ダンク「だから、そんな銘柄無いってばよ」


俺「そこをなんとか!」


俺たちは、神田駅のガード下にある喫茶店にいた。


俺「いや、本当に一瞬上がって、ドッカン下がるようなヤツ!」


ダンク「いやぁ…上がりそうなのはいくつかあるけど、そこから下がるのは…」


俺「やっぱり無い?」


ダンク「無いっす…」


ダンク「それより、そんな銘柄見つけて何するんですか?」


俺「ん~ちょっと懲らしめたい人が居てさ。」


ブーっブーっ


俺の携帯だ。


山さんからだ…


俺「仁です」


山さん「こんガキャ、連絡も寄越さんと、どこで油売っとんねんむかっ


言葉は悪いが、怒気は無い。


俺「まいど!今、神田に居ますよ。どうしました?」


山さん「どうもこうもあるかぃ!心配して連絡したったんや。どんな具合や?」


俺「だいぶ、まとまって来ましたよ。多分、一発勝負になると思うから、保険な保険まで掛けてる最中。」


山さん「よぅ解らんが、お前に会わせたい人おるんやんか?」


関西人はいつも、この言い回しをする…


おるんやんか?って何故問い掛けで来るんだろう?
っていつも疑問に思う。
その度に俺はこう挟む。
勿論わざと(笑)


俺「いや、知らないすけど…(苦笑)」


山さん「せやから、今晩空けとけ。場所は九段や」


俺「何時すか?」


山さん「20時。時間厳守やぞ」


俺「誰すか?仕事なら請ける余裕無いっすよ」


山さん「師匠絡みやねん」


俺「…ホントにぃ?」


山さん「…ぉぅ」


声ちっさ!


俺「解りました。では今晩!」


ガチャ




ダンク「誰?」


俺「酔っ払いのオッサン(笑)」


ダンク「ホントに仁さんの人脈には感服するわ」


俺「人脈じゃないよ」


ダンク「?」


俺「お友達(笑)」


ダンク「はいはい…まぁ、いい銘柄見つかったら連絡するよ」


俺「ありがとう」


ブーっブーっ


また携帯だ。相手はメカ男だ。



俺「仁です」



メカ男「例のもの出来たよ!」













つづく
俺は、超濃厚な交渉を終え、日本へ帰国していた。


ロシアでの仕事を用意して…


帰国して速やかに、シェンの依頼を遂行し


主契約を交わし、自分の手から離れ


後は、師匠を探し、タフな交渉をして『うん』と言わせれば、目的は達成だった。



帰国してからなんだかんだで、一週間が経過しタイムリミットも刻々と迫って来る。


俺は次の段取りをするために、メカ男を呼び出した。


メカ男「仁さん。どうも。」


俺「ああ、久しぶり。元気してた?」


メカ男「あんまり元気じゃ無いかな…どうしたの仕事の話?」


俺「実はそうなんだ。ちょっと相談にのって欲しくてさ。」



メカ男「ちょっと忙しいからな…手伝えるか解らないですよ」



俺「マジかぁ…」


俺「アイドル絡みの仕事なんだけどなぁ…」


メカ男「!!??」


俺「いやぁ…忙しいなら仕方ないかぁ…」


メカ男「やるです。仁さんの仕事は刺激的だから大好きです!」


俺「でも、忙しいんでしょ?」


メカ男「大丈夫!」


俺「オッケー。じゃ、揃えて欲しい物あんだけど…」


俺はあらかじめ用意してきたリストを渡す。



























メカ男「仁さん、これ何に使うの?」














デッカイ獲物を釣るのさ(笑)










