琴ノ若が初日から3大関を撃破した。188センチ、165キロの大きな体での圧力と懐の深さ、柔軟な体が生きた一番。もろ手で突いて右からの肩透かしで御嶽海の動きを止めた。顎を引いて脇を固めながら慎重に攻めていた御嶽海が慌てて出ようとしたところを絶妙なタイミングで突き落とした。
2日目の正代との一番もそうだった。自分から動いて相手を慌てさせた結果が白星につながった。
“相撲力”がついてきた印象を受けるが、上を目指すにはさらなる地力が必要だ。初日、貴景勝を押し出した相撲を続ければ確実に地力はつく。勢いも大事にしてほしい。
私が新三役となった1978年の初場所は強い2横綱、4大関が存在し、上を目指すにはハードルが高すぎた。
現状は悲しいかな上位が手薄。番付には運も必要だ。チャンスだと思って一気に走ってもらいたい。まずは三役、そして父(佐渡ケ嶽親方=元関脇・琴ノ若)が果たせなかった大関という夢をかなえてほしい。(尾車親方=元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
相撲巧者の一面も見せた昨日の勝利でしたね。お爺さんのような相撲も取れるし、お父さんのような四つ身の相撲も覚えたら大関は近いですね。
少なくとも琴風よりは強くなるでしょう。