将棋の世界に、奇襲戦法と呼ばれる手筋があります。
その中でも特に、ハメ手と呼ばれる手合いの戦法もあり、対応策を知らなければ、瞬殺されるという手筋があります。
一見、ハメ手とは恐ろしい、どんな奇襲奇策で来られるか分からない、と考えます。
しかし、プロの間で、そういう奇襲的なハメ手が指される事は、まずありません。
なぜか? 過去に一回でも指されれば、プロ同士の対局では、棋譜が残る為、対策が練られるのです。
これが何を意味するのか?
奇襲奇策は、一回こっこりしか通用しない割に、バレたら終わりという事です。
こういうのを、嘘吐き戦略と言ってもいいです。
嘘吐き戦略が決まるのは、データの蓄積が乏しい素人だけという事です。
短期決戦なら、なんぼでも通用します。ええ、奇襲戦法も一つや二つでは無いので、100人居れば100通り決まるでしょう。
ところが、100人が結集して、データを共有し、使い古された手口が使えないようになると、どうなるか?
101人目からは、必敗です。永遠に勝てなくなります。
新規の奇襲戦法を編み出す必要がありますが、常に、新しい奇襲戦法を編み出せるなら、最初から使いません。
嘘吐きは、一瞬の栄華に酔い、そして永遠に締め出されるのです。
対し、将棋の世界には、王道と呼ばれる戦術も、いくつもあります。
それは、データの積み重ねによるものではありません。
毎回毎回、地道に丁寧に考え続けるという類です。
最初は、そこまで強くないでしょう。
そのうち、少しずつ勝てるようになっていきます。
だんだん、負けなくなります。
そして、どんな手筋で来られても、対応できるようになり、必ず勝てるようになります。
1+1=2 これが自分の頭で導き出せる人間は、1+2=3 、1+3=4 、こんな風に次から次へと自分で考えて、新しい数を発見していけるのです。
こういうやり方は、正直者戦略と言ってもいいと思います。
絶対勝てる訳ではありません。
奇襲奇策にコロッとやられる事もあります。
でも、期間が長くなればなるほど、思考訓練が身につき、さらに前述の嘘吐き排除のチームが組めるようになります。
そうなった時点で、嘘吐きは完全淘汰されて、正直者しか残らなくなるのです。
私に対して、見え透いた嘘を吐いた男が、一人居ました。
私は、直感的に、こいつ嘘吐きだなと分かっていましたが、その嘘に付き合いました。
その男は、私に対して、いいものをくれてやる的な事を言ってましたが、約束は守りませんでした。
また、その男のところに行って、どういう嘘を吐くのか、のんびり聞いてみようと思います。
なんで、人間、嘘を吐くのですか?
人間という生き物自体が、嘘を吐いて、人を騙す事に長けた生物だからです。
正直者は、その生物としての摂理から外れてます。
短いスパンで人間を切って行くなら、嘘吐き戦略の方が遥かに得です。
私は、嘘吐き戦略は取りません。
手札を隠しておいて、晒した時には死んでる時とか、そんな一発限りの勝負はしません。
実は、ゲーム理論という分野で、生存率50%とも謳われる、最優の戦略があります。
しっぺ返し戦略です。
正直者とは、ずーっと契約。嘘吐きは、一度でも嘘を吐かれたら永遠に排除です。
カウンター戦略とも言うべきでしょうね。
私は、一度でも自分を裏切った人間を赦しません。
言ってることではなく、やってる事がその人の本性です。
嘘吐きには死を。