「#共通テスト痴漢撲滅運動」騒動に見られる、「女性の安全と権利」について Q子

 

1. 概要ーーQ子の角度からーー
    嚆矢
    配列
    異説「緑の目」

 

 

 


嚆矢

2023年1月。年が明けるな否やツイッター上ではちょっとした騒ぎが起きた。作家のアルテイシア(@artesia59)や漫画家の迷える親羊(@shimizoon)、共産党のきだ結(@kidayui)等が、売名や商売のためにしろやま(@shisoyama)のアイデアを奪ったとするものだ。

受験に向かう学生は時間と心の余裕がない。痴漢をしても警察に通報されないから狙い放題だ。

このようなツイートが横行する2019年10月31日、しろやまが「センター試験の日に有給を取って電車に乗る」。受験生を守るために電車内のパトロールをすると宣言した
*1。このツイートに多くの者が賛同し、協力の申し出が相次いだ。女性のみならず、男性も含まれた。

この運動はコロナを挟み、規模の大小はあれど毎年続いてゆく。

そして2022年。「#共通テスト痴漢撲滅」なるタグと共にしろやまと無関係であった作家のアルテイシアが華々しく登場
*2)する。多くの人たちの注目を集めたアルテイシア等の運動は2023年1月、彼女たちの行動をまとめた迷える親羊の漫画で178万件を超えるツイッター閲覧記録を叩き出す(*3 現在は195万を超える)。この流れは勢いに乗り、毎日新聞をはじめとした報道機関の取材を受けるなど脚光を浴び、一連の運動への世間の関心はさらに高まり、称賛の声が上がっていった。

ところがアルテイシア等のこの活動は「2019年にしろやまが発案した『受験生を対象とした電車内パトロール』というアイデアを簒奪したものである」というのが、しろやまとその支持者たちの主張であった。





配列

一連の騒動に私が興味をひかれたのは、2019年のしろやまの該当ツイートをリアルタイムで目にしていたからだった。当時、社会におけるトランスジェンダーの位置づけについて情報が集まる集団に参加することが多かった私は、その常連でもあったしろやまとやり取りしたこともあった。

しかし、断片的に流れてくるツイートの数々は当時の記憶と現在の出来事を繋ぐことはなく、内容が分からないことにはどうしようもないので、とりあえず関連すると思われるツイートを拾っていくことにした。

それらを時系列順に並べていくと、ネット上で流布されている「アルテイシアがしろやまのアイデアを横取りした」とは全く異なる現実が現れた。しろやまが発案者だ先駆者だと語られていた「受験生を対象とした電車内のパトロール」には既に数名の先人がおり、なんとしろやま本人がこの事実を認めていたことが分かったのだ。

私のブログは、もともと不特定の一般人を対象としたものではない。ツイートで何度も同じ説明をするのが面倒なので資料等添えたセットを用意し補足説明に用いている。1月19日に公開した今回の騒動についての記事も、頭の整理を兼ねてまとめてはみたものの一般に広める予定はなかった。

しかし、過疎ブログにしては妙に閲覧数が増えたなと不審に思うのを皮切りに、タイムラインに入るアルテイシア叩きが増加していった。

アルテイシアが彼女にとって不当と思われる発言を投げつけるアカウントをブロックすると、その行為は一種の攻撃として受け取られた。彼女を心配したきだ結が擁護に乗り出すと
*4、それもまた、加害の一種として受け取られた。アルテイシアを気遣いながら、アルテイシアを支持する者によるしろやまへの攻撃を無視するのは差別だとの声も上がった。これらのツイートに押されるように私のブログの閲覧数は激増してゆき、どうやらこの件を判断するのに必要な情報が無いらしいことが分かった。




異論「緑の目」

1月19日。そんな中で「共通テスト痴漢撲滅運動の先駆者はしろやまである」とする立場のブログが公開された(*5)。

さっそく目を通すと、単純な立場の違いではなく内容のおかしさに目が留まった。(別記事

とりあえず自分のブログに疑問点を挙げ、翌25日、ブログを運営するツイッターアカウントに2度(01:05、05:45)、回答が得られなかったので翌26日に再度(10:59)、その後ブログのコメント欄に1度(27日01:07)問い合わせたが、回答は無かった。それどころか、名指しこそされなかったものの「緑の目」のツイートでは【皆様へお知らせ】として、差別的な表現を目にしたとレッテルを貼った件につき「対話いたしません」と断罪されていた(
*6)。結局返信がなかったことから、これは私の質問に対する回答と思われる。

驚くべき事実を述べる。19日に公開した私のブログには、受験生を対象とした電車内パトロールをする先人の例をしろやま本人が紹介したツイート(2019年5月30日)が採用されている。24日まで、このツイートは「緑の目」のブログには無かった。これは、しろやまを「受験生を対象とした電車内の痴漢パトロールの先駆者」としたうえで論を展開する「緑の目」の論拠を根本から覆すものだ。そして、25日から27日にかけて「緑の目」に宛てて送った4度に渡る質問で疑問として挙げている。それがある時、改訂に至る情報入手の過程も理由も追記の日付も一切ないまま「緑の目」のブログに追記されていた。この情報はQ子の質問状から得た、あるいはQ子のブログを読んだ者を介して入手したものではないか。

「緑の目」の記事中には「つまり2019年1月〜2022年1月まで検索すれば、この運動がどこからどんな風に始まり、どうやって乗っ取られていったかを大まかにではあるが追うことができるという仕組みだ。」とある。同時に「今回の場合はTwitter内で完結する。検索欄にこう打ち込むだけだ。センター試験痴漢 since:2019-10-01 until:2019-11-01」「一番にしろやまさんのツイートが出た。」と2019年10月31日のツイートを挙げ結論付けていることから、しろやまを先駆者に位置づけるツイート以降しかそもそも視野に入れなかったとみるのが自然だろう。それがQ子経由の指摘を受けて都合が悪いと悟り、こっそり付け加えた。Q子の名前は出さずに。なんと業績窃盗である。

ツイッターのプロフィール欄に「転載やまとめお断り」と書いていた(
*7 当時。現在は削除済)しろやまは、「緑の目」にツイート使用の許可を出していた。また、「緑の目」のツイッターアカウントをフォローしている。今回の騒動の大本であるしろやまは、「緑の目」のブログ内容およびブログの運営姿勢に賛同していると捉えてよいだろう。

 

 

 

 

 

【資料】参照一覧(テキスト対応)

【資料】緑の目(原本 20230125)

【資料】【批判】緑の目(原本 20230125)

 

 

 

 

♦訂正・修正・その他

 

(20230318)

・「緑の目」のツイートでは(→ ”「” と ”緑の目」” の間に段差が付くられていたため、空間を削除し修正した。「異論「緑の目」」)