某100円ショップに「男の防寒」というシリーズがある。
基本、黒の無地で、起毛やループのソックスやネックウォーマーなどアイテムが充実している。

「軽い・安い・温かい」の3拍子が揃っているこのシリーズを百均大好きで寒がりな僕はよく利用していて大助かりなのだけど、なんだかんだ言っても100円なので、暫く使えばゴムがビロビロに伸びたて履けなくなったり、起毛が剥がれて絨毯や布団を黒ずませてしまうことも多々ある。

ワンシーズンも使うとお役御免となるのだけど、前のシーズンのモノを捨てるのを忘れるとどんどん溜まって箪笥の肥やしと化してしまう。

今年も厚手のソックスを履く季節が到来したので、古いソックスの整理をしていたのだけど、その時ふと思いついた。

「どうせ捨てちゃうんなら、このソックス丸めて猫小屋に入れてやれば子猫が喜ぶんじゃないの?」

直径50㎝弱の単なる円柱状のダストボックスからスタートした猫小屋は、その内側の側面や底面にアルミ蒸着のエアキャップ(いわゆる『プチプチ』)でできた遮熱材をはることから始まり、布団圧縮袋を農業資材のビニールトンネル用支柱で支えた屋根の設置による温室化、湯たんぽによる床暖房など、防寒仕様化を進めていたのだけど、故サッシーがいる時は、3匹で丁度隙間なく折り重なっていたその室内は、ウッシーとラッシーの2匹だけではスカスカになっていた。

隙間を埋めるために目の細かい洗濯ネットを入れてはいたのだが、これだと洗いやすいのはいいけどあまり保温性はない。

小屋の外に敷いている起毛の座布団を中に入れようかとも思ったけど、コレを中に入れると湿度が高くなりすぎてカビるだろうし、汚れて洗っても中々乾かない。
(愛犬は座布団を夜になると犬小屋に入れ、朝がくると外に出して干していたのだけど、子猫にソレは無理だろう)

その点、ソックスを洗濯ネットに入れて敷いてやれば、汚れてもそのまま洗えるし、すぐ乾く。

というワケで、早速この使い古した黒いソックスを猫小屋に入れてみると、狙い通りに隙間を柔らかく埋めることができ、「足臭い」とも言わずにスヤスヤ寝始めた。

ウザい物の化身のようなオッサンのソックスだって役に立つことがあるのだ!
と、ソックスに埋もれて眠る子猫にドヤ顔をする晩秋の夕暮れ。