1/27(木)13時公演。A席のセンターでした。
東京宝塚劇場の窓口が開いていて感激
花組『元禄バロックロック』いよいよ30日(日)から再開ですね~
森のほうは、この日が終わればあと4回で東京の千秋楽。途中で休演者は出たものの、復帰を果たし、全員で楽を迎えるのももうすぐです。
三回とれたチケットが全て生き、このご時世で恵まれていたと感謝です。
客席は望海さんの退団時のグッズのバッグや、チェックのチケットケースを持った人があちこちに見受けられ、望海さんのファンがたくさん。みなさん、望海さんの生存確認ですよね?笑
望海さんにしても、なじみの東京宝塚劇場のすぐお隣、通う道も同じできっと安心だったでしょうね。そして客席にはファンの方たちがたくさん。
何を見せられるのか緊張の1回目、望海さんのパフォーマンスに見入った2回目、今回3回目にしてようやく、ストーリーに思いをはせる気持ちになりました。
事の発端はなんだったのか?ここではパン屋の父親が妊娠中の奥さんの為に魔女の畑の作物を盗みに入ったことから、玉突き的に物語が動き出しました。
でも始まりはなんであったにしろ、誰かの行動が他の人に影響を及ぼし、その連鎖が次の事件を呼ぶというのはよくあることで、それが最終的に命のやりとりにまでなってしまうと、断ち切ることができなくなっていく。AがBを殺した、Bの息子がAを殺す、そうすると今度はAの息子がBの息子に復讐する。誰も自分が悪いとは言わない。だって、あっちが先に殺した、盗んだ、騙した、嘘をついた…だから自分には仕返しをする権利がある、と。歪んだ正義が世代を越えて憎しみや恨みとして連鎖していく。人間のサガは悲しい。どんな目に合わされても相手を恨まないなんて人はまずいない。相手が私の大事なものを壊すなら、私も相手を同じ目に合わせてやる、、、と実行に移さないまでも心に抱えている。森はそんな心の闇をあぶり出す。
それは最後に悪ものとして討伐される巨人にも。巨人をやっつけなきゃ!といきり立つ人々に、赤ずきんは「でも巨人だって人間だよね?」と金切り声をあげる。「人間を踏み潰す悪いヤツだわ」とシンデレラ。赤ずきんは道義的に正しい。そしてシンデレラは正義を貫く。正義というのは極めて利己的なもの。スピンオフなら正義は巨人の側にもある。
子どもの頃から知っていたおとぎ話の裏にこんな自分勝手な欲望が渦巻いていたことに、観客の一人である私はがく然とする。
子どもがほしい欲、お金がほしい欲、もっともっと人に愛されたい欲、いろんな欲に囚われるとき人は道を踏み外す。でもそれが人間。
妻を失ったパン屋、母を失ったジャック、お姫様を捨てたシンデレラ、一人ぼっちになった赤ずきんが、今後はお互いに助け合って一緒に暮らしていくのだろうという想像を残して幕が閉じる。
だって生きているものは簡単には死ねないのだ。なんとか折り合いをつけて、死ぬまでは生きなければならない。
私も平和な日本に生まれたし、こんな極限状態を経験したことはないけれど、ことは事件の大小ではないのだと思う。それぞれの時代に、それぞれの人にとって、様々なことが起きている。今ここで。
森は誰のなかにもある。
カンパニーのみなさん、千秋楽の日まで熱演を
「願う❗」