昨日の「ミス・サイゴンを見てきました~♪」を読んで、

何書いちゃってるの?私・・・。

と、思いっきり反省しております。


あれでは、ミス・サイゴンファン、日本ミュージカルファンの方に申し訳が立たない。



あんな後ろ向きな記事はいかん!



ということで、もう一度真面目に感想を書いてみたいと思います。

あ、いらない?



でも、書いちゃう~





ネタバレします~ ご注意ください~










まず、やっぱり、私の不勉強のせいで、ストーリーを理解していなかったのがまずかった。



このミュージカルは、愛の物語というよりは、


ベトナム戦争、サイゴン陥落という混乱の中で、

愛する人と離れ離れになっても、

生まれた子供タムを支えに、懸命に生きて、

そして、タムのために死んでいく女性キムの翻弄される人生、

アメリカ兵との間に生まれた子供タムの運命を軸に展開される、

社会派ミュージカルだったんです。



え?違う?



そして・・・。

アメリカンドリームを夢見て、そのためにはどんな汚いことでもして生きていくエンジニア、

ベトナム戦争で精神的に傷ついたクリス、

キムとクリスの過去を知って苦しみながらも、クリスを支えようとする妻エレン、

ベトナム戦争で生まれたアメリカ兵の子供達のために奔走するジョン、

キムを取り戻したかったトゥイ。


それぞれ戦争のために苦しみ、もがいていて、

それでも懸命に生きている人たちがいました。








パンフレットに載っている写真です。

どういう状況か、推測するのは難しいのですが、

ベトナムの女性と、アメリカ兵のとの間に生まれた子供です。

引き裂かれようとしているのか、子供が泣いています。

これを見て、「ミス・サイゴン」が生まれたんですね。






ミュージカルの2幕の冒頭に歌われるナンバー。


「ブイドイ」

名はブイドイ
地獄で生まれたゴミクズ
我々のすべての罪の証拠だ
忘れない
彼らはみんな我らの子





この歌に象徴されるように、ベトナム戦争で生まれてきた悲劇の子供達。

その後ろには、アメリカ兵を相手にしてきた女性たちの悲しい運命も見え隠れします。









ミュージカルの最初のシーンです。

キムがエンジニアに連れられて、クラブに初めてやってくる場面です。

そこでは、アメリカ兵を相手に女性たちが愛を売っています。




もう、このシーンが、生々しかった。

あまりにも現実的過ぎて、ちょっと痛々しいの。

そこ、ここで、愛を売る女性たち。

楽しそうなナンバーを歌っている時も、なんだか苦しい気持ちになりました。

長い間上演されていて、今回の新演出になってからは、

リアリティを追及しているとパンフレットに書いてありましたが、

現実的過ぎて、ちょっと辛いかも。

これが冒頭だったので、私の気持ちが凹んでしまったのかもしれません。




でも、これが戦争なんだなって、切実に思いました。

こんなことは、きっと世界中のどこでもあったはずです。

もちろん、日本でも。

そして、悲しい運命を背負った女性がいたのは、間違いないはずです。

やっぱり、戦争はダメです。

武器を使って、殺されるということの他にも、

たくさんの悲しみを生みます。

そういうことを考えさせられるミュージカルでした。








そんな混沌とした戦争の中でも、

いや、戦争している時だからこそ、愛が生まれます。

戦争で、心が疲弊しているクリスのもとに現れた、一筋の光、キム。

クリスはキムに癒しを感じ、二人は愛し合います。

でも、運命は二人を引き裂きます。




サイゴンが陥落し、アメリカ兵は撤退します。

アメリカの大使館には、アメリカに行きたいベトナムの人達であふれています。

大混乱の中、キムを見つけ出すことが出来ず、キムの名を叫びながら、

ヘリコプターに乗り込むクリス。

クリスの名を叫びながら、塀の反対側で人々にもみくちゃにされるキム。





このシーンは、本物かと思うほどのヘリコプターが登場して、圧巻です。

ちゃんと、乗り込むこともできるんです。

でも、相当危険らしいです。

トークイベントで、クリス役の方が言ってました。

中にある吊革につかまり、安全を確保したら、

ヘルメットに手をやるのがサインだそうです。

そのサインがないと、ヘリコプターは帰っていかないと・・・。

で、練習中にあまりに演技に集中していて、

サインを忘れたら、曲が終わってしまったというエピソードも話してくれました。



別の場面では、デラックスな車が出てきたり、

セットが豪華でした。

さすが帝劇! ←違うか?





