名古屋メシ、何一つ食べなかったので、売店でみそカツおにぎりを購入。食べながら帰ります。
一階は6列めくらいまで傾斜がなく、席もたがいちがいになってない為、前のかたの頭が丸かぶりとなってしまってとても見にくいことになって残念でした。せっかく改修したのに、なんでもっと、客席から舞台がどんなふうに見えるかを考えてもらえなかったのかな?建物の目的を無視した造りのように思えました。
フィナーレでは客席降りがありましたが、「ハイタッチや握手はご遠慮させていただきます」とアナウンスがありました。このご時世仕方ありませんが残念ですね。私の近くにはまゆぽんと蓮つかさくんが来てましたが、目ですごーくものを言ってましたね。(ありがとう、楽しんでる?)って。
備忘録的に。御園座では、東西宝塚劇場と同じく席で食事ができます。一階の御園小町ではお弁当も色々売っていて、「ここで買ったものは全て持ち込み可」ととのことですが、正直どこで買って持ち込みしようがわかりません。おやつも色々売ってるので、観劇のお供には楽しいかも。
今日のお席は上手、かなりの前方でした。応援しているかたの生徒席です。
さて本題、御園座、「赤と黒」。言わずと知れたスタンダール原作の長編小説です。
江戸は出島からの、中世フランス。振り幅大きいわ~。そういえば時期的には1800年代の前半で、同じ頃。世界は広いのね。
この物語、まっさらな気持ちで今の私の年齢と立場で見ると、正直(ないわ~)というところ。
あらすじを30字以内で言えば、生まれは貧しいが野心家の青年が、貴族の女性を踏み台にしてのしあがっていこうとする物語。筋書きに共感できないと、もうそのままずーっと批判的なスタンスに立って見てしまうので、今回は辛かった。その原作批判をおいとくと、、珠城のこういう屈折した役は初めて見た気がします。いつも好青年を演じる(てか、そのまんま)ことが多かったですから。美人さんなので、冷たい無表情な顔は迫力あります。筋書きはNGでしたが、芝居には引き込まれました。それって逆にすごいことかも。歌もあまりたくさんはないので、ガッツリ芝居で魅せたという感じです。組の特徴を表す言葉として、「芝居の月組」とよく言われますが、正にそれだったのかと。それほど出番はないのですが、月城演ずるフーケがいい人で、いつもの珠城ならこっちだよな、思われました。この人だけが、まっとうな人間でしたね。
貴族社会も、珠城ジュリアンが言うように(毎日踊ったりおしゃべりしたりくだらないことで時間をつぶしてる)人たちの集まり。月城フーケが言うとおり、(神学校にいって偉くなって大金をもらうより、働いてそれに見合った稼ぎを得る方がいいと思わないか?)って、すごーくまともな助言を聞けばよかったのにね~。でもまぁそうなると物語が成立しないわね。破綻する人がいるから、ドラマが生まれるわけでね。それはそれとして、フランス貴族のサロンの様子はさすがに宝塚歌劇の得意分野、蓮くんもるねくんも、はるくんももちろんれーこさんも、軍服風の衣装がキラキラ似合っていました。れーこさんは舞台のどこにいても飛び抜けて光って見えたわ。
一樹さんと、夏美さんの存在感も出色でした。若い生徒さんには到底出せない貫禄ですよね。
あとはルイーズさくらちゃんね。ときめくような娘時代がなく結婚してしまったのか?ジュリアンにちょっと迫られたくらいであっけなく恋に堕ちてしまって、三人も息子がいるのに、いったいそのあと家庭はどうなったのか?そちらが気になります。夫が浮気しているとか、暴力を受けているとかなら(そうだよねー)と思わないでもありませんが、夫に問題はなさそうだったし、ジュリアンの術中にはまったとは言え、あまり同情はできないかなぁ…世間知らずの貴族の奥様、若干あか抜けない感じもまた、うぶな雰囲気でよかったです。
マチルド珠李ちゃんは、貴族に生まれてお金も美貌も兼ね備え、社交界きっての貴公子を恋人に持ちながら「幸せだけがない」とグチる実にうざったい女性。いるいる、こういうタイプ。彼女の欲しいものは「刺激」で、ジュリアンにそれを求めていた。ジュリアンが断頭台に散ることになって、結局彼女は自分が一番欲しいと望んでいたもの、「余人とは違う人生」を手に入れたというところ。おそらくこんなにセリフのある役は初めてのことだったと思うのですが(新人公演ではあったかな?)もう全然、元は男役だったことは忘れて見てました。
こうしてみるとジュリアンは、女性を制圧したり、利用したりすることで出世を目論んだにも関わらず、結局は二人の女性に運命を変えられてしまったのだとも見えてきます。
計算ずくから始まった愛だったけれど、次第におぼれていったあげくの破滅。でもそれを後悔してないと言いきるある意味バカの付くような純粋さ。それがジュリアンという生き方だったのかな。珠城にこそふさわしい役だったかもと、幕が降りてから改めて思えました。
ほかには、まゆぽん、からんちゃんの上級生も久々に大きな役で見られてうれしかった。(^o^)v
別箱だと人数が少ないので役付きもよく、一人一人をじっくり見られていいですよね。
終演後、売店に人が群がってプログラムを買い求めているのが新鮮でした。一般的にヅカファンは事前に買うもの。公演が終わってから買うのは、「あの人ステキだった、なんて名前なの?」ということが多いのではないかと想像されます。奥様方の心をとらえたのは誰だったんでしょう?名古屋公演でまた、ヅカ沼に落ちた方々が増えたのでしょうか?チケットを手に入れるのはたいへんですよ(笑)
終わってからヒルトンのキャトル(地下一階)を冷やかそうかと行ってみたら、まさかの地上まで入り待ちの行列で、諦めて引き返してきました。これから行かれるかたは、公演の最中に行かれたほうがすいていると思います。
大阪~名古屋と月組三昧、充実の旅は終わりました。楽しかったわ~。一人旅でしたが、行く先々で隣の席のかたと話したり、初対面のかたと食事をしたり、お茶をしたり。お友だちとも行けたらそれはそれで楽しいでしょうね~。この先も色々な楽しみがありそうです。
この遠征の理由はちなつさんと、もう一つ。
それはそのうちにまた、書こうと思います。
次は…
東京で「出島小宇宙戦争」です。