9/10(日)1230よりキネカ大森にて。

『RRR』をみてきました。妹と。


宝塚観劇のジャンルで書いてますが、これはもちろん、次期星組公演の演目の予習のつもりですので~。

発表になったとき、周囲では「おもしろいと思う!」という意見が多かったので、映画を全く知らなかった私は(きっと話題になったんだったんだろうなぁ)とボンヤリ思ったものです。妹が私の話を聞いて先に見に行き、「もう一回見てもいいから、見るとき誘って」と言われていて、声かけした次第。


約180分、三時間。インターバル入ると聞いてましたがキネカ大森では続映で…

話の筋道は見る前からわかってはいましたが、なかなか安心する展開にならず、ずーーーっと緊張が続きました。手に汗握るという感じ。

なかなかのバイオレンス ガーン

文字通り不死身のセンター二人が、暴れまくり、血しぶきが飛び散るシーンもそこかしこに。思わず目を背けてしまったことも。


率直な感想として、これイギリスからクレームなかったのか?ということが真っ先に気になりました。

1920年大英帝国植民地時代のインド、不勉強で詳しくは知らないのですが、現地の民衆が虐げられていたことは控えめに言っても想像できる。この映画の描写がオーバーなのか、ある程度真実なのか、かなり実際に近いのか、わかりかねるのですが、独立運動が盛んだった歴史を振り返るに、やはり異国民による力の支配は歓迎されていたわけではないのだろうと思われます。

でもこんなに大英帝国のインド総督を悪の権化のように描いても、イギリスとインドの間には感情の軋みのようなものはないのですかね?エンタメはエンタメ、歴史は歴史、あるいは過ぎたことは終わったことと割りきれているのだろうか?とすごく疑問でした。

ローマ帝国や大英帝国がやってきたことに比べるのもなんですが、直近の戦争での日本の侵略行為を近隣諸国にことあるごとに非難されて、その度に外交関係がきしんでいるのを思うと、なんだかふしぎ。こんなに大規模にイギリス(大英帝国)を悪者にしても、両国の間では問題ないのでしょうか?当事国でないので感情論は全く想像の外です。


ジャンルがバイオレンスアクションとわかっていたら、一般論としてまず見にはいかないのですが、

今回は星組の次回作なのでというのがあり。

またバイオレンス要素を多く含みながらそれほど嫌悪感がなかったのは、ひとつにはセンターの二人が不死身すぎてあまりにも荒唐無稽だったことがあり。

それぞれの事情があって、いったんは敵どうしになるものの根底には互いを認めあい信頼しあう関係を信じられたことや、

ダンスや歌などが時々かなり長めに入り、そのパフォーマンスを楽しめたことなど。

ま、途中からは配役を妄想したり、どの部分を切り取るのだろうか、とか、踊りまくるフィナーレはまんま組子全員でやるのかしら?とか、映画とは無関係なことも考えながら見たりするのもおもしろく。

二人がお互いのすれ違いに気づいて協力して戦うラスト20分ほどは、銃器だろうと大軍だろうともう当たるところ怖れるものなし。客観的に見たら殺しあいで、目を覆うような惨状ではあるのですが、インド総督側がそれまで徹底的に残忍に描かれていたので『勧善懲悪』にしか見えず、見ているこっちの善悪判断もだいぶ狂ってるなーと思いながらも小気味良く感じたりして…。度を過ぎると、人間あらゆることに鈍感になれるものかもしれません。


ラストシーンでラーマにお礼に何をほしいか聞かれたビームが、「読み書きを(教えてほしい)」と答えたのがこれから何かが変わりそうな予感が残って、とちょっとほっこりできたのが良心の救いでした。


そして最後はお約束のダンスシーン、インド独立に功績があった英雄たちの肖像をバッグに踊りまくるセンター付近の人々。あくまで陽気に笑顔で激しいダンスを踊りながら、芯は揺るがない。まぁやはり、反英映画なんだろうなー。そしてたぶんイギリスも大英帝国の盟主としてぶつかりつつ怯まないのかもしれないなーと思いながら映画館をあとにしました。


(たぶん)60席ほどの小さな映画館、目測ですが7割ほど埋まっていました。いま上映館は都内では数館で、一日に一回の上演となっていますし、終演は未定としているところが多いです。気になっているかたはお早めに。自宅でレンタルより映画館の大画面で天下無敵のアクションやダンスを堪能することをオススメします。