でも、史実上でも、サイゴン陥落の象徴ともいえる場面みたいです。

次々とヘリコプターに乗り込むアメリカ兵。

連れて行ってほしいベトナムの民たちが塀に押し寄せる。

飛び立っていったヘリコプターを前に泣き叫ぶ人々。


こんな場面でも戦争の悲惨さが伝わります。

本当に悲しいです。








場面は3年がたちます。

残されたキムは、タムを生んでいました。

クリスとの子です。

キムの許嫁だった兵の幹部トゥイは、キムを迎えに来て、

お前は私のものだと連れて行こうとしますが、

キムは、タムを見せて、

私はクリスにまた会えることを信じてると拒否します。

でも、力で連れて行こうとするトゥイ。

タムは、アメリカ兵との呪われた子だといい、殺そうとします。

とっさに銃でトゥイを撃ってしまうキム。

一緒に行けないとはいえ、許嫁を自分の手で殺してしまったキム。

トゥイを抱きしめて許しを請います。

この辺は、悲しかったですね。

運命に翻弄されるキムの悲しさを強調する場面でした。










トゥイ役の方。泉見洋平さん。

この方、歌が上手かったです。

好きなタイプの役者さんでした。

でも、幽霊になってまでキムを苦しめる役どころ。

だけど、キムを愛しているが故なんですよね。

キムに撃たれた後もキムを許しているように見えて切なかったです。

違うかも?!







そして、ベトナムからバンコクへ逃げるキムとタム。

アメリカンドリームを夢見るエンジニアが下心アリアリで、

二人の逃避の手伝いをします。

アメリカ兵との子タムがいれば、アメリカに行けると思っているんですね。

それで、キムの兄ということにするんです。

このしたたかで、どんな汚いことでもしながらも、生きていくエンジニア。

このエンジニアが、魅せる場面が多いですね。

市村さんが初演からずっとしている役柄です。

今回の藤田一さんも、とても素晴らしかったです!






写真が下手でミアネ。



このエンジニアは、コミカルな演技が多いのですが、

戦争の中、生き残っていくしぶとく汚い人間です。

こびへつらいながらも、心の中では、他人をあざけり、

アメリカへ行って、お金を儲けることを夢見ています。

でも、私の中では唯一このミュージカルで救われる存在でした。

この人が一番生きることに貪欲だったからかもしれません。

もちろん、演技自体もコミカルで楽しかったのもあります。




このエンジニアの一番と思われるナンバー。



「アメリカンドリーム」

気楽に暮らそう アメリカンドリーム
たんまり儲けよう アメリカンドリーム
コールガール行列 アメリカンドリーム
乞食も金持ち アメリカンドリーム

何でも叶うさ アメリカンドリーム
みんな売り飛ばせ アメリカンドリーム

さあ、これが
俺の!アメリカ
あんたも買えるぜ

アメリカンドリーム




エンジニアの一番の見せ場だと思います。

ひねくれた感のエンジニアの歌も、

コミカルなダンスも、とても良かったです。

このシーンで、ゴージャスな車に毛皮を着た女性が乗って登場してました。

ミュージカルらしい、とても楽しめるナンバーですね。





この歌もそうですが、

このミュージカルでは、群舞とアンサンブルの合唱は本当に迫力がありました。

これぞミュージカルっていう迫力。

こういうのを見ると、ミュージカルっていいなと思うのです。

歌のパワーを感じる時ですね。






まじめに書いてたら、すんごく長くなったぞ・・・。

どうしよう~。まとまらん~。








バンコクで子供を育てながら生きるキム。

クリスの友人ジョンは、キムの子供タムの存在を知りクリスに伝えます。







このジョン役の上原理生さんも良かった。

ちょっと、「ごちそうさん」に出てた東出昌大さんに似てません?

いや、顔じゃないよ。

感情がよく伝わってきたんですよね~。なんか良かった。←偉そうですいません。






バンコクに会いに行くクリスと妻エレン。

待ちきれないキムはクリスに会いに行くとエレンと会ってしまい、

クリスが自分以外に愛している人がいることを知ります。

キムは、クリスがずっと自分だけを愛してくれていると信じてたんですよね。

絶望して、部屋を飛び出すキム。



この後エレンのソロナンバーが入ります。

感情的にはキムの味方だから、エレンは敵という気持ちなんだけど、

このソロナンバーが素晴らしかった。


木村花代さんがエレンを演じていたんですけど、

クリスを愛しているけど、運命ならば自分は身を引く。

というようなナンバーを歌うんです。

とても感情がこもっていて、なんか泣けてきました。




で、その後にクリスが帰ってきて、

初めて妻エレンにベトナム戦争の時のことを話すんです。

クリスもいつも悪夢にうなされていて、

置いてきたキムのことも気がかりだった。

戦争で心が疲弊していた時の一筋の光だったキム。

その時は本当に愛していた。

でも、もう戦争のことは忘れたいし、新しい人生をやり直したい。

そのパートナーはエレンだというクリス。

エレンとクリスは、愛を確かめ合います。

挙句の果てに、キムとタムの二人はバンコクに置きながら援助しようということで、

二人の意見を勝手にまとめ上げてしまいます。←完全にキムの敵目線。





なにーーー?!