つづく
シェン「ジン!ヒサシブリ!」


俺「ども。元気してた?」


シェン「ナントカイキテルよ。ドウシタ?」


俺「早速で悪いんだけど、一つ頼みがあるんだ」


シェン「ジンのタノミナラナンデモキクヨ!」


俺「ありがとう。じゃ遠慮無く言わしてもらうけど、一人M国経由で、ロシアに逃がして欲しい人がいるんだ」


シェン「ダレデスカ?」


俺「俺の元ボス。ジャパニーズマフィアから狙われてんだ…」


シェン「イイヨ!マカセテ!」


俺「ありがとう。ついでにもう一ついいかな?」


シェン「イイヨ!ツギはタカイヨ!」


俺「ハハハ。勿論タダとは言わないよ。」


俺「そのボスに、何か一つ商売させて欲しいんだ。」


シェン「ナニサセル?ロシアでのシゴトスクナイヨ」


俺「解ってる。シェンさ、核廃棄物の利権回してるだろ?あれを仕切ってる人を紹介してくれ」


シェン「アレ、ウチノボスのシゴト…タカイよ」


俺「解ってる。見返りとしては、お前らが扱ってるエメラルドの原石を日本で正規輸入出来るようにして来る。」


シェン「ムリダよ。ナンカイモトライしてる。」


俺「準備はある。」


シェン「…チョッとジカンイル。イツマデイルカ?」


俺「そんなに時間は無い。」


シェン「ジン…ミスシタラ、シヌヨ。」


俺「死ぬ気も無いし、失敗する気も無いよ。」


シェン「ワカッタ。ホテルにイテクダサイ。レンラクします。」


俺「ありがとう。」


シェン「タダシ、ヨルはホテルデナイでクダサイ。ホントにアブナイよ。」


どんだけ危ねぇんだ…汗








つづく
そんな訳で…


色んな人の想いを胸に


俺はM国へ向かっていた。


昔世話をした恩を返してもらう為に…


M国へ着くと、『welcome JIN』と書いてあるプラカードを目にし、それが迎えである事に気付くのだが


思わずシカトをしたくなるような男であった…


この国は、はっきりいって暑い。


所謂、高温多湿の国なのに全身黒のスーツにサングラス。


安いマフィア映画でも見掛けない格好をしており


辺りの一般人も近より難い空気を醸し出しているのだ…



俺「あいつかよ…」


渋々ちかより…


JINである事を告げる。


*会話もリアルに英語で書こうとしましたが、タイプが非常に面倒なんで
日本語にしますが、英語で話してると思って下さい。
男「ハイ!ドーモ!ワタシ、ムカエにキマシタ!」


テンション高っ…


俺「んじゃ、よろしく…」


男「ワタシ、アナタノボデーガードツトメルザンス。リーでゴザマス!」


*読みにくさは、彼の英語が解りにくい所を共有するため、お付き合い下さい(笑)


俺「ボディーガード?なんで?」


男「オトトトイ、テロ、アリマシタ」


俺「あ~ニュースになってたなぁ」


男「ナノで、ワタシヒツヨウ。」


俺「怖いですね…」


男「ソソ。トテモキケーン。ナノで、コレどぞ」


茶色い紙袋を渡される。


何故か、ズッシリ重い…


俺「………」


男「タマ、イレテナイからアトでイレテクダサイ!」


俺「やっぱり…」




先が思いやられる…










つづく
二章で出て来る、登場人物です。

メカ男:仁の友人。メカヲタク。
ダンク:デイトレーダー

ウィン:M国在日駐在員
シェン:マフィア(M国)

神田:新宿署 警察官(マル暴)

