花組マスカレードホテル、今日は生協のA席。芝居が楽しみといつも言っている夫を誘ってみました。
なんと!千秋楽公演で。集大成を観られるなんて、ラッキーです(^^)v
東野圭吾、売れっ子作家ですが、実は(個人的には)苦手な作家なんです。食わず嫌いじゃありません。10冊ほど購入したでしょうか、どれを読んでみても途中で先に進めなくなりました。日本語の感覚が合わないとしか……。ただ原作者として映像化されたものは評判がいいようなので、発想や構成力は高いかたなのだろうと思います。私は映像も見たことがありませんので、宝塚が東野作品全くの初見になります。一度しか観ないのでスカステで少しだけ予習しました。
この並びは、飛龍つかさが2番手格?ということなんですよね?正副組長、専科の汝鳥さんをさしおいて、立ち位置があきらの右隣ということは?そういえば他に目立った路線男役がいないのかな?こちらダンスオリンピアのキラキラに対して、いぶし銀といえるかもしれません。いぶし銀、好き。
プロローグでまず惹き付けられたのは音くりちゃんの歌声でした。芝居を誉めちぎっている評判を散見しましたが、プロローグで早くもつかまれました。
あきらが刑事の顔からホテルマンに変貌していく様がクスッと笑いを誘い、それと平行して筋書きが演者によって語られ(いやほんとーにセリフ膨大でした)、あらすじに予備知識のない私もお話しに引き込まれていきました。
間に挟まれた、本筋の事件とは結局関係はなかった、塾講師栗原(高翔さん)とのエピソードも丁寧に描かれていて、新田(あきら)がホテルマンとして山岸さん(ひらめちゃん)と信頼を築いていく過程がよくわかるようになっていたと思います。高翔さん、メガネをかけていたせいか、しばらくどなたかわかりませんでした。下級生かな?それにしてはやけに上手いな~と思ったりしてました。スミマセン。
しかしなんと言っても、この公演の真髄は音くりちゃんを語らなければなりません。1幕から盲目の老婆として登場し、ここまで作り込むからにはたとえこの筋書きを知らないとしても(絶対アヤシイ)と思われる人物でしたが、そして2幕はじめに音くりちゃんが、下手から上手へ黒いドレスで横切っていくのは(あまりに難易度の高い?)伏線だったとは思いますが、それでも、クライマックスで彼女が老婆の扮装を脱いで若い女性へと変化していく様は、驚愕でした。いくつか皆様のブログを拝見して、そのシーンを心待ちにしていた私にとってさえ息をのむ場面でした。声の調子、張り、スピード、姿勢、数秒前まで完全に老婆だった人物が、一枚また一枚と服を脱ぐうちにまったく別の人物へと変身していく、、、すばらしい芝居でした。そしてまた、その心情を歌った歌の絶唱たるや…!完全にもっていかれましたね。
舞空瞳が「プロ」と言われているのは知っていますが、この音くりちゃんを見ちゃうと、これこそがプロの仕事という気がします。舞空は多くの人が愛らしい顔立ちと評すると思われますが、それと比べると音くりちゃんはたぶん好みの別れるお顔立ちかと。こういう言い方は誤解を招くかもしれませんが、音くりちゃんは失うものをおそれずに捨て身の演技ができる。(←誉めてます)もちろん普通におきれいです。でも美人さん揃いの花園にあって、自分を他と差別化するものを惜しげなく表現することができる、稀有のジェンヌさんだと思います。ただ、この人がトップ娘役になった場合、彼女を活かせるトップ男役が現在いるか?というと、なんともあんばいが難しい。かなり学年の離れた包容力のある方を求めるのではないかと…となるとやはり、名脇役または別箱ヒロインということになってしまうんですかね~
二番手格のつかさくんですが、主人公の新田を兄貴分と慕う弟キャラで、ピッタリはまってました。場にそぐわないハデなスーツは、一歩間違えばカタギじゃない人物の造形になってしまうのを、彼女の明るいキャラのおかげで、すんでのところでこっち側に留めていました。
あきらが最後の挨拶で、「お稽古中はお客様にこんなに笑いをいただけるとは思っていなかった」、と言っていましたが、その笑いの半分以上はつかさくんがもっていったのではないでしょうか?
しーさん、警察の上司役、オールバックのスーツ姿、カッコ良すぎです。特に上着を脱いだ時のシャツ姿、何か詰め物(というんですかね?)しているのかなとは思いますが、ガタイ良くていかにも警官っぽかったです。「駒は局面を考える必要はない」という冷たいセリフを言い放つしーさん、くらくらしました。
今回は歌が少なめでしたから、ビックの目立つ場面はあまりなかったですかね~。いつもホテルのロビーのソファーに何気なく座っているところが、もう普通に男性のビジネスマンにしか見えなかったです。(←誉めてます)
気になるジェンヌさんのるなさん、役職は総支配人の次?くらいの感じなんですかね?みんなを集めて話をしたり、あきらの依頼を受けて予約している部屋を調べて伝えたり、大劇場と比べたらセリフもけっこうあってうれしかった。また警察がホテルを撤収するとき、総支配人(汝鳥さん)がホテルマンの心得などを語る後ろで、スタッフを振り返っては頷く仕草が、花組の副組長としてのるなさんとだぶって、うるうるしてしまいました。(母目線w)
フィナーレもるなさん、ロックオンしてましたよ。あきらを真ん中に、るなさん、つかさくん、しーさん、帆純くんの三角形、嬉しすぎです。いつまでも見ていたかったです。
今日は上手の席でしたので、終演後にあきらが挨拶しているのをオペラで見ると、その斜め後ろにるなさんが見えるという位置で(喜)、あきらの挨拶をじっと見つめるるなさんの同期愛を感じましたねー。
さて夫の感想ですが、「映画とほぼ同じ設定だったね」がひとつ。もうひとつが「今回はあまり歌がないんだね。いつもはフィナーレの時にけっこう歌うじゃない?」でした。あなたさー、芝居が楽しみっていつも言ってなかった?「今回はミュージカルじゃないからね、ほとんどストレートプレイだったし。いろんなタイプの公演があるから、それぞれなんじゃないの?」と言いながら若干腹が立ったことを、少しだけ愚痴っておきます。貴重なチケットですから、「よかったね」以外の言葉は聞きたくない感じですわ。(-_-#)
ところで、今日後ろの席に座っていたかたが、宙組のチケット10枚以上当たってしまって、さばけなくて困っているという話をしていました。私も5枚当たった上に、複数の知り合いから「どなたか行く人がいませんか?」と尋ねられたり、なんかだぶついているのかな?という印象を受けてました。演目のせいでしょうか?まぁちょっと斜め上をゆく設定ではありますが、一度観て普通に楽しかったですけどね?来週また、宙組を観劇の予定です。