生協の貸切公演で下手20列めにて。
ネットで見た評判は、前回同じく日本物の『邪馬台国の風』ほど酷評はなく、おおむね良い評価だったと思う。個人的にはその、『邪馬台国の風』も楽しめたので、今回も期待。
ナウオンとか、稽古風景とか歌劇の対談とか何も見ずに、真っ白で観劇。正直心を解放してたら泣きっぱなしになってしまったかもしれないという危険を感じる。隠れキリシタンとか、日本の歴史に関わる話は、けっこう自分の中にベースもあるし、日本人として揺さぶられる。地名や、個人の名前もダイレクトに脳の真ん中に飛び込んでくる。辛い…これをあと三回も観るのかと思ったら、とても辛い。と途中まで思っていたが、最後のまとめていきかたがとてもうまくて、未来に希望を託す感じに締めていたので読後感は悪くなくて救われた。
さてこまごま。まずは大まかに、れいちゃんすごくいい役。やはり二番手はおいしいよね。歌はも少し頑張ってはもらいたいけど、でも全体としてとてもよかった。苦悩するリノの感情に共鳴できた。
そして、≪たそ≫、もう殿の側近の侍として生ききってた。この人が次の公演にはいないのかと思うと、残念でたまらない。
家光役の、この非の打ち所のないキレイな顔の人は誰?と目を惹いた聖野あすか、あい変わらず芝居巧者のちなつ、立っているだけで存在感際立つアキラ、冷たい切れ者を演じて魅せたマイティ、あっちにもこっちにも目を奪われ、花組の層の厚みを感じた芝居だった。
ショーは、昔ながらのファンには品がないという感想もあるようだが、芝居が重かっただけに軽い乗りでバランスは良かったと思う。
ただ(まったく個人的に)蝶が苦手なので、正直オープニングは引いた。みりおが蝶の体なわけよね?あの構図は…
『シャンテ』に続く客席降りでは、席の後ろが通路だったので期待して待っていたところ、なんと!≪たそ≫が来てくれて、ハイタッチもしてもらえた✨感激~
闘牛士の場面では、ネットで時々見かけた「マイティ、牛」というバラバラの単語が、ようやく意味を為して頭の中で繋がった。あ、そういう意味ね。
『花美男子』の場面は、韓流を意識して作られたと思われるが、若手が躍動する場として、私は好意的に見られた。NEW WAVEの小さい版て感じで、バウにまでは遠征できない関東以北のファンには垂涎だったのでは?
初日に思ったことを順不同で備忘録的に連ねた。あと三回あるので、それまでに知識も入れて、頭の整理もして次の観劇に備えよう。
生協の貸切だったので、初心者?もかなりいたのか拍手のタイミングが若干妙なところがあってご愛敬。キャトルレーブで「初めてのお友だちを連れてきた布教に熱心なヅカファン」、といった方々の熱弁をおもしろく小耳にはさむ。それと、飽き飽きしたという顔の小学生の娘さんを連れた、キラキラ瞳のお母さん方も見かけた。娘さんを巻き込めたらいいね。がんばって!うちは共感を得られなくて残念だったっけ。
そうそう、芝居の終わりくらいから劇場内が寒くてしかたなかった。これも夏が終わる兆しかな。
知り合いの宝塚ファン(何回か顔を会わせるうちに顔見知りになって、連絡先を交換した方)が同公演を観劇していて、終演後電話をもらったのが嬉しかった。
感動を分かち合えるっていいな。