クリス、それはないでしょーよ!




と思ったのは私だけではあるまい・・・。




でも、ここが、このミュージカルのリアリティを追い求めた所以でもあるわけで。

愛の物語だったら、クリスがキムとタムを選んでハッピーエンドで終わってもいいはずです。

でも、現実的にはそうならない。

ならないから、悲劇の子供たちがたくさん生まれたわけですよね。

それを痛切に感じました。

だから、悲しい過ぎるの。この話。






話しはちょっと、さかのぼって、

バンコクにクリスたちが来たことを知ったキムは、

愛するクリスに会えることを純粋に喜びます。

クリスは迎えに来てくれた!

妻エレンのの存在を知らないキムは、愛を信じているのです。

そして、自分が逢える喜びよりも、

タムの未来が開けたことが、より一層嬉しいんです。






ちょっと、どの場面で歌われたか記憶がないのですが、

キムのタムへの想いを歌うナンバーがあります。




「命をあげよう」

あげよう 私にないもの
大人になって つかむ世界を

神の心のまま 望むもの選ぶの
つかまえなさいチャンス 命もあげるよ

お前のためなら 命もあげるよ










このナンバーがあるから、結末があると思える歌です。

母の愛ですね。


キムは、タムの未来が一番大事なんです。

母性愛の象徴です。


そして、クリスには妻がいることを知ったキムは、

タムの未来を考えると、自分がいてはダメだと思ってしまうんですね。

エレンと会った時、キムは土下座して、タムを引き取ってほしいと言うんです。

エレンは、拒否したというか、クリスと話してというか、そんな感じだったと思います。

だから、最後に死を選んだキム。






お母さんは一緒に行けないけど、お父さんと幸せに暮らすのよ。


みたいなことをタムに言い聞かせるキム。

この辺から、涙が止まりませんでした。


そして、キムの死で終わる結末。




本当に悲しい物語でした。

そして、現実にあったであろう物語だからこそ、

どこにも持っていけない、何とも言えない悲壮感が漂ってしまう物語です。



個人的には、ハッピーエンドが好きな私です。

悲しいお話も、ファンタジーならば、ホントに悲しかったと泣いて終われるのです。

でも、この話は現実味を帯びています。

本当に何とも言えない悲しい気持ちになりました。

だけど、戦争とはそういうもの。

やっぱり、この物語は、戦争の生んだ悲劇の社会派ミュージカルですね。

こういう作品もホントに大事だと思います。

昨日の記事あげといて、なんなんですけど・・・。

やっぱり、深く考えるべき作品だと思いました。

20年以上も上演されているミュージカルです。

やっぱり、それだけのものであるはずですよね。



でも、好きか嫌いかと言ったら・・・。

苦手なミュージカルです。

それはしょうがないです~。ごめんなさい~。



だけど、昨日よりは、このミュージカルのことを真面目にお伝えできたと思う~。

かな・・・?!




会場は、平日だというのに満席でした。

男性の方も多かったと思う。

お年を召した方が多いと思うのは、日本ミュージカルの特徴かしら?

そして、おしゃれな方が多いですね。

帝国劇場だからかな? ←田舎者の発言。

だって、おしゃれなおじいちゃまが、好きなんだもん。 ←変な趣味ではない。



帝国劇場は、開演前なら劇場内の自分の席で、飲食ができます。

これって、便利よね。

座席も前の席と半分ズレる配置になっていて、見やすいです。



という、どうでもいい情報で終わります~。








完全に自己満足な記事になってしまった。

でも、やり遂げた感があるからいいの~。

こんな私でごめんなさい~。

昨日は、ビールとイカピーナッツ食べながら書いたのがまずかった~。

ユチョンのせいだ~。 ←全く関係ありませんっ!




でも、日本ミュージカル見て、韓国ニュージカルを素晴らしいと思ったのはホントだよ~。


ジュンスがどんなに素晴らしいか再確認できた!

ジュンスはね。

ホントに素晴らしいミュージカル俳優です!


また、力技でジュンスを出してしまった!うふふ。ゆうちゃん見てる~?!