4/8(木)1830
日頃からお世話になっている方の取り次ぎで、13列下手で私の最後の雪組 「fff」と「シルクロード」を。
せっかく新しいオペラグラスを買ったのに、ほぼ必要のない距離。ありがたい限り。
年明けの5日から3か月、まったく、よく通ったもの!
最後となる日、どんな感情を抱くかと想像しかねていたが、意外なほど平静で。静かに「ありがとう」という気持ち。
観劇前に知人とお話しできたのも良かったかも。みなさんだいたい、ヅカ歴30年以上、中には60年とかいう強者の男性もいて、宝塚の低迷期も隆盛期も一緒に乗り越えてこられたかたがた。まぁよく覚えてるし、いろんな事をご存知で驚くばかり。それに、退団者を星の数ほど見送っていらっしゃるので、「カカカ」と笑って、「大丈夫かい?」とおっしゃる。
第一幕が終わったあと、真後ろに座っていた20代?の二人連れが「めっちゃ暗い話なんだけど」と2度も3度も言い交わしていて、(そんな印象なんだー)と白けた気分にもなったが、ショーが終わった後には「すっごい短いんだけど!!(でしょ?w)あーさばっかり見てたよ!」と興奮して言うのを聞いて、(あーさをTVで見て、ファンになった人かな?)と微笑ましい気持ちに。そう、きっかけはどうあれ、劇場に足をはこんでみて(来て良かった)と思う人が増えるのはうれしいこと。そうやって宝塚は続いてきたし、これからも続いていく。
卒業する人がいる一方で、これから上がっていく人もいるということ。
初演で観た作品を上書きするのは難しいと言われているが、初めてのご贔屓を超える人も現れるものではないらしい。私も、初恋の大空ゆうひさんを失った衝撃以上の喪失感とは違うだろうとは想像はしてた。
こんなに静かな思いで、パレードの最後の笑顔を見おくれるとまでは思ってなかったけど。
ゆうひさんの退団を越えた心の覚悟もあったし、その時よりはチケットを手に入れる方法も知っていた。子どもも成人し、介護の必要な親世代はもういなかった。後悔ないようにした方がいいよ、と背中を押してくれた人もいた。
たくさん写真や本、CDやBDも買った。ゆうひさんの退団後は長い間作品を見ることができなかったけれど、今回は退団公演中からもう見たり聞いたりし始めている。見ること、聞くことで癒されるのを感じる。ずっと近くにいるように感じられる。
そして今さら、『Many Thanks』を聞きながら「Super Voyager」の中の「希望の歌」が、ベートーヴェンの第9交響曲であることに気がついて胸が熱くなる。はじめから終わりまで、“ 希望 ”を届け続けてきてくれたことに。
「あなたが笑顔でいられるように」
そのメッセージ、ずっと忘れない。
ありがとう。
あなたがたのあとを歩いていく人は続く。
コロナがまた猛威をふるい始めてきている。東京も来週からはまん延防止重点措置期間に入ることに。
あと三回。
どうか無事に千秋楽の幕が降りますように。
2021年4月9日(金)記す