6/23(月)、1300公演
東京建物Brilliaホールにて『梨泰院クラス』を観劇。
和希そらの出演を聞いて観に行きたいと思っていましたが、まずはこの公演については驚いたことが三つありまして…
①強気の価格設定
S席16000円のチケット。
帝国劇場など大規模ホールのグランドミュージカルでもないのに、この強気。
主演は小瀧望。チケット売れる人なのか?
②買えない
なかなか高額なチケットなので、楽勝と思ってましたら、抽選にはずれること二回、先着は即売。
え?!買えないの?
あまくみてた。
最終的にはカード会社の二次抽選で入手できました。
③電子チケット
チケットはMOALAという電子チケット。
事前にメールで受け取り用URLが送られてきて、お席は改札を通るまでわからないということ。
えー?!そもそもこれどうやって表示するの?(と行く前から既にドキドキ)
東京で27、大阪で7、愛知で4公演となかなかの数だし、原作マンガとドラマでヒットしたとは言え実績のあるミュージカルではない。なにしろ世界初演。
もちろん(と威張るわけではありませんが)原作は知らないし、なんなら和希そら以外の出演者も知らない人ばかり。
どこにこんなにも人を惹きつける要素があるのか?楽しみでもあり、胡乱でもあり。
フォトスポットでは20センチくらいの人形を持った人たちがくだんの人形と一緒に撮影するのに列を成していました。「推し」ってやつ?
私のように何の知識もない人に。
梨泰院(イテウォン)は場所の名前、日本で言うなら六本木や渋谷のような繁華街だそうで、イテウォンクラスというのは主人公パク•セロイの店の名前ということです。
公式サイトから相関図をお借りして、とりあえずロビーで予習を少しだけ。

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お席は三階E列、ギリギリセンターブロックですが、かなり上手寄り。最後列まであと二列。後ろにいくにつれて席数が減る関係で、私の真後ろには席がなく、前のめりもOK。悪名高いブリリアの手すりも上から超えて見られることに。
日本語による観劇の注意のあと、韓国語による放送もありました。韓国人がそんなにいたとも思えませんが(なにしろ芝居自体は日本語上演)、世界観を感じる演出でした。
幕間20分含めて2時間50分。
率直に言って、とてもよかったです!
お席は三階までほぼ満席、母子連れ(子どもでなく10代20代の娘さん)が多かったのと、あとは平日昼間のせいもありましょうが、ほぼ女性客のみ。宝塚でもポツポツ男性客が混じっているものですが、0ではないと思うものの、男性はほんとに見かけなかったです。やはり劇場を埋めたのは、原作ファン、小瀧望ファン、そして和希そらファンが多いのでしょう。女性アイドルファンなら男性もそこそこいたはずなので。
ストーリーは公式サイトも貼りましたが、父親をひき逃げで殺されたにも関わらず、逆に傷害容疑を受け刑務所に入った主人公が、臥薪嘗胆の年月を経て、同じ飲食業界でドン的な存在であるチャンガ(張家)のオーナーに真っ向から挑むお話し。
韓流に免疫がないので、こんな設定がわりに普通なのかがわからないのですが、はじめは(これ、何時代のはなし?)と思われるような前近代的な背景で、そこを飲み込むまでにやや時間がかかりました。SNSやらインフルエンサーとかいう単語が出るに至って、現代の話なんだということがわかり、現代社会でも権力者というものがこんなふうに「悪の象徴」のように描かれて、その没落がもてはやされることに、韓国社会の変わらない風潮を感じます。
芝居がだいぶ後半になっても、レストランの料理対決のようなバラエティ番組を撮っているときに、相手の印象を悪くする印象操作として、トランスジェンダーだとSNSに噂をばらまくという手法がとられて、ある程度功を奏するのにも驚き。(え?現代の話だよね?)とまた思い返すという…
まぁそれぞれの国の事情もあるでしょうから、そういう(あれ?)と感じる、異国人たる私の感覚は別として、主人公パク•セロイの何ものにもくじけないまっすぐな信念には心を打たれたし、あまりにも鈍くてイライラすることはあったものの、最終的にはハッピーエンドでしたので、温かい気持ちで幕が下りてよかったです。三時間近くまったく眠気も起きず、時に手に汗を握り次はどうなるのか?とのめり込むような思いで最後まで引き込まれて拝見しました。原作があるとは言え、いい脚本だったと思います。
演者についてチョイチョイ感想を耳に挟んでおりましたが、まず和希そら、全方位穴無し。盤石です!
そして主人公の小瀧望、えっとお初でしたが、歌はやはり残念な感じでした(スミマセンスミマセン

)。ピッチが合ってないのだな…でも彼はたたずまいが正に真ん中でして、主人公のまっすぐさと見事にリンクしていて、説得力がありました。芳雄さんや育ちゃんと比較しては違う気がします。存在感、オーラが主人公として光っていました。



歌で言えば、刑務所で知り合ってセロイに心酔し、一緒に店をやることになったチェ•スングォン吉田広大が、歌う場面は多くなかったですがなかなか上手でした。
あとはチャンガの会長役の佐戸井けん太さんがイヤラシさ満点で、さすがのベテラン俳優の名演技に感心しました。
セットはびっくりするほど階段が多く、しかも高い!(どれも10段以上あります)その階段を組み合わせてセットが展開するのですが、出演者がいちいち駆け上がって駆け下りるという体力勝負。笑笑
「警察を呼んでくる!」とチョ•イソ(和希そら)が急いで呼びに行くときも、上って降りる。そして警察がやってきたときも、その逆を正確にたどり、まさかの上って降りてやっと到着。一刻も早く来んかい!とも思いましたが、そのジリジリ焦燥感も演出の内かな(笑)
男性が多い現場のせいか、喧嘩シーンも本気モードで、そらも何回もふっとばされてました。生傷が絶えないかも。大けがにならないように気をつけてほしいです。オ•スアは喧嘩に巻き込まれないので、やはりキャスティングのときにアイドルには気を使ったのでしょうかねー?ダブルキャストで、今日は川口ゆりなでした。
ゲネプロか初日のときの写真を見ますと、なんとそらが一番小柄では?立ち位置や靴もあるので明確ではないですがこんな感じ。

よく宙組で男役をやってたものです。
そう言えばここブリリアホールは『プロミセス・プロミセス』でシェルドレイク部長を渋く演じた劇場ですね〜。今日のような日がおとずれようとは、私はもちろん、そら自身も思ってなかったでしょうね。
いいパフォーマンスでした









本当に観られてよかったです。