永遠の不安

 

 付き合っているのにも、いつも一緒にいて楽しいのに、どこかに付きまとう不安。
 その言葉で表せないような不安はどこから来るのか。

 男は有頂天で良い事ばかりを単純に楽しめるから、あまり見えない不安を感じることはない。
 女には特殊な冷却装置がある。
 こんなに幸せでいいのだろうかとか、いつか終わるんじゃないかという思いがふと頭をよぎる。
 たいていはすぐに打ち消すのだが、根底には必ず潜んでいる。

 

 男はずっと楽しいはずなんだからいいじゃないか、何で今そんな事を考えるんだよ、と不思議に思う。
 女は先がどうなるかを考える、もちろんわかるはずも無い。
 わからないから不安が消え去らないのだ。
 だから女は男には理解しがたい不安を常に抱えているのだろう。
 幸せであればあるほどに不安もついてくるのだ。
 男には手の打ちようも無い。

 「不安」 は女の持つ迷宮入りの本能だ。

 

 

 

 

               *「よ・る・び」の過去の記事を再編集して掲載しています