赤旗中断を予想していたのかはわかりませんが、ライバルとは異なってウエットタイヤを交換せずにステイアウトしたときはかなり心配でした。それで2番手に上がってからはドキドキが止まりませんでしたね。

赤旗が出たときは複雑な気持ちでした。このまま終われば2位表彰台。これはとてもすごいことだとは思うのですが、レース成立はしたもののまだ半分の周回にも達していないので、「まだまだライバルと戦ってほしい」という気持ちと、「中止になって表彰台を獲得してほしい」という気持ちがひしめき合っていましたね。

大雨の中で雨用セッティングがキマっていたようで、コンディションが回復していく中では厳しい戦いを強いられました。そんな中で7位入賞は立派でしょう。あのようにポジションを落としていく際に焦って取り返しのつかないミスをしてしまったドライバーは過去に何人もいたんじゃないでしょうか。
最終的に抜かれはしましたが、上位チームのドライバーからの真っ向勝負を受けて立ち、一歩も退かない走りを見せてくれたのには痺れました。なにせ車番「16」のザウバーですからね。作戦の成功だけで上位フィニッシュするのではなく、ポジションこそは落としたけれど厳しいバトルを戦い抜く姿を見せてくれたのはとても良かったと思います。何かたくさんのものを訴えかけてくれたような気がしました。見ていた誰もが、可夢偉のレースに対する姿勢に惹かれただろうし、「速いマシンさえあれば…」というようなことを感じたんじゃないでしょうか。

最近のF1レースは、途中給油が禁止になったのに加えてタイヤの使い方が難しいため、とてもゲーム性が増しているような感じがします。だから、それぞれのレースに対して正攻法ではない違ったアプローチがいくつか存在しているように思います。可夢偉はそのようなゲーム性の強いF1において、何か強い攻略法を持っているような気がします。表彰台までは長い道のりになるかもしれませんが、これからも視聴者の視線を釘付けにするような熱い走りに期待したいです。良い夢を見させてくれるだけではなく、その夢を現実のものにしてくれそうな気がします。