サユリ:ホステス






iPhoneからの投稿
男「いよ~!仁ちゃん!久しぶり!」


俺「白さんどうも。」


白「何?元気無い顔してるよ~!」


俺「最近、良い事無くて…」


白「ハハハ!なるほど!で?今日は偶然?(笑)」


俺「んな訳無いじゃ無いすか…ちゃんと狙い打ちっすよ」


白「わぉ。じゃ場所変える?」


俺「ええ。」




そして、俺達はとある会員制のバーへと移動した。


白「で?何が欲しいの?」

俺「師匠の顔で別名義パスポート(本物)」


白さん「いつまで?」


俺「なるはやで」


白さん「特急料金乗るとしたら?」


俺「構いません…」


白さん「承知した。詳しくは聞かない方が良いんでしょ?」


俺「はい。すみません。」

白さん「相変わらず損な役回りだね…」


俺「何なんですかね?前世で悪い事してたんですかね?(笑)」


白さん「かも知れないね…ところで、仁君…」


俺「はい」


白さん「一つね僕からもお願いがあるんだよ…」


俺「?」


白さん「実はね。師匠が手を出した株なんだけど、紹介したのは、私の友人なんだよ…」


俺「なるほど…それは他意があって?」


白さん「いやぁ。全くの偶然だよ。事実、僕も損してるし。ただね…」


俺「ただ?」


白さん「最終的に私が悪いのかも知れない…」


俺「…」


白さん「そんな立場で、こんな事を言えた義理では無いんだが」


白さん「師匠が持っているその株を回収して欲しいんだ…」


俺「どう言う事すか?」


白さん「同額で買う訳にはいかないが、いくらか手助けをしたい…」


俺「なるほど…」


白さん「面目無い…」


俺「いえ…」


白さん「受けてもらえるなら、パスポートは私が払うよ。勿論謝礼も」


俺「解りました。やってみます。」


白さん「ありがとう…」







そう言って、白さんは俺の手を握り、項垂れた…





きっと怖いんだと思う…





持っている何かを失う事が…





幸い…





俺には何も無い…










やるべき事は見えた…





あとは、自分が描いている絵にハマるか…




全てはここから始まる…
俺はイシイがさらわれたその晩に佐伯さんを待っていた。



もちろん、ガッツさん同席で。



赤坂と六本木の中間ぐらいの場所にある、料亭で



俺「ダメだ。相変わらずこう言う店苦手っす。」


ガッツさん「場数ですよ。この稼業続けてれば、いずれ慣れます。」


俺「なんすかねぇ…」


待つこと、10数分…


佐伯さんがやって来た。


佐伯さんは、俺らの中でもかなり異色な雰囲気で


例えようの無い、冷たさって言うか、感情を一切表に出さない


究極のサラリーマンみたいなイメージ。


俺「ご無沙汰してます」


佐伯さん「こちらこそ…」

軽い挨拶を交わし、席につく。


佐伯さん「気を使わないで。単刀直入にどうぞ」


俺「では。直球ストレートで申し上げます。」


俺「師匠をどうするおつもりで?」


佐伯さん「どうもしません。貸した物を返して頂くだけです。」


俺「それだけで、関係の薄い人をさらうんですか?」


佐伯さん「誰の事かな?」


俺「イシイと言う女性です。」


佐伯さん「彼女が何者か…ご存知無いのかな?」


俺「はい。師匠の口座から毎月金が支払われてるのを知っただけです。」


佐伯さん「彼女だよ。全ての根源は。」


俺「?どう言う事ですか?」


佐伯さん「それは、申し上げられない。いずれにせよ、師匠と彼女には責任を取って頂く。」


俺「何か捕まれてるからすか?」


佐伯さん「それも申し上げられない…」


俺「では、お願いがございます。」


佐伯さん「聞くだけ聞きましょう。」


俺「どうせ師匠を潰すなら、私にやらせて頂きたい。」


佐伯さん「誰も潰すなど申し上げてません…」


俺「いや。腹の探り合いは辞めましょう。どうせやるなら、俺にやらして下さい。勿論、只でとは言いません。」


佐伯さん「どう言う意味かな?」


俺「借りた金全てプラス師匠が持ってて、皆さんがご存知無い利権を譲るよう、説得して来ます。」


佐伯さん「…」


俺「そして、師匠には引退と言うか、消えてもらいます。」


佐伯さん「消える?」


俺「そこは想像にお任せしますが、先生の目と耳に二度と入らないようにします。」


佐伯さん「利権とは?」


俺「はっきりした時価総額は解りません。但し、一番クリーンですし、政治家が保持していても何ら問題の無い物です。」


佐伯さん「…」


俺「如何でしょう?」


佐伯さん「期限と失敗した場合は?」


俺「二ヶ月以内。失敗したら、後は煮るなり焼くなりお好きに…」


佐伯さん「解りました。先生に申し伝えましょう。結論はまた連絡します。」


俺「ありがとうございます。」


佐伯さん「仁君の手腕の見せどころと言う訳ですね…」


俺「恐縮です」


佐伯さん「勝田さん(ガッツさんの本名)はそれで宜しいのかな?」


ガッツさん「は。ウチは先生さえ宜しければ。」


佐伯さん「解りました。では、今日の所は失礼します。」








本当に、数分会話を交わしただけで、佐伯さんは店を後にした。









ガッツさん「大丈夫ですか?」


俺「相変わらず、感情出さない人っすね…何にも読めなかったっす」


ガッツさん「いや、利権とか…」


俺「すみません。ハッタリっす…でも、アテはあります。正直、時間稼ぎでしか無いですけど、どうにか形にします。」



ガッツさん「解りましたが、仁さんもそれなりに覚悟要りますよ…」



俺「ですね…泣きたくなって来ました(涙)」








そんな軽口をガッツさんに利くなんて、相当テンパってるな…



なんて思いながら、慣れない赤坂、六本木を後に俺は歌舞伎町へ向かった…






ある男に会うために…















つづく
俺達は渋谷にいた。


あの後、ラッシャーに車を追わせたが結局まかれ


さらわれた周辺を探したけど、イシイって名前の表札は無く


サキちゃんが心配になった俺達は、渋谷で買い物中だったサキちゃんを保護し、今後の対策を話していた。


俺「イシイは電話しながら歩いたりしてた?」

ラッシャー「いえ…自分が確認してる限りは…」

アラちゃん「仁さん、もう一回電話してみれば?」

俺「後でしてみるよ。先ずは可能性を考えよう」





先ず、誰が何の為にさらったか?





