「ノゾミ」の隠れ文字
何からお話ししていいのか、気持ちの整理も情報の整理もまだつきません。
とにかくあっという間の2時間半、ネットをみたりしてこんなイメージとかはある程度掴んでいったつもりでしたが、まったく想像を超えていました。
背後に映像が映りつつ、舞台の上の人も一緒に動くので、まずどこを見ていいのか混乱します。映像と言っても、昨今芝居で効果として使われる背景画像やイメージ映像ではなくて、歌って踊る生徒の映像や、出演生徒の紹介などが流れているので、そちらも見たくて、奥を見たり、手前を見たりと、目のレンズの調整がたいへんです(笑)オープニングが終わったあと、望海さんがMCで穏やかにしゃべってくれた後は、曲は休みなくガンガン歌い継がれますし、映像は流れ続けているし、とにかく忙しい一幕でした。
望海さんがトークの中で「自粛期間中なにしてました?」と客席に話題を振っても、帰ってくる答えは(当然)なくて、「しゃべれないもんねー。私が皆さんの心の声をキャッチするしかないですよね」と、そのあとは拍手で答えられるyes no疑問文にしてくれていました。
全体としてアニメっぽい作りを意識しているのか、擬音も「がーん」とか文字で映ったり、フラッシュや効果線なども使われていて、アニメ映画に舞台の一部が組み込まれているのを見ているような感じもありました。私の世代が若い頃に聞いていたJポップも懐かしく、一世を風靡したジュリアナ東京がベースと思われるバブリーなシーンもあり、息つく暇もないほどでした。曲名もバッグにフラッシュで流れますので、(あれ?なんて曲だっけ?)というときにも助かりますね。
2幕めの皮切りは、「雪組公演を喜劇にしたら?」というテーマで、望海さんは壬生の吉村の扮装で現れました。
望海さん率いる雪組と言えば、その作品は「悲劇」「反社会的」「ギャング」「貧乏」が代名詞のようなラインナップの数々。雪組生もそれを逆手にとって、パロディにしたててしまっていて、絶えず抑えた笑い声が起きる楽しい寸劇でした。ただ中に、『ファントム』とか、『ひかりふる』とか、どうしても輝きを消しがたい名曲があって、望海さんがその一節を歌うと、たちまちパロディから本来の物語の世界に引き戻される感じは否めませんでした。ここでは翔ちゃんの土方隊長がまた見られて眼福でしたね。

最後の方で、事前にとったファンのアンケートによるリクエスト曲三曲が歌われ、だいもんの声の心地よさに包まれました。特に、三曲めの「ザレビューⅢ」からの「愛の旅立ち」は我知らず涙がつーっと流れてきてきました。背景にだいもんの花組時代の映像が次々流れて、あたかもプレサヨナラショーでしたね。
今日で兵庫でのAパターンは最後だそうで、この後はBとCになりますが、これからご覧になるかたにちょっとした助言をするとしたら、応援グッズをなにか一つ買うなら、ライトがオススメかと思います。当初はタオルを使っての振りも予定されていたのかもしれませんが、今観客に同調を求めることはなく、使うところがありませんでした。拍手で応援することになりますが、特に一幕は、アップテンポの曲が多く、ヘタをするとずっと手を叩き続ける羽目になりますが、さすがに痛い( ;∀;)ライトがあれば左右に振っても応援できます。うん、オススメ。
まだ整理しきれないのですが、あと二つだけは言っておきたい。
舞台の左右に生バンドが入って演奏していることがひとつ。また大劇場ではなぜ前の5列を売らないのかと思ったら、銀橋を使うのですね。舞台の突端から銀橋まで板を渡してあって、そこを「架け橋」と表現していました。オーケストラピットの上を渡って銀橋に出てくることもあり、これまでどおり銀橋を歌いながら上手から下手へ、下手から上手へ渡る演出もあり、近くに来てくれた感じがあって、とてもうれしかったです。
生オケと、銀橋は、宝塚歌劇の象徴みたいなものですし。少しだけ復活の兆しが見えてうれしかったです。
実は東京でのCパターン(きいちゃんの回)が友の会で当選しました!

ふだんなかなか当選しなくてカナシイ思いをしていますが、ここでこれが当たれば、過去の落選は帳消しくらいの、逆転サヨナラです。
いまだに消化不良ぎみのNZMに東京でまた会えるのはラッキーのほかはありません。
最後に、ナオト・インティライミの曲「夢をあつめて」。コンサートの最後に歌われるのにふさわしい、あたたかく軽やかな楽曲でした。芝居の主題歌や挿入歌というわけではないので、ドラマチックな感情をこめて歌う楽曲ではないですが、だいもんのこれからの幸せを予感させる希望に満ちて、聞いているこちらもつい遠い目になりました。
夕べ2時間ほどしか眠れてないのに、早朝からの移動、コンサート、そして今帰京中にブログと、緊張と興奮はまだ続いているみたい。
今夜は早く寝ないと。
明日仕事なのに、、、です。