こんにちは

いつもありがとうございます

 

今年、バンコクの工場を拡充します

 

やっと完全に

日本の工房との分業ができましたし

大手様からの新規の作業を

バンコクでできますし

 

最近は、バンコクに工場がある

だから、ウチと取引を始めたい

そういう会社さんから

ちらほら打診があります

 

以前なら、

バンコクは日本より品質が悪い

そう思い込んでるお客さんもいましたが

 

最近は、日本がリスク

人手不足、人材劣化がリスク

このことがおわかりいただけています

 

当社のバンコク工場は

はっきり言って、日本の外注さんより上

今の日本で

ここまで手間をかけて作れる工房は

ないと思います

 

ジュエリーの品質は技術も重要ですが

現実には「手間」が実現するんです

いくら技術がある職人さんでも

手間=時間=コストをかけられないなら

全く意味はありません

だからバンコクのほうが品質が高いのです

 

 

でもね、お金がかかるんです

 

バンコク工場は

ジュエリー業者専門の工業団地にあります

ここは保税なので

輸出入に税金がかからないからです

 

GEMOPOLISって言うのですが

ここが新しく建てて分譲するフロアーを

ムリして購入しました

 

 

バンコクでは非常に不思議なことが

ときどき起こりますが

この購入時にも起きました

 

ほんとは去年のうちに

第1次募集の方を購入する予定でした

 

ところが半分契約まで済ませて

半分お金も振り込んでるのに

 

GEMOPOLIS側から

「売れないのでお金を返す」

 

で、売れない?理由を聞いてみると

「外国企業はタイで不動産を収得できないから」

 

はぁ?

そんなこと最初からわかってますよね?

 

当社のバンコク法人は

弁護士事務所に半分株を持ってもらってるので

タイ企業ですし

 

それに今入居しているフロアーのオーナー

インド人ですよね?

 

おまけに、

「2次募集の方を購入しろ」って

第1次を買えない理由と矛盾しませんか?

 

 

私の推測ですが、

私はお金がないので値切って買ってますが

どこかのお金持ちが、

「プレミアムつけるから

 どこかの契約を破棄してこい」

「もちろんキミにはソデの下をやる」

 

で、

担当者がわけのわからないことを言い出した

当たらずとも遠からず、だと思います

 

日本ではこんなことあり得ませんが、

バンコクなら不思議でもなんでもありません

金持ち優先の国ですから

法律だって関係ありませんし

 

 

それでやっと今年の春

当初計画から1年遅れで入居する予定です

 

どういうレイアウトにするのか

今はコンクリむき出しのスケルトンですから

考えます

 

バンコク担当者を筆頭に

幹部にみんなで考えてもらいました

 

ところが、

その原案を見て、

私は幻滅してしまいました


 

現状ですでに、

品質別の組織に改変する案も出てましたし、

お客様企業が当社に求めることが

それぞれに違う、それもこれから顕在化する

更には今後、日本での業務を

もっとバンコクに移さなければならない

このこともわかってた

 

そういうことがわかっていましたから

これらを考慮すれば

未来の組織は、考え方しだいで、変わる

その結果

レイアウトのアイデアはかなり違うはずです

 

私が期待したのは

バンコク工場を10年後はどうあるべきか

その「未来のビジョン」を話し合うことで

どういう機能を重視するのか

どういう組織にするのか

それを盛り込んで欲しかった

 

更には、組織だけでなく

10年後には必要な業務も変わるはずですから

 

デザインCADもバンコクに必要ですし

コスト削減のための機械化装置の導入

メッキ工程のためのスペース

などなど考えれば

今後必要になりそうなことは

いっぱいあるんです

 

ところが

出されたアイデアは現状を移しただけ

 

なら、新しいところ、買う必要はない

 

お客様から売上の形でお預かりした

未来のための投資資金を

こんなことに使う必要はない

 

購入キャンセルするかもしれません

 

 

 

よく、こういう考え方ってありませんか?

