ジョニー阿部。このブログでは、このジョニー阿部という人に出会った僕の話だ。
ブログ内で詳しく書くが、僕は一人の営業マン。しかし、全く売れない営業マン。
しかし、あることがきっかけで出会った一人の男。ジョニー阿部。
この人との出会いが、僕を成功者に導いてくれた・・・
「ああ、今日もダメだ・・・」
夕日がビルの片隅に消え掛けるこの時間、僕はいつものように重い足取りで事務所へと向かっている。
この会社に入社して早一年。営業として一旗あげてやると意気込んでいたものの、商品は全く売れず、見込み客もいない。
なんとか売れた商品も、親戚や友人、そして鬼気迫る表情の僕に恐怖か同情で買ってくれた人ばかり。僕のプレゼンで納得して商品を買ってくれた人など、多分一人もいない・・・
このままだと、月末までの数字が足りなくて、また営業所のお荷物扱いにされる・・・
「・・・もう、辞めようかな・・・」
ポツリと、いつもの言葉が口に出る。
しかし、学歴もなく、資格もない、そして特技もない。ないないづくしの僕が一発逆転を狙えるのは、営業という仕事しかない。というのは解っている。
選り好みをしなければ、仕事なんてどうにでもなる。でも、それだと働いても働いても安い給料でこの先10年も20年もやっていかなければならない。そんなのはいやだ。
そう思い、高卒フリーターを3年で卒業した僕は、とある営業の会社に就職した。
営業はとにかくノルマがキツイ。と言われているが、なんとなく自信はあった。バイトの時も「説明が上手」と言われたり、「人当たりがいいね」と言われていたので、営業なんて楽勝だ。と思っていたのに、実際は商品が全く売れない。
商品の資料をどれだけ準備して、商品の勉強をしても、とにかく売れない。社内の研修もしっかり受けたのに、なぜかお客さんは買ってくれない。
「いったい何がダメなんだろう・・・」
そう呟いたとき、スマホの着信が鳴る。会社支給のスマホなので、これは会社関係だ。
「もしもし・・・」
電話をとると、いきなり「おい、今日はどうなんだ?またゼロじゃないだろうな?」
開口一番、上司が急にそう聞いてきた。
「あ・・・ええと・・・いや、実は今からアポを取ってまして・・・もう少しお時間をください」
もちろん、嘘だ。
「ほう・・・アポを・・・それは楽しみだ」
バカにしたような顔を浮かべた上司の顔が想像できる。
「ええ、なので、失礼いたします」
一刻も早く電話を切りたかったので、適当な嘘をついたものの、どうしようかと思案してしまう。
「やばい・・・どうしよう」
アポを取ったと言った以上、このまま帰るわけにはいかない。どこかで時間を潰して、適当に商談してダメだったと言おう。
そう考えた僕は、どこか時間を潰せるところを探した。
某有名カフェチェーン店に入ろうかと考えたが、人通りが多いので、万が一、誰かに見られたら困る。
そう考えた僕は、ふらりとビルの隙間の路地裏に足を踏み入れた。
普段、足を運ばない路地裏にも、意外にお店が多く、少し驚いた僕は、一軒の古い喫茶店を見つけた。
古びた鉄製のドアや、少し錆びた看板は、某有名カフェチェーンのようなオシャレさは微塵もないが、なんとなくその雰囲気に惹かれた。
古びた音を響かせ、鉄製のドアを開ける。
中には、黙々と何か作業をしているマスターのような人物と、のんびりとコーヒーをすすっている男性が一人。
「いらっしゃいませ」
こっちを見ようともせずに、マスターがポツリと呟く。
無愛想だな・・と思いつつも、適当に席に着く。
すると、マスターは奥の方にすっと消えていく
「あれ・・・注文は?ていうかメニューもない?」
慌ててマスターを呼ぼうと声をあげようとしたその時
「もしかしたら貴方はここにくるのが初めてですか?」
先ほどの男性が、柔和な笑顔でそう声をかけてきた。
「あ・・・ええ、はい・・・」
僕はそう答えると、その初老の男性はこちらのテーブルに自分のコーヒーを片手に近づいてくる。
「よろしければ、ご一緒しても?」
「へ・・・ああ・・はい」
変な喫茶店で変な人。何だこの展開・・・そう思っていると、男性が話しかけてきた。
「いや。すいませんね・・・急に声をかけたりして、申し遅れました。私はジョニー阿部と申します」
どう見ても典型的な日本人の顔をしたこの男のどこがジョニー阿部なのか全く理解できなかったが、そこはよしとしよう。
「なにぶん、貴方のような若い人が、このお店にくるのが珍しかったもので、なんとなく老婆心ながら、この店のシステムでも話しておいた方がいいと思いまして」
「え・・・システム?」
そのジョニー阿部という人のいう意味が、いまいち理解できなかった僕だが、この後、僕は人生に置いて最大の幸運ともいえる出会いに感謝することになる。
これから書いていく話は、僕が、このジョニー阿部さんから聞いた話の体験談。
このジョニー阿部という人物に出会わなければ、僕はきっと、ここまで売れる営業マンになれなかったはずなんだ・・・
続く