俺の推察では…


①師匠の口封じ

②自作自演

③他の要素


俺「ん~ダメだ。マジで意味解らん。堅気じゃ無いのかな?あのおばちゃん…」

アラちゃん「いや~悪いことしてるようには見えないけど…」


ラッシャー「あの手のタイプって、誰かの愛人とかじゃ無いすか?」


アラちゃん「だから、それが師匠なんじゃん?」


ラッシャー「あ、そうか…」


俺「俺達より早く見つけてさらったって事だとしたら、俺ら相当遅いな…」


アラちゃん「ちまちまやってる場合じゃ無いかも…」

俺「電話してみる」



俺はイシイに電話をしてみる。
















ガチャ




男「どうも。交渉屋さん」


俺「いゃあ…流石、佐伯先生関連は動くの早いっすね。」


男「どうして解った?」


俺「勘ですよ。」


男「先生から言伝てだ。今回は関わるな。改めて先生から連絡入る」


俺「いつ?」


男「中国から戻られてからだ」


俺「それまでにはケリつけますよ。ああ、それと…」


男「何だ?」


俺「人さらうのに、公用車使うとか、素人みたいな事するのやめた方が良いっすよ。」



ガチャ



アラちゃん「誰だった?」


俺「先生の所の秘書だよ。多分、かなり下っ端」



アラちゃん「車までわかんのかよ…」



俺「え?あぁ、ただのハッタリ。」


ラッシャー「なんで、秘書って解ったんすか?」


俺「行き先を知ってるのと、言葉使い…(戻られる)なんて謙譲語使うか?」


ラッシャー「使いません」


俺「さて、どうすっか…」


アラちゃん「次は師匠の身柄?」


俺「いや…あの人は簡単には捕まんないよ…」



アラちゃん「じゃぁ…」



俺「ちょっと考えるよ。今日は解散…あ、それと…」


俺「ラッシャーは、サキちゃんのボディーガード頼んでいいかな?」


ラッシャー「喜んで!」


サキ「…ちょっと怖いんですけど…」


ラッシャー「大丈夫っす!百人力っす!」


サキ「いや、ラッシャーさんが…」


ラッシャー「大丈夫っす!大丈夫っす!」




よし…





俺は俺で会う人がいるな…





中国か…





まだ、なんかあるな…






つづく
俺「では、そう言う段取りで」


新しい応援で、ガッツさんの紹介のラッシャーが加わった。


ラッシャーとは過去に何度か一緒に仕事した事があり


誰がどうみても『プロ』の人



タトゥーでは無く、立派な和彫りの入った超武闘派。


事実、喧嘩も強く頼りがいがあるのだが



こう言っちゃなんだが、頭がちょっと弱い…


ラッシャー「じゃ気合い入れて行きます。」


俺「いいよ~いつも通りでー(棒読み)」


ラッシャー「仁さん。そんな事言っちゃいけません。僕のやる気は満々です!」


俺「まぁ、手加減宜しく。」


そう言って、俺は待ち合わせの公園へ向かった。



約束通り来てくれれば良いのだが、こればっかりは賭けだった。



約束の時間丁度に俺の携帯が鳴った。



携帯の振動を悟られないように、あたりを見渡す。



俺の数メートル先に電話を掛けている女性がいる。


俺「あれか…」


俺は電話を出ず、彼女の死角に周り、様子を伺った。



二回ほど携帯に着信が入って、暫くしてイシイと思われる女性は、公園を後にした。


電話を掛けるタイミングと、俺の携帯がなるタイミングがバッチリなのを確認し、控えのアラちゃんへ連絡する。


俺「見える?」


