ロンドン・ナショナル・ギャラリー展へ行ってきました!
 
 
 
 
 
暑い夏もやっと終わった9月の終わり。
 
爽やかなお天気の中、国立西洋美術館で行われている「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました。
 
2020年の絶対に見逃せない美術展の筆頭とされていたこの展覧会。
 
当初の予定では、3月3日~6月14日(国立西洋美術館)でしたが、コロナの影響で延期され、6月18日~10月18日での開催となりました。
 
私も、とても楽しみにしていたのですが、延期された上に、感染のリスクを考えると、なかなか行けなかったです。
 
でも、先日、思い切って行ってきました。
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 
 
コロナ対策のため、チケットも予約購入制になっていて、私は10時30分~11時入場の回を予約しました。
 
当日行ってみて知ったのですが、当日券もあるようです。
 
ただ、予約購入の人が優先です。予約の人が数名入ってから、当日の人が1人入るというような感じ。
 
 
 
会場のコロナ対策としては、入り口での除菌スプレーの利用とモニターでの体温チェックがありました。
 
入場は、混雑を避けるため、1分ごとに数名が入場するので、入場するまでに少し時間がかかります。
 
でも、整列場所の床にテープが張ってあるので、密になることはありませんでした。
 
 
 
 
 

 

 

 
 
平日のためか、混雑と言う程ではありませんでしたが、人気作品の前では、多少密になりました。
 
でも、絵が見えないということはないし、誰もいない場所もあり、ゆっくり鑑賞することが出来ました。
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 
 
 
 
古川雄大さんの音声ガイドを利用しました。
 
古川雄大さんは、ミュージカル俳優の若手のホープであり、現在放送されている朝ドラ「エール」にも個性的な「ミュージックティチャー」として出演されているイケメン俳優です。
 
古川さんの美声を聴きながら、ゆったり鑑賞する。
 
なんて、至福な時なのかしら~!
 
音声ガイドは、主要な作品のみです。
 
でも、その作品や作者について聞きながら鑑賞できるのは、作品の理解が深まりますよね。
 
目の衰えを感じる私にとっても、救いの神ならぬ救いの古川雄大様!でした。
 
だって、解説の字が読めない・・・。
 
 
 
 
 
さて、作品展の感想はというと。
 
う~ん。私としては、ハプスブルク展のほうが良かったかな。という印象。
 
作品数も少なく感じました。
 
目玉作品でもあるゴッホの「ひまわり」が、あまり好きではないのが致命的なのかもしれません。
 
美術的センスのない私が言うことに、まったくの信ぴょう性はございませんのであしからず。
 
 
 
 
 
 
ただ、カルロ・クリヴェッリの「聖エミディウスを伴う受胎告知」は、しみじみと魅入ってしまいました。
 
 
 
 
 
受胎告知とアスコリ・ビチェーノという町が自治権を認められたことが絡めてある作品で、描かれている人物にそれぞれの意味があるのが、とても面白いです。
 
右下のマリアは、受胎告知を受けていて、左の二人組は、大天使(左)と守護聖人エミディウス(右)です。守護聖人エミディウスは、町の模型を持っています。
写真奥の橋の上では、町長が自治権が認められたという知らせを受けている姿を描いているそうです。
 
それぞれの人物の意味が興味深く、何度も古川解説を再生してしまいました。
 
その美声にうっとりしすぎて、更に何度も聞くという無限ループに陥る私。
 
そして、写真で見づらいかもしれませんが、絵の下の方に見える遠近法で飛び出して見える果物や、細部まで繊細に描かれている建物にも感服しました。
 
 
 
 
 
 
 
そして、どうも私は写実的な絵が好きなようです。
 
印象派のモネの「睡蓮の池」よりも、肖像画や写実的な風景画の方が好きということに気付いてしまった。
 
 
 
 
 
レンブラントの「34歳の自画像」。
 
もちろん、ご本人より数倍イケメンに描かれているとは思いますが、本当に素敵ですよね。
 
写真がなかった時代、ヨーロッパでは遠くの人へ近況を知らせるために肖像画を送りあっていたそうです。
 
あまりにリアルな作品に、まるで、写真を見ているかのような錯覚に襲われました。
 
それ程、精密に描かれているのです。
 
写真がなかった時代は、絵で描くことしかできなかったので、今以上に写実的に描く技術を持つ人がたくさんいたんじゃないか。
 
写真という技術が発達したことで、そういった写実的に描くという技術が多少なりとも失われていったのではないか。
 
そんなことも思いました。
 
 
 
 
作品は、テーマごとに分かれているのですが、その時の国や時代が絵画に影響を与えていることがとてもよくわかりました。
 
テーマの一つに「グランド・ツアー」というものがあります。
 
イギリスでは、17世紀末から18世紀を通じて,イギリスで良家の子弟の教育ためにヨーロッパ大陸への旅行が行われていました。これを「グランド・ツアー」といいます。
 
旅行に行った先の風景や旅行先の自分の姿を描いてもらい、その絵をお土産にしたり、近況として送ったそうです。
 
そういう時代背景を知ることが出来るのも、この作品展の魅力です。
 
 
 
詳しい作品とテーマなどは、公式HPをチェックしてみてください。
 
きっと、なにか感じる作品が見つかるかも。
 
 
 
 
 
 
 
 
写実的な作品が印象派の作品より好きだと思った私ですが、SHOPで売られている額縁に入った複製画をみていたら、自分の家に飾るには、やっぱり印象派の作品が良いなと思いました。
 
 
 
 
 
 
だって、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」の女性。
 
怖い・・・。
 
こっち、向いているし・・・。
 
 
 
 
やっぱり、飾るなら、こっちかな。
 
 
 
 
 
 
国立西洋美術館の常設展示の方も、ギャラリー展のチケットで入れます。
 
私は、こちらにあるモネの作品の方が好きでした。
 
大きいから迫力を感じたのかも。
 
 
結局、私には、美術の知識がないため、「このタッチが・・・・。」とか、「この構図が・・・。」なんてことは、わからないんですよね。
 
何かを感じる。
 
そういったあやふやな感覚で、見ている私でした。
 
でも、確かに「何かを感じる」時があるし、そういう感覚を大事にしたいと思っているので、何かを見たり、聞いたり、体験したりするのがとても好きです。
 
 
 
日常を離れて、絵画を見る。
 
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」で、久しぶりに至福の時を過ごしました。
 
 
 
 
 
そして、今回はコロナ自粛後、初めての「ひとりおでかけ」でした。
 
自分のための一人だけのお出かけ。
 
本当に久しぶりだったけれど、しみじみと私に必要な時間だなと思いました。
 
パスタを食べたり、デパートで買い物したり、本屋でじっくり本を選んだり。
 
あまりに嬉しすぎて、あれもこれもと欲張りたくなりました。
 
 
コロナの影響で、海外はもちろん、旅行、友達とのお食事、飲み会など、いろんなことを我慢する日々です。
 
家にいる時間も多くなったので、家族といる時間も多くなりました。
 
コロナで、今まで普通にできていた日常が失われ、その大切さをしみじみと感じ、家族をより大切に思ったのも事実です。
 
でも、やっぱり、一人の私としての時間も、とても大切。
 
そんなことも、久しぶりの「ひとりおでかけ」で実感しました。
 
まだまだ、油断を許さない状況ですが、少しずつでも、自分の時間を取りつつ、家族との時間も大切にしたいです。
 
そして、早く、お友達にも会って、思いきりおしゃべりしたいです。
 
 
 
 

 

 

 
 
久しぶりの「ひとりおでかけ」のため、奮発したワタリガニとポルチーニ茸のパスタ。