#幽霊を信じるOR信じない

幽霊はいないと思っています。

一番の理由は単純に見たことがないからです。

幽霊のいる、いないにおいて考えるときに大事なのが、この手の悪魔の証明ってどっちにしろ証明できないということだと思います。「見える人」がいたとして、いくら「見える」と主張しようが証明のしようが無いわけです。

また、幽霊の正体の候補として有力なのは、認知のミスだと思います。

詳細は心理学やバイアスについての本を読むと載っていますが、人間はものを認知する際に輪郭で認知しているそうです。シミュラクラ現象といった言葉を聞いたことはありませんでしょうか？点が3つ集まると人間はそれを顔として認知すると言ったものです。あとは、ルビンの壺やカニッツァの三角形などの図が有名ですね。

人間が自覚している以上に脳というものは高性能で、その高性能が故のエラー（バイアス）というのも多々存在するものです。

幽霊もこういったバイアスによるものだと思っています。例えば、視界の端でいるはずのない、人のようなものがいた気がしたとして、それは自分の影が揺らめいただけなのかもしれません。また近年、お風呂で後ろに誰かいるような気がしたら、それは触覚で感じた風の動きだかなんだかという説が実証されたらしいですね。

パーソナルスペースという言葉をご存じでしょうか？他者が近づいて不快感を感じる間合いのようなもののことですが、これは動物として自然な機能ですよね？自分に対して危害を加えるものかそうでないかの判別がつかなければ、距離をとって万が一に供えたくなるのは自然の摂理だと思います。それと同様、視界の端にもしかしたら生物がいるかもしれないような可能性を感じたら、そこに輪郭を当てはめ、すぐに視覚から情報を得るように脳が警鐘を鳴らすのも、自然な機能です。

加えて、幽霊というのは我々に刺激をもたらしてくれる存在となっています。お化け屋敷やホラー映画、怪談など国境を越えて楽しませてくれるようなものもあります。幽霊という存在も不在も証明できず、多くの人にとっては害を与えられた経験が無い未知の存在は、娯楽として今日、大活躍しています。ゴーストや悪魔は日常を彩るような娯楽の一翼を担っており、信じる信じないに関係なく、多くの人が楽しんでいるのです。いないともいいきれず、信じ切ることも出来ないから恐怖を感じることが出来るのだと思います。

妖怪と呼ばれる伝承も存在しますね。アレなんかは特に存在意義がわかりやすいと思っています。恐怖という感情は前述したとおり未知からくるものです。なので少しでも未知に対抗するために、それに形や名前を与えて、実体を得ようとするのは心の働きとしては妥当です。自身の正体は大ナマズだというのがそういった良い例だと思います。

加えて教育にも役立ったのでは無いかと思います。からくりは分からなくとも、知識として蓄積された危険なことというのは昔は多くあったと思います。川で遊ぶとなると、見かけ以上に急に深くなる場所なんかがあり、現代の大学生ぐらいの年齢の人でも死亡事故があるのに、今ほど理屈の分からない昔に子供だけで遊ぶとなるともっと危険です。けれども子供だって納得が出来なければ言うことは聞きません。大人が経験則で言ったとしても子供は経験できていないのですから、「分かった」と口では言っても大人ほどの危機感はないでしょう。

そこで活躍したのが怪異です。有名なのがいますね　カッパです。人間の足を引っ張って溺れさせるなんて言われていますね。姿も実に奇っ怪なものとして語られています。形を与えられたら子供も恐怖を感じてくれますね。