げラッシュ。おそらく次のハードルは20000円で、これを超えたら(国家支援的な?)何か有効な対策がないと、演劇離れは免れないと思っています。

しかし食べ物の物価高対策が政策の最優先に挙げられる現状で、いわば無くてもいいぜいたく品のエンタメにお金を割くゆとりが国にあるのか、危ぶまれますね。


後述するように、ターゲットはファミリー向けかと思われる作りですが、土曜日というのに小学生は男子1人しか見かけませんでした。料金とも繋がりますが、子ども一人だけで来るはずもなく、そうなると最低二人分が必要です。日生でずっとやっているファミリーフェスティバルのように、学校の長期休暇期間に料金を優遇して開催するなどの施策がないと、今後低年齢層の観劇は難しくなっていきそうです。あとは学校単位の団体観劇かな…?ただこの題材だと教育的配慮で選ばれなそうですね(苦笑)…







2回目の観劇、ヨルは和希そら一択でしたので、ロイドはだれかをあまり気にしていませんで。初見木内健人、今日は森崎ウィンと別キャストでラッキーでした。

10/23にも2割以上の割引販売のメールがあり、時々リセールも出るものの、都度売れているらしく、客席を見たところ目立った空席もなくてまぁまぁの実績ではないかと。

この公演が終わるとあと5回で東京は千秋楽。その後大阪、福岡、山形で、最後が愛知のツアーは今年の年末まで続くようです。各地の公演回数は東京ほど多くはありませんが、移動を重ねつつまだ二カ月あるのですね。和希そら、大きな仕事を成し遂げそうです。


10日ほど前に初めて観たときはノンストレスで楽しみましたが、二回目の今日はちょっとだけ物足りなさが…

「作品に何を求めるか」ということでしょうから、とても個人的な感想だと思うのですが、私としてはお行儀が良すぎたと感じたということかなー。


スパイものと括るには深刻さも陰惨さもなく、もちろんヨルの職業が殺し屋なので原作マンガには血しぶきが飛ぶような殺人場面はあるのですが、そこにスポットを当てるのでなく家族との関わりに重きを置いています。

ただ、家族を養うためときれいごとでまとめたり、人を殺すのにもなんのためらいも悔いも葛藤もなく実行していく、それはそれでその歪んだ価値観は問題ではあります。原作のターゲットは低年齢層かと思われ、そういう意味ではファミリー向けの作品として、ヤバい部分は伏せつつコメディ要素やホッコリ場面をうまく繋いで、わかりやすく作っていました。

特に、(原作でもそうですが)子役のアーニャは、エスパーである自分の能力を隠すことにもむとんちゃく、スパイアクションドラマが好きな無邪気な幼児として描かれ、この作品の救いとなっています。 


ヨルの弟のユーリ役の、私は瀧澤翼しか拝見していないので彼独自の役作りがどうかわかりませんが、オーバーアクションの「いっちゃってる」感がちょっとばかりうっとうしかったです。20代前半とまだ若い俳優さんで、自分らしさを模索中なのかもしれないと思いました。


今回初の森崎ウィンは、テレビをほとんど見ない私でも聞いたことのある名前でしたが、映像の仕事が多いのですね。造形は良かったと思いましたが、歌唱は木内健人の方が私には好みでした。


和希そら、宝塚を卒業してもこうしてちょくちょく大きな舞台でみることが叶うとは、興行の費用対効果的に(つまりチケットが売れるかどうか)正直あまり期待できませんでしたが、思ったより露出が多くてうれしい限りです。これまでの出演もオファーなのか、オーディションなのかわかりませんが、次は真彩希帆とダブルキャストの『ジギルとハイド』が決まってますし、今のところ順風満帆なのかな。贅沢を言えば、彼女の本領というか、いいところを発揮できる作品との出会いがまだのような気もします。これまでなら梨泰院クラスのチョ•イソは割と合っていたような?

年明けの『ジギルとハイド』を楽しみに待っています。これはどちらのキャストも観たいですね〜