 

「みんなで真剣に話し合えば、

 その結果がベスト」

 

大きな間違いです

 

みんなで話し合うこと、が

いい結果を生むのではありません

 

企業の意思決定の方法は

「民主的」である必要は、まるでなく

参加資格が必要です

 

「未来へのビジョン」

「将来の展望」

 

これを持っていなければ

参加資格がそもそも、ありません

 

たとえば参加メンバー5人のうち

ひとりしかこのビジョンを持っていないなら

このひとりの意見を採用するべきで

他の4人の意見は全く無意味

 

もっと言うなら

未来ビジョンを持たない人の意見からできた結果は

未来を阻害する可能性が高い

 

当社の例で言うなら、

未来ビジョンを持たない工場レイアウトは

将来発展するはずの業務の可能性を潰してる

 

 

 

「そんなの大げさ」

「レイアウトなんて、後で必要なら変えればいい」

 

そう考えることもできるでしょう

 

では、工場の「未来」は自然にやってくる?

 

今、自分が考えなくても、

今、未来を考えなくても、

「その時」が来れば、必要が見えるから

その時レイアウトを考え直せばいい

 

彼らはそう思ってるのかもしれません

 

 

彼らは今まで、いつも、

私の「将来ビジョン」の中で仕事をしてきた

だから、

あるべき未来は自然とその時にやって来るもの

そう思っているのかもしれません

 

が、

 

「あるべき未来」は

そんなに甘いものではありません

 

自分が考える「将来こうなる」

そう思う未来しか、やっては来ないのです

 

もし、将来に対する考え方がないなら

10年後も

今と同じ何も変わらない未来の中に

生きているでしょう

 

明確に思い描き

そのために努力をし続けて

やっと、その未来は少しづつ姿を現す

 

このことが、わからないらしい

 

 

  自分が必要になった時に

  「自然と」

  理想的な未来が、

  何の努力もしないのに

  自分に訪れる

 

では、

この楽観的な考え方に基づいて

今まで私が行動していたならば、

今、当社の宝であるバンコク工場が

現在我が社に存在するでしょうか?

 

我が社に安定した売上をもたらしてくれる

貴重な存在である小売の別働隊も、

必要な時に「自然と」手に入った?

 

とんでもありません

 

どちらも

将来ビジョンを持っていたからこそ

更にそのビジョンを叶えるために

10年を超える努力をしたからこそ

今我が社にあるのです

 

「将来ビジョン」がなければ

企業の未来はないのです

 

 

このレイアウト話し合いのメンバーが

当社の経営をしたならば

10年後

社会環境が変わり

お客様のニーズも変わるであろう

にもかかわらず、

今と全く同じ仕事をしているでしょう

 

なぜなら、「未来ビジョン」がないので

将来のために「今」どんな努力が必要なのか

わかっていないからです

 

 

小室直樹さんという碩学がいらっしゃいます

この方の著書の中に

「日本人の考え方の基本は、他力本願」

 

 

お正月に初詣行きました?

 

手を合わせて神様にお願いしました?

 

「〜になりますように」

 

これって、

私も指摘されて初めて意識しましたが

 

「こうなればいいなって漠然と考えてること

 神様に実現して欲しい」

=他力本願

 

これをお願いしていませんか?

 

「自分でも一生懸命努力するけれども

 最後の一押しを、神様お願いします」

 

こういう人は少ないと思います

 

なぜなら、一生懸命努力する人は

実現するまでやるから

実現するってわかってる

 

 

この「他力本願」が

うちの幹部社員には蔓延しているのかも

 

っていうか

当社の場合、社長本願、かも

 

お願い事は自分で手繰り寄せるのではなく

 

時短も

昇給も

安心の未来も

社長が努力して実現して欲しい

 

学習や読書や研修みたいな努力は、

自分ではなるべくしたくないので

社長に努力してもらって、実現したい

 

社員の希望は

社長が努力して実現するもの

そう思っているのかもしれない

 

今回のことでそう思いました

 

 

よく会社の老害、

これってよく言いますよね

 

年を取ると

未来ビジョンを持てなくなって

現状維持だけしようとして

未来に置いていかれる

 

その害悪を「老害」って言いますが

会社にはあってはならないことだと思います

 

ですが、

「ビジョン」を持たない後継者たち

 

これも老害と同じくらい

会社に害悪をもたらすと思います

 

ですから、後継者の育成って

「未来ビジョン」

を通して育成するものなのかもしれません

 

ちょっと荒っぽく、

私なりにやってみるつもりです

 

 

ありがとうございました

 

株式会社J-one

代表取締役 島田逹己

http://www.j-one-net.com/