どんな状況であれ、私たちには常に「選択の自由」があります。他人に流されるのではなく、自分自身の選択を意識的に行うことで、より充実した人生を送ることができます。

著者メラニー・A・マクナリー

出典Psychology Today

 

私のクライアントの多くは、「自分には選択肢がない」と言います。仕事、家族、配偶者、学校、教師、過去のトラウマ、経済状況、幼少期、子ども、時間のなさ、人生のプレッシャー――これらのせいで、自分の感情や考え、行動を変えることはできない、と信じ込んでいるのです。変わりたいと思ってはいるものの、自分には無力で不可能だと感じているのです。

 

そんな彼らに、「今日から変えられることに目を向けてみましょう」と伝えると、戸惑いや苛立ちを見せることもあります。「あなたには私の苦しみがわからない」「私がどれほどの被害者か、なぜ理解できないのか」と怒る人もいます。
 

しかし、私たちが「身動きが取れない」と感じるとき、その原因は多くの場合、思考のクセにあります。たとえば、「自分には困難を乗り越える力がない」と思っている人は、自分にできないことばかりに意識が向きがちです。一方で、「私は逆境を乗り越えられる」と信じている人は、過去の成功体験を思い出し、目の前の問題を解決する方法を探します。
 

大切なのは、「考え方を変える努力ができる」と信じることです。その信念があるかどうかで、私たちの行動は大きく変わります。

 

人生の秘密|私たちには常に選択肢がある

私たちはどんな状況でも、常に「選択する力」を持っています。そう聞いて、もしかしたら「自分には選択肢なんてない」「親のせいでこうなった」「上司が違えばもっと幸せだったはず」「大学に行っていないから学ぶのは無理だ」と思ったかもしれません。でも、その思考こそが「行き詰まり」を生んでいるのです。
 

心理学者ヴィクトール・フランクルは、自身の強制収容所での体験を『夜と霧』という本に記しました。その中で彼は、人がどんな状況にあっても「生きる意味」を見出し、苦しみに対してどのように向き合うかを選択できることを説いています。
 

フランクルの理論である「ロゴセラピー(意味療法)」は、ギリシャ語の logos(意味)に由来し、「人生の原動力は、快楽ではなく、自分自身が意味を見出すことにある」と述べています。
 

極限状態を生き抜いたフランクルの言葉は、「選択の力」がどれほど大きいのかを教えてくれる、貴重な学びとなるでしょう。

 

選択を阻む「見えない壁」

人生には無数の選択肢があるはずなのに、多くの人は「自分には選択肢がない」と思い込んでしまいます。
 

彼らは裕福な人、痩せた人、魅力的な人、頭の良い人、健康な人、有名な人たちを見て、「自分にはそんなチャンスはない」と決めつけます。
 

「彼女は恵まれた家庭で育ち、大学にも行っているから、何でも自由に選べる。でも、私は貧しい家庭で育ち、毒親に苦しみ、大学にも行かなかったから、選択肢なんてない」——そんなふうに考えてしまうのです。

 

しかし、問題の本質はそこではありません。大切なのは、「無限の選択肢があるかどうか」ではなく、「今、自分が持っている選択肢の中から、どれを選ぶか」ということです。実際のところ、完全に自由な選択肢を持っている人など、ほとんどいません。他人から見れば「恵まれている」と思える人でも、何らかの制約の中で生きています。
 

どんなに選択肢が限られていても、私たちは常に「選ぶこと」ができるのです

たとえば、仕事が嫌いで、特に上司に強い不満を抱えている人を考えてみましょう。その人は「どうにもならない」「変えられない」と思っているかもしれません。でも、一歩引いて状況を見直せば、いくつもの選択肢があることに気づくはずです。
 

部署を異動する、新しい仕事に応募する、上司と直接話し合う、上司に対する自分の見方を変えてみる、転職する、上司と接する時間を減らす、スキルアップしてキャリアの幅を広げる、仕事の中で好きな部分に集中する、休憩を増やしてリフレッシュする——どんな状況であれ、選択肢は必ずあります。
 

