もしもモーツァルトが・・・ | トランペット教室 鹿児島

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「トランペット教室 鹿児島」の講師、大倉章のブログです。

もしもモーツァルトが、トランペットのためのソロ曲を書いていたら、


それはハイドンやフンメルの協奏曲のような重要な作品になっていたか?



こんな質問をされました。


重要な作品というのがどういうものを指すのかにもよりますけど、


私自身は、答えはNoではないかと思います。




古典・バロック時代の作品に、トランペットの重要な作品がないわけではありません。


しかし、ハイドン・フンメルの作品が特別なのにはわけがあります。


それは、トランペットを勉強するときに外せないB♭管で演奏可能な音域で作曲されているからです。


そして、音楽的にもしっかりとした勉強ができるので、単にレパートリーとしてではなく、トランペット吹きが必ず勉強する、重要な作品になっています。


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フンメルの協奏曲は変ホ長調で演奏される機会が多いですが、原調はホ長調です。

B♭管では、原調はちょっといやらしいですね。

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モーツアルトの時代はまだトランペットが半音階を演奏できませんでした。


モーツァルトがなくなった頃に、ハイドンやフンメルの協奏曲は書かれています。


この2曲は、キー付きトランペットが開発されたために作曲されました。


しかし、このキー付きトランペットはメジャーにならず、歴史の影に消えていきます。


この時代にトランペットにとって重要な2曲が誕生した理由に、


・当時の名手アントン・ヴァイディンガーによるキー付きトランペットの開発


・そして、高名な作曲家であったハイドン・フンメルとヴァイディンガーに繋がりがあったこと


この2つが重なり合って、この名曲が世に生まれたということができるでしょう。



モーツァルトが作曲したとしたら、まだキー付きトランペットは開発されていません。


当時は、自由に音階を演奏するためには、かなりの高音域が必要でした。


もし演奏するなら、ピッコロトランペットを用いることになるでしょう。


だから、もし作品が書かれたとしても、レパートリーにはなりえても、


ハイドン・フンメルのような勉強するうえで避けては通れない作品にはならなかったと思います。



ひょっとしたら、ヴァイディンガーより以前にトランペットで半音階の演奏を試みる開発があって、歴史の表舞台には出ていなくても、それなりの成果があったかもしれません。

(そういう試みがなかったとは思えないし)


それがモーツァルトの耳に入り、感銘を受けていれば、またすばらしい作品が世に生まれていたかもしれませんね。



トランペット講師 大倉