青砥・金町散歩 | 上京パンダ

上京パンダ

東京四年目のパンダ。

冬空の下、京成線沿いをぶらり。青砥から川を越えて金町まで歩いてみる。青砥は亀有の南で金町は柴又の北に位置する周りに比べるとマイナーな街。

京成本線に揺られて青砥駅で下車。押上線にも接続しているので意外に急行チックな電車も止まる駅。駅の西側に出て歩いていくと川が見えてくる。中川。おだやかにくねくねと曲がり流れている。向こうに見える青砥橋はちゃんと青色。
ぐるっとまわって駅の東側へ。駅前はお店が並び少しだけにぎやか。どこか古めかしいサンロード商店街。私鉄沿線の風景はどことなく落ち着く。



駅を離れて青砥の街をぶらり。大通りは通行量が多いけど一歩路地には入っていくと込み入った住宅地になっている。亀有・柴又のご近所さんらしく、新しい建物に混じって下町っぽい雰囲気も見受けられる。良い感じの瓦屋根の銭湯があったり、古めいたボーリング場らしき建物があったり。
混み込みした路地裏をさまよってぶらぶらしていると大きな団地に出てきた。団地内の小さな公園に鮮やかな緑色のトリケラトプスが鎮座していた。色も色だしデザインとはいえちょっとへんてこなフォルム。足が真横から出てるしなんか変な体型であんましかわいくない。本物のトリケラトプスは何色だったんだろう。




北に向かってさらにぶらり。通り沿いになにやら公民館チックな施設が。「テクノプラザかつしか」という
地域産業の振興会館的な施設みたい。下町の工場の人が集まったりするのかな。建物の前の植え込みになにやら機械が置かれている。フートプレスという金属加工に用いる機械。今は同じ作業は自動化されて使われていないけど、日本の工業を支えた機械だそうだ。レジェンドに感謝しつつぶらぶらと中川のほうへ歩いていく。環七通り沿いの小さな公園を通ってみる。広場の真ん中に子供が乗って遊ぶ木馬が置かれている。人のいない夕方の公園に佇む木馬。木の表面はひび割れ持ち手や手綱がわりのチェーンも錆びついてなんとも物悲しい感じのお馬さん。目は丸く穴を開けているだけで虚無感を漂わせてちょっとこわい。子供は気にせず遊ぶんだろな。




中川の近くに小さな神社をみつけて寄ってみる。青砥神社。本殿は全然青みはなく渋めの茶色がメイン。散歩の安全を祈念して神社をあとにしようとしたとき、柱の陰から出てきた茶しま猫さんとばったり遭遇。怪しいパンダは警戒されてそそくさと奥へ引っ込んでしまった。
神社を出てしばらく歩くと道の向こうに小さめの猫の影がひゅっと現れて植え込みの中へと消えて行った。見に行くと若い猫さんが茂みのあいだで丸くなっている。白黒パンダ柄とトラ柄が混じった感じの猫。まだ体は小さめでかわいらしい。近づいても逃げて行かないので写真をパシャパシャ撮らしてもらう。ありがとね、さよならー。





中川大橋を渡って中川を越える。夕焼けが川面と川沿いの街並みを赤く染める。また一日が終わっていく。土手に掲げられた「この辺りで遊んではいけません」看板に描かれていたナマズの絵がややこわい感じになってた。放電してるし。怪物電気ナマズが出るから遊んじゃいけないのか。

日が落ちるとぐっと寒くなりそうだ。怪物ナマズに出くわす前に早足で金町方面へ向かう。


大通りの水戸街道沿いを歩いていく。道沿いにはレストランや車屋さんなどのお店が並び郊外感をかもし出す。このあたりの地名は「新宿」というらしい。同じ新宿でもえらく違うもんだ。夜の新宿を進む。
少し横道に入って夜の住宅街を歩いていると線路脇の駐車場にうごめく猫の気配に気付く。白茶猫が近鳴きながら寄ってくる。寄り添ったり撫でたりして遊んでいると奥からこげ茶しま猫が出てきた。よくお世話されているのかこの子も人懐こく、写真を撮ったり撫でたりしてお戯れ。しばらく遊ぶと満足したのか二匹とも離れて行った。金町ねこさん、ばいばーい。



京成金町線に沿って歩いていくと金町駅前にやってくる。京成金町駅前はたくさんのお店や大きなマンションもあり結構にぎわっている。駅前の小さな通りの街灯に「ベルシティかなまち」と書かれていて、街灯の形もベルになっている。金町とベルにどんな関係が?金(かね)と鐘(かね)ということかな?

ふいに道沿いの植え込みに巨大なピーマンが現れる。しかも真っ白。いったいどんな関係が?
JR金町駅の方もスーパーや飲食店などお店が多く小さ目の繁華街が伸びている。北口のすみっこにハトの銅像を発見。何かの作品らしい。人知れずじっとしている二羽のハト。二羽だと寂しくないね。






夜はさすがに冷えてきたので、京成金町線で帰る。今度また柴又あたりでも行こうかな。

のんびりとした冬のぶらり下町散歩でした。

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