「自分には何も選べない」と思い込んでいるうちは、可能性が見えません。しかし、その思考から抜け出せば、新しい道が開けるのです

 

あなたが選ばなければ、他人が選ぶ

「どうせ変えられない」と嘆いている間にも、時間は流れ、周囲の人々はどんどん決断を下していきます。そして、あなたが選ばなかった分、他人があなたの人生を決めてしまうのです

たとえば、「自分の健康はどうにもならない」と思い込んでいる人の場合を考えてみましょう。
そういう人は、自分で食生活を管理しないため、パートナーが好きな食べ物を買い込み、それを食べるしかなくなります。医師に処方された薬の副作用に不満を感じても、自分から健康管理に取り組まない限り、医師の判断に従うしかありません。
また、「どうせ自分の時間なんてない」と思っているうちに、家族の要求はどんどん増え、自分のための時間はさらに失われていきます。

やがて、「夫が作る夕食のせいで、私は不健康になった」「医者が処方した薬のせいで、体調が悪くなった」「家族が私にばかり頼るから、運動する時間がない」と、周囲に不満を漏らすようになります。しかし、その間も、「私は選択肢がない」という思考が強化されていくだけなのです。

選ぶことを放棄すれば、他人があなたの人生を決めてしまう——それが現実です。

 

より自分らしい選択をするための7つのヒント

自分が本当に望むものや、なりたい自分に近づくために、今日から始められることを紹介します。

1.「行き詰まりポイント」に気づく

「どうしても変えられない」と思い込んでいることはありませんか?何かについて頻繁に不満を言っていることに気づいたら、それはあなたが「選択肢がない」と感じている部分かもしれません。まずは、自分が「動けない」と思っている領域を認識することから始めましょう。

2. 状況ごとの感情の変化を観察する

どんなときに緊張したり、不安を感じたりしますか?イライラしやすくなるのはどんな場面でしょうか?特に理由もなく人に当たってしまうことはありませんか?こうした感情が強く出る場面もまた、「選択肢がない」と感じている領域である可能性があります。

3. 2週間、毎日15分間日記を書いてみる

自分が理想とする人生について、できるだけ具体的に書き出してみましょう。研究によると、この習慣は楽観的な思考を育むだけでなく、自分に与えられている可能性に気づく助けにもなると言われています。

4. 小さなことから始める

「行き詰まり」を感じる領域の中から、比較的簡単に変えられそうな部分を選びましょう。そして、その問題を解決する方法を3分間、できるだけ多く書き出してください。ここでは、途中で「これは無理かも」と判断せず、思いつく限り挙げることが大切です。その後、リストを見直し、今日から試せる方法を1つ選びましょう。

5. 責任を持ってくれるパートナーを見つける

「責任パートナー」とは、あなたが変わろうとしていることを知っていて、必要に応じて厳しく指摘してくれる人のことです。できるだけ頻繁に会う人で、遠慮なく「言い訳ばかりしてない?」と指摘してくれる相手を選びましょう。

6. 周囲に「変えたいこと」を伝える

研究によると、自分の目標を周りに公表した人のほうが、それを実行しやすい傾向にあるといいます。SNSや友人との会話を通じて、「こういうことを変えようと思っている」と伝えてみましょう。

7. 毎朝、「選択するのは自分」と意識する

一日の始まりに、「今日は自分で選ぶ」という意識を持ちましょう。
「私は選ぶことができる」という言葉を、自分のマントラ(おまじない)にしてください。
何かに行き詰まりを感じたときは、「私はここで選択できる」と自分に言い聞かせ、どんな選択肢があるかを冷静に考えてみましょう。

結論

人生は、あなたが何もしなくても、ただ流れていきます。流されるままに生きるのか、それとも自らの意思で人生を選択するのか——それはあなた次第です。
あなたは、今日という一日をどのように生きたいですか?

今この瞬間から、自分の選択に意識を向け、主体的に人生を生きましょう!