9/8(日)月組の全国ツアーで娘と仙台へ

仙台銀行ホールイズミティ21。

キャパ1450人、二階がなく一階32列と縦に長い劇場。

20番台、センター寄りの上手にてマチソワで。

おけぴで譲っていただいたもの。

日程の関係で市川が無理のため遠征を決めました。


東京駅から90分、はやぶさに乗って駅は二つめ、大宮の次は仙台。近い!

首都圏のお客さんも充分射程圏内。

ソワレのときの、私の左の方も首都圏から、その隣の方は名古屋からということで、かなりの確率で遠征客だと思われます。





まずは『琥珀色の雨にぬれて』

宝塚ファンの間では周知の柴田先生の作品。1984年が初演で、以後全国ツアーで何回も再演されているので、誰しもいつかどこかで観たことがあるのではないかと思います。

柴田作品て、良く言えば「男のロマン」を色濃く描いたものが多く、自分が主人公だったらこんなふうに女性に想いを寄せられたいかのような憧れが強く感じられますね。

忖度しないでぶった切らせていただきますと、妻や婚約者がいながら、違うタイプの女性に出会うとその人にも惹かれ、相手からも思われて(そんなこと現実にはほぼない笑)どっちを選ぶべきかという、自分勝手で贅沢な悩みを物語にしてるというほぼそのパターンです。当事者でない女性の立場からみて、なんとも煮えきらない自分勝手な男だといつもイライラするので、柴田作品には共鳴できないことが多く苦手に感じるのだと思っています。

『琥珀色の…』においても、浮気でなく真実の恋であると言うなら、婚約者のフランソワーズに謝って婚約を取りやめて、シャロンと逃げればそれで解決でした。シャロンはパトロンがいるようでしたし、いわば商品に手を付ける形にはなるので、もしかすると追われるかもしれないし、二度と故郷に帰れなくなったり、家族や友人とも縁を切らなければならなかなるかもしれない。物語的にはそれはそれで逃避行的な作品になりそうです。そこまでの覚悟ができていないのに場当たり的にフラフラと気になる女(シャロン)を追うから、周りの人を不要に傷つけるし、結局はどちらも得られないことになり、愚かだね〜としか思えない。

ところでマジョーレ湖(イタリア)では琥珀色の雨が降るというのは柴田先生の創作らしく、調べてみてもそういう事実は見つかりませんでした。『琥珀色』というのは黄色みを帯びた赤茶色、ダイダイ色などと近く、おそらくは夕焼けのなか降る雨のイメージかなぁと思われます。まぁロマンチックな比喩ですよね。わざわざその雨を見に行くというのが二人の希望=夢を象徴的に表しているわけで、いかにも柴田先生らしいと思います。悲恋ととらえるとなんだかかわいそうな感じもしますが、事実はまぁ浮気だし…?男は、心根のやさしい貞淑な妻では、物足りないってことですなんですかね?危険な匂いのする女を自分の手のうちに掴みたいものなんでしょうか?気の多い男の気まぐれに振り回される妻はまったくいい迷惑と、毎度のことながら辟易させられた次第。

共鳴は難しいこういう作品だとはわかってた…それでも再演を繰り返される作品、主演が変われば観客はまた見に行くわけなんですが、誰に心を寄せて観る人が多いのか聞いてみたいです。

ちなみにワタクシですが、もっとも心を揺さぶられる配役はルイ(今回はマイティ)。ジゴロという浮草稼業、ビジュアルや仕草や受け答えやダンスの技術を磨き、豊かではない出自から這い上がってきた苦労人。本気の恋はしない矜持のはずが魔性の女に抗えず惹かれ、業界のタブーを破り、恩ある人たちに背を向けて全てを捨てての逃避行を決行、あげく恋に破れて去っていくその背中がなんとも切ないな〜。エバがひとりごちるように「もう少し見守ってあげたかった」し、逆説的ではあるもののシャルルが言うように「あの男はもう大丈夫だね」というのも真実味がありました。この次はお互いに思い合える相手に出会えますように、と願う終演後です。


『Grand TAKARAZUKA110!』

れいこさんが去って初めてのショー、そこかしこにれいこさんがいないことを実感します。一番はやはり、『雪月』の場面なんですが、ここはりんきらとマイティが入って、当然全くの別場面になっています。

ほかもアバンギャルドのセンターがマイティとおはねちゃんだったり、マスカレードがちなつさんのトップ初の客席降りとなって悲鳴が上がったり(笑)と、このあたり、花組風味があったように思いました。両手で手を握って離さない人がいたり、立ち上がる人がいたりと、地方公演あるあるも。

マイティの参画もあり、ちなつさんも踊れるトップとして、組全体もダンスパフォーマンスにスタンスを置くこととなったのか?元々力のあるかたがたでしょうから、同じタイトルながらガラリと雰囲気の違うショーを見せてもらった気がします。個人的萌えポイントとしては、てらくんと妃純凛ちゃんが数多く組んで踊っていたことで、オペラでガン見していました。


前日の9/7土曜にはれいこさんが観劇で月組生燃えたでしょうが、9/8のソワレには蓮つかささんがお席に。ちなつさんと嬉々として再会を喜んでいたようで、そう言えば蓮くんは宮城県の出身でしたよね?地元で先輩のトップ就任をお祝いできて感無量だったことでしょうね〜。


仙台二公演観ての弾丸日帰り。

中学生の時の修学旅行が仙台で、片道四時間かかったことが思い出され隔世の感が。首都圏でチケ難必至の全国ツアー。仙台ももはや首都圏?!