電車で眠る前のことばあそび | P*P
紫陽花のろうと紙をぬけて
言葉は水になった
ぱっくりひらく魚の唇は
毒を吐き
フラスコの中を薄紅に染め
すじの如く鳴く
夜の宙淡く
浮かぶ玉虫トルソ
まがまがしい羽のひだ
まるで
折り重なるオーロラのように
ビニールの傘をさし
降り注ぐ 言葉すべてを
拒絶することもある
棚の上 透明標本
か細い骨々を
艶やかな紫陽花色に染め
裸の魚はあぶくを吐く
返事は無く
フラスコの中
丸い水泡のよう
言葉は科学反応をした
それは小さな一粒の水玉に始まり
玉虫のあくび200回を越えたころ
褪せた色水を
透き通る水色に染め変えた
白み枯れゆく紫陽花

