5/15(日)11時、セディナ貸切公演。
最近には珍しく一人観劇。2階2列目センターにて初見でした。 とても見通しがよく、恵まれたお席でした。
和ものでハッピーエンド。『幕末太陽傳』とか『アナザーワールド』の系譜でしょうか。予習もせず気負わないで楽しみたいとだけ思って出かけました。
見終わっていつもの一言感想ですが、
「楽しかった~」
初めて観たはずなのに、なぜか耳馴染みのあるメロディや歌詞。知ってる気がする話の展開は、やはり知らず知らずにテレビなどで見聞きしている時代劇の影響なんでしょうか?DNAに深く刻み込まれている物語の素地のせいか、クライマックスの人情裁きでは不覚にも涙までにじみました。
お約束の勧善懲悪、安心して見ていられる結末でリラックスして見られて、これはこれでよかったのでは。どっかんというほどではなかったですが、そこここで笑いが起きて、ずっとあたたかい空気に包まれているようでした。
ひとつだけ気になった点、夢介さん姿勢が悪すぎません?背も高いし、相手を立てる感じを出すために背中を丸めて下を向いてなるべく縮こまっているのだとは思いますが、ずっと地面ばかり見ているのがあまりに不自然な気がしました。話が後半になるにつれて背筋もシャンとしてくるので、心理的な変化が姿勢に及んでいるのかとは思いますが、他にそのあたりをうまく表す方法はなかったもんかなー?とちょっとだけ残念に感じました。
あーさはうまく役になりきってましたね。羽振りがよく 器量のいいのを利用して、幾人ものの女性を手玉にとり、肝心なところでは逃げ隠れする憎めないボンボンで、はまり役だったんじゃないでしょうか。
金さん役の縣も登場シーンは多くありませんが、『遊び人の金さん』と言えば、遠山の金さんというのが知れ渡っている設定ですから、最後にお白洲の場面でのどんでん返しを今か今かと待つワクワク感も楽しかった。縣も振り切ってお奉行遠山金四郎になりきってましたね~。『カリスタ』でナポレオンを演じたれいちゃんを思い出しちゃった。
ショーの方ですが、芝居との180度転換がいかにも宝塚の王道パターン。 さっきの夢介と同じ人?!という驚きは毎度おなじみ
まずそらくんがビックリするほど馴染んでて、生存確認安心しました。適応力高いのね。
そしてショーでも縣が目立ちました。プロローグのあと、一人場面をセンターで任されたのもそうですが、そのあとの白系と黒系の衣装で男役が踊るシーンに遅れて合流する登場のしかたが、最奥のセットからくるんと回転して出てくるという派手さ。トップスターみたいでした。
あやなちゃんがいなくなるの痛いな~というのも感じました。もちろん、縣→カセキョーという御曹司の代繋がりがハッキリ見えて、その周辺の学年にも有望な才能がたくさんありますが、あやなちゃんのキラキラ感はにわかには埋めがたい。卒業後の幸せを願っていますが、惜しいです
りーしゃ、まなはる、あすくんなど上級生、しゅわっち、はいちゃん、かりあんなどあやなちゃん以下の学年の生徒さんも銀橋を渡ったり、フューチャーされる場面があり、いわば総力戦のように感じました。咲ちゃんが強力なリーダーシップで引っ張るというより、トップをみんなで盛り上げる体制と見えました。
そして今は雪組もダンスの組かな、と。
私はダンスの方面はまったく素人なので論評はできないのですが、カセキョーくん、群舞のとき表情が必死に見えました。いろいろ期待されて、抜擢を受けて、そうして育っていくのでしょうが、そりゃ今ゆとりはないでしょうねぇ。首席ですから実力もあるでしょうし、努力家でもあるでしょうが、まじめなだけにあまり思いつめないことを願っています。先は長いんですし、光溢れる道が待っていることでしょう。
まだ複数回観劇できる予定です。
ちなみに明日は舞浜の月組へ。江戸時代からいつとも知れぬ不思議な世界へ。実に様々な景色を見せてくれるタカラヅカで、白昼夢を見てきます。