これから、英語圏で暮らさなくても英語でコミュニケーションがとれるようになる方法をお話しします。 

日本人でも、家庭では日本語、外では英語(或いは、その反対) という環境で育った人は
バイリンガルになります。 
英語圏で何年も暮らせば、そこで生きていく為に英語でコミュニケーションがとれるように
なります。

「ね、だからやはり、英語圏で暮らさないと無理なんですよ」

うんうん。

では、ここでちょっと、人間が言語を習得する仕組みを、赤ちゃんが生まれてから言葉を発するまでの過程までさかのぼってみてみましょう。

医学の進歩で、人間は胎児の早い段階で耳が聞こえるようになり、お腹の中でもお母さんの声を聞いていると言うことが解って来ました。
では、お腹の中で沢山聞いたから、生まれてすぐに話せるでしょうか? 
平均的にみて、言葉らしきもの、「マンマ」とか、「ブーブー」とかいう喃語(なんご)と呼ばれるものを話し出すのは1歳を過ぎたころです。

では、その一年間、赤ちゃんは何をしているのでしょう?
赤ちゃんは周りから聞こえる「言葉」という音を記憶して、脳に貯め込んでいるのです。
でも、それを言葉として発するにはもう一つの関門があります。
それが発音するための器官、つまり、声帯、舌や口周りの筋肉の発達です。
おっぱいを飲むのには力が要るそうですし、離乳食が始まれば、もぐもぐして食べます。
そうやって毎日、舌や口周りの筋肉の筋トレをしているようなものです。

最初は泣くしか伝える方法が無くても、お腹が空いたとか、オムツが濡れて気持ち悪いとか、暑いとかはお母さんが察してくれます。
やがて、泣くだけでは伝わらない欲求が芽生えます。
 
赤ちゃんにだって伝えたい意志がある! 
だから、伝えることが出来るようになるために、音の記憶を脳に貯め込み、意味を推測します。
⇒ そしてその音を出せるような作りに器官が発達すると、貯め込んだ音を出してみる。
⇒ それをお母さんが直してくれる。
そのトライ&エラーの繰り返しで話せるようになって行くのです。

では、我々大人もそれに見習って沢山英語を聞けば話せるようになるはず!! 
ネイティブの先生に直してもらってトライ&エラーを繰り返せば、いつかきっと話せるようになりそうです。

それがなかなか・・・。いつまでたってもRaとLaの使い分け聞き分けが出来なかったりします。
・・・日本語ではどちらも「ラ」ですからね。

大人はとっても時間がかかる。
赤ちゃんの方が賢い!
・・というか、言葉を憶えて話すことは社会の中で生きていく人間にとって生存がかかった一大事!  だから言葉を覚える年齢では特にその能力が際立つように設計されているのです。

さて、どうしましょう。 次回は大人の為の「音の貯め込み方」をお伝えします。