7月に入った頃だろうか
『お盆はどうするんだ?』
と、友人が聞いてきた。
子供達は妻の実家にいると伝えると、友人が
『じゃあさ、2人で出掛けないか?』
と、誘ってくれた。
1人で家で過ごすだけよりは良いかも知れない。
友人も家族持ちなのに、俺のために時間を取ってくれて。
あの当時も、敢えて日をずらしてから会いに来てくれた友人。
社会人になってから、たまたま帰宅方向が一緒だっただけで、これだけ長く、そしていろいろと話せる貴重な友人だ。
『うん。行こう。出掛けよう』
と、ふたつ返事で答えた。
さて、2人で何処を周るか?を相談。
大阪、和歌山、奈良を周る事にした。
『万博はどうする?』
と、聞くと
『そんなに行きたい?』
と、逆に聞かれて
『うーん。そう言われると…』
『じゃあ、ナシで』
と、決まった。
初日に和歌山に行くために、近鉄で名古屋から大阪難波に出て、そこから南海で和歌山を目指す事になった。
私は前日に名古屋に行く事にした。
途中で母方の祖父母の墓参りをしたくて。
母方の祖父母にはずいぶん可愛がってもらった。
母は兄弟が多く、俺が小学生の頃には既に子持ちの従兄弟がいた位だ。
私は母方の祖父母にとっては久しぶりの孫と言う事もあったのだろう。
以前は、妻と子供達と墓参りに行って、それきり。
こういう事になった事を、自分の言葉で祖父母の墓前に報告したくて。
そして、世間がお盆に入ろうとする頃のとある暑い日。
俺は朝早くの新幹線に乗ったのだった。