3月の大相撲春場所で110年ぶりの新入幕優勝を遂げた尊富士が、再起の道を歩んでいる。
右足首負傷に耐えての快挙の代償は大きく、夏場所は全休。名古屋場所(7月14日初日・ドルフィンズアリーナ)は十両転落が確実ながら「関取になって日が浅いから深く考えていない」と持ち前の明るさは失っていない。
17日に東京都江東区の伊勢ケ浜部屋での朝稽古で右足首にサポーターを施した尊富士は、速攻を生み出す押しの形を繰り返し確認していた。部屋付きの宮城野親方(元横綱白鵬)と組み合って体を動かすなど、本格的な稽古の再開も近そうだ。
夏場所は小結大の里が幕下付け出しから所要7場所で初優勝。付け出しを除いて最速だった自身の10場所を上回った。「すごいこと。でも自分が出られていないから、あまりテレビ中継は見たくなかった」ともどかしそうに話す。
初めての休場中も稽古場に下り、本場所と同じ気持ちで基礎運動に励んだ。「記録じゃなく、記憶に残る力士」を掲げる25歳のホープ。雌伏の時を経て、再び存在感を示せるか。
大の里の優勝は、尊富士のハートに火をつけましたね。今後この二人が、交互に優勝するような気がします。