2/12(土)1330公演。品川ステラボールにて凰稀かなめ主演の「TARKIE THE STORY」を拝見しました。
宝塚歌劇が軒並み休演となっていて、いわゆる外の演劇のチケットのみが生きている昨今。これだとていつ休演となるか、薄氷を踏む思いで毎日の幕が上がります。
劇場はライブハウス。品川プリンスホテルに付随するいくつかの建物群のなかのひとつ。完全可動式の椅子で、着席座席数は一階二階合わせて800席。スタンディングであれば1800人ほど収容可能な箱です。名付け親はユーミンだそうで、コロナ前はアイドルのコンサートなども盛んに行われて賑わっていたらしいです。たぶん7列目くらいまでは平面で、その後ろからステップになります。非常に左右に長いステージで、下手だった私はほぼずーーーっと上手方向を向いての観劇となりました。前から3列目ではあったのですけどね。多少後ろでもセンターの方が見易いかも。選べたわけではありませんのでやむを得ませんけど…客席の入りとしては、7割くらいの感じでした。
座長りかさんの動員力を以てしても、7日間11回の公演を満席にはできないのが若干ショックですね。
でもりかさんのファンでしたら、ぜひ観ることをオススメします。熱が再燃しそうなかっこよさうけあいです!
松竹少女歌劇団の男装のスターだった水の江瀧子を主人公にした、大正昭和時代の演劇界が舞台。リアルタイムで知っている方ではありませんが、有名なのである程度はというくらいの知識で臨みました。
少年隊の植草克秀さんの演出で、そこここにちりばめられた男性俳優中心のちょっとクスッと笑えるシーンは植草さんならではかな?と。おそらく男性俳優だからこその、(文字通りの)体当たりにはドキッとする場面もあり、りかさんや翔ちゃんに触らないで~(悲鳴 )みたいな息を飲むところもあり…
あらすじはスンナリ入ってはきたものの、初見でしたので出演者のかたが多くて(30人ほどでした)キョトキョトしてしまいました。
ただ、オリエ津阪(彩凪翔)、淡谷のり子(夏樹陽子)、笠置シズ子(NANA)、並木路子(石川古都)など名前を知っている実在の人物が多く、実際の絡みがどこまで真実かはともかく、同時代を生きた方々の、いわゆる青春群像劇として充分におもしろくできていました。第二次世界大戦という大きな歴史のうねりの中で、苦しく辛い思いを味わいながらも芝居が好きで、「人々に楽しんでもらう」ことを使命に感じて荒波を乗りきっていくタアキイが力強く描かれていました。
戦争が終わって演劇界の立ち直りを暗示してストーリー自体は終わりますが、そのあとにいわゆるレビューがついていて、タイトル通りのドラマティックレビューを堪能できました。
光沢のある水色のジャケットをまとったりかさんの「キャリオカ」、翔ちゃんも同系色の短めのジャケット姿でからみます。黒の燕尾服のりかさんと翔ちゃんのバラタンはもう垂涎もの。男役姿のりかさん、翔ちゃんの率いる4人ずつのグループの競演も豪華(いやにおしだしが…と思ったら、宝塚出身の男役さんたち)。そうそう、翔ちゃんはこうやってちょっと右に首を傾けて踊ってたななどと懐かしく思い出しつつ。ウィンクも現役でした
DreamAmi、NANAがセンターのかわいこちゃんたち、男性の出演者のタキシード姿でのダンス、見慣れませんが(笑) 恰幅があってそれはそれですてきでした。古川さんの美しい透明感のある「リンゴの唄」、夏樹さんの堂々たる歌唱。いやみなさん、歌がうまい!ミュージカルではありませんが、単発の歌唱がそれぞれに聞き応えがありました。
オーケストラボックスはないものの、舞台の後方と上手下手に12人ほどの奏者が配されて、生演奏だったのもぜいたくでした。
ラストシーン、真っ白な長い裾のマント姿のりかさんはもう本当にかっこよくて、眩しいほど。
コロナのせいもありましょうが空席が目だってほんとに残念です。
どんな時代でもエンタメの火を絶やさずにいたいと願い続けたタアキイの心意気が、今コロナ禍のなかでの演者側の訴えにも重なるものを感じましたね。
フィナーレのあと下手へはける翔ちゃんが手を振ってくれたのがうれしくて ファンクラブ席位置だと知ってたのかも?目線が合った気がしました。(合いました!と信じます)
あと一回観劇の予定です。チケットが自由に買えそうなので何度も通いたいのは山々ですが、A席でも8000円なのはなかなかシビアですね…