3/10(木)1530公演。

休演中に一般前売りで購入した二階5列目センター寄りの下手。とても観やすい席でした。センターに近かったせいか?前の人の頭が舞台にも銀橋にもかかることがなく、ストレスなかったです。東京だとよくその手の見切れがあるんですけど、兵庫ではあまり感じたことがありません。設計の違いでしょうかね?



再演ですから内容は知られてるので、ネタバレとか関係なく初見で感じたことを前後も関係なくザックリと。


まずは芝居の内容についてですが、今の世界情勢がどうしてもリンクしますね。ロシアのウクライナ侵攻のさなか、よりによってどうしてこんな演目に当たっちゃったか…もちろんずっと前からの予定なのでたまたまには違いないのですが。

第二次世界大戦に至る導火線のようになったスペイン内戦。一言で片付けるにはさまざまな背景があったにしろ、人間て学ばないのね、とため息。その当時はラジオや報道写真の統制があったにしろ、今このネット社会ではまさか情報統制は不可能かと思いきや、SNSの遮断とかあるし、イヤハヤなんにも変わってないじゃん?

そんな息詰まり感の中でこの作品を観るので、心を揺さぶられ続けますね。一幕ではそこここで涙がにじんでしかたなかった。

もちろんワイルドボーンさんの楽曲は、なんというかとてもドラマティックで、沈んだ心を盛り上げる力があります。人を信じて戦おう(銃をとるという意味ではなくて)という気運が湧いてくるのですが、そんな中でも失われる命もあるわけで、厳しい現実とのギャップが渦巻いて、とても心を動かされる観劇でした。


次に印象に残ったことを思いつくままに。

ほとんどが歌で構成されるミュージカルで、言葉が明瞭なことはなんと重要か!ちょっと前に見た、言葉がほとんど聞き取れないミュージカルを思い出して痛感しました。決して歌がうまいわけではないと言われ続けている真風の、今作品の歌の多さたるや!聞き取りにくいものは皆無でした。喝采。


民兵の群舞を率いるセンターの女性の力強さに目を見張りました。そして歌うま!と思ったら、留依蒔世くん。さすが男役、ガタイも大きいしダンスにも迫力ありました。もう一人、歌うまさんだと思っている若翔りつくんとのハモりもあるので耳福です(^^)v  瑠依くんは、フィナーレでも女役で通してまして、デュエダンはなんとききちゃんと。楽しそうに目を見交わし、妖艶に微笑んでいます。美人ですねぇ。リフトされてますが、心なしかききちゃんの足元が不安定な気が?よく同じような体格の女性どうしでリフトできますよね~。私は娘の体重が20キロ越えた頃には抱っこは勘弁て感じでした(笑)


ずんちゃん、すごい悪。

こんな悪役初めてでは?こじらせた金持ちの坊っちゃんくらいのちょいワルテイストや、金の亡者ベネディクトはありましたが、こちらはやっつけられてちょっと笑えちゃうおもしろさがあったものの、今回はほんとに憎たらしい悪役です。もう立ってるだけで怪しい(失礼)夏美さんと双璧ですから。


水音さん、きっぷのいい姉御肌がお似合い。

とっても線の細い綺麗なかたですが、両思いのヴィセントを、「あんたがバルセロナに残るような人だったら惚れなかったよ」と戦闘に送り出す勇ましさがかっこよかったです。スカステなどで拝見しても、相手役に対してあまりデレデレなところを見せない芯の強さを感じます。


そしてまた途中から、「しどりゅーを捜せ」を発動(笑)  。たしかオリンピアーダの一人だったはず。瑠風、鷹翔、亜音、優希と消去法で消しこみ、ぶじに確保しました。


まっぷー

こういうあやしげな役をやらせたら右に出る人はいないですね。興業師。響きからしてあやしすぎる。それなのに、意外に憎めないいい奴(笑)


みねりちゃん

あんまり必然感がなかったような?わがまま勝手に振る舞う女優で、根なし草の頃のジョルジュの(元)彼女なんですが、娘②にやらせるなら、テレサ(水音さんの役)だった気がしないでもない。女優のゴージャス感を求めたのかもしれませんが、踊り子だってできたんじゃ?


フィナーレ圧巻

まずはききの銀橋渡りなんですが、ソロ歌唱がすばらしくてキラキラ特に最後の「Goodbye」の高音にしびれます。もうずっと聞いていたい。


いかにもスペインが舞台の作品らしく、男役が赤、娘役が黒が基調の衣裳で、群舞を踊って踊って踊りまくります。

真ん中に立つ真風を囲んで男役が膝をついて終わる場面で、これが姿勢が揃ってるんじゃなくて全員バラバラ。揃ってる美しさってのもありなんですが、え?ちょっと待って、誰を見ればいいの?とパニックに(笑) 二三人しか見られませんでしたが、パッと見全てかっこよかった。じっくり見たかったなー。そのまましばらく止まっててほしいくらい。

真風とききは、芝居では主演はもちろん真風なんだけど、ダントツで歌多いし。でもショーではトップ二番手という枠組みを超えて対等に露出しているように見えました。拮抗している①と②。ダブル二番手というのはあったけど、ダブルトップに近い体制に感じました。信頼感もあり、引き継ぎももうじきなのかなと思わせられましたね。

男役は小道具として闘牛の布(ヌレータ)を使った場面がありますが、これがまたなんとも壮観。大階段と、花道まで広がって赤と黒の布が激しく翻るのが圧巻。

それまでの重たい芝居を吹き払うような勢いでした。


さて今夜のお宿は阪急系列。地上波12チャンネルでスカステ入りました。チェックインしてテレビをつけたら『ホテルスヴッツラハウス』をやってまして、真風、画面にどーん。いや、すごい余韻だわ。


明日もう一度観劇して帰京します。