「毒入り餃子」シンドローム
と題する週刊新潮の広告を見て思い出した
「食品より怖い漢方薬・中国製家具」
今から十数年前,職場の仲間と初めて中国旅行に行った
香港から桂林への旅
桂林空港は薄暗く小さい
軍服の警備員の姿に「共産圏」に来たことを悟った
空港からホテルのある町まで
周りと不釣り合いなほどまっ黄色いスーツを着た「国家公務員」のガイドが
「わたしたち漢民族は…」と少数民族を馬鹿にする発言を繰り返すので
「わたしたち日本人を言外に見下しているのかな」と思った
一大観光地の桂林には,
当時めずらしかった舗装されたハイウェイが通っていたが
センターラインもなく
対向車をよけよけ クラクションを鳴らし鳴らし爆走した
道の端には収穫した穀物や鞘に入った豆などが干してあった
中国南部は川が多く 暑いので
水蒸気でけむったような風景はまさに「水墨画」の世界だった
川下りをしながら南画の世界を楽しんだ
しかし・・・
バスが桂林大学の見学に立ち寄ったときのことだ
初め,一室に集められ「気功」の大家の秘儀を受けた
200ボルトの電流が私たちの手から手へ流れた時には驚いた
その後,一人ひとり漢方の教授に診察してもらった
次に薬学の教授から病気や体質に合った漢方薬の説明を受けた
わたしの周りに助手やら学生やらがとり囲んでいる
薬剤師が漢方薬の袋の束を持ってきた「3万円」と言う
わたしは,勇気を振り絞って「不要」と言った
周りが一瞬に凍りつき
さっきまで笑顔だった教授や助手たちの目がつりあがった
お金はバスの中に置いてきていたので「金がない」というと
「友達に借りろ」という 「できない」と言うと
「カードでもいい」というので「カードはない」とまた言い返した
すると,女の助手が「びんぼう」とさげすんだように言う
「いらないったらいらないの!!}と叫ぶように言ってバスに逃げ帰った
こんな恐怖感は初めてだった
手ぶらで帰ってきたわたしを ガイドはじろっと見たが 無視した
わたしたちの仲間で二人が何万円も出して漢方薬を買ってきた
健康に不安もあり 断りきれなかったようだ
後日談だが
買ってきた漢方薬を飲まずにいたら カビが生えていたという
当時中国は,外貨獲得に血眼になっていたが
国立大学で こんな恐喝まがいのことが行われていたとは・・・
漢方薬にはいやな思い出があるが
中国にはまだまだ見たいものがある