アラちゃん「バッチシ」


俺「あの赤いワンピースだ」


アラちゃん「了解」


次にラッシャーへ



俺「絶対見失うなよ」


ラッシャー「あいよっ!」


俺らの作戦はこうだ



①公園へ呼び出す。


状況を見て、声を掛けるかどうか判断する。


俺の携帯はわざと番号が出るようにしてある。


師匠が解るように。


もし、イシイと師匠が近い場合、俺の番号を控えて何らかの準備をしているはず。


こんなタイミング良く、間違い電話なんて掛ける訳無いしね。


次に遠い場合、無防備で来る可能性が高い。


先ずはそれを判断したかった。


②目的は、イシイの足取りを知りたかった。


住所。家庭環境。交遊関係。


それらを知るべく、俺は『尾行』と言う選択肢を取った。


イシイをつけてる人間も居なそうだし



このままで目的は達成出来そうだ。


しかし、この後、意外な光景を目の当たりにする。



イシイが池袋駅西口を出て、要町方面へ向かった。


師匠に顔バレしていないラッシャーが後をつける。



段々人気が無くなり、俺とアラちゃんは尾行をやめ、近くの喫茶店で待機。



喫茶店に入り、GPSの今ドコサーチでラッシャーの足取りを確認する。



23区にいるお陰で、かなりの精度で確認出来る。


俺「まだ歩いてるな」


アラちゃん「こんなに歩くか?」


俺「解らんが、住宅街だしな」



そうすると、俺の携帯がなる。ラッシャーからだ。



俺「どうした?」



ラッシャー「今、女がさらわれました…」



俺「はぁ!?」












つづく

俺「想像以上にひでぇな」


アラちゃん「ですな」


俺たちは、師匠の与信状況や今の金回りを徹底的に洗った。


この前、ガッツさんと話した時に感じた事は


殺すほどの事ではない。
金で解決できる。


俺は、こう感じた。


そして、金で解決出来るのであれば、払わせるよう説得すれば良いだけの事。


落とし前って言う意味も考慮するのであれば


弁護士から引退させるとか。そう言う事で、手打ち出来るとは思っていた。


しかし、あの師匠がそう簡単に折れるとは思えない。それなりの花道を用意する必要がある。


でも、師匠の金使いは予想以上に酷いものだった。


俺「サキちゃん。これで全部?」


サキ「はい。そのはずです。」


アラちゃん「俺は助ける気しないけどなぁ・・・」


俺「ガッツさんからの依頼です」


アラちゃん「師匠が囲ってる女からいくらか引っ張れないかな?」


俺「誰?」


アラちゃん「このイシイマリコって毎月40万振り込まれてるよ。結構前から。」


俺「そんな、簡単に尻尾掴めないって。それ、ただのトンネルじゃん?」


アラちゃん「トンネルでもさ、何か知ってるだろ?トライしてみようぜ。」


俺「じゃあ、いつもの手で・・・」


方法は明かせないが、俺たちは銀行の【名義】だけで、相手の連絡先を得られる技がある(笑)


俺「誰に電話させる?」


アラちゃん「どぞどぞw」


俺「・・・・」



・・・・・・・・・



俺「出ないね」


俺「相手、携帯だから山さんに相談だな。」


アラちゃん「ですな」




ぶーーっぶーーっ



俺の携帯に折返しがあった。


俺「はい。佐藤でございます。」


女「あの、イシイと申しますが、先程着信を頂いたみたいで・・・」


声を聞く限り、30代後半。恐らく主婦・・・


俺「あ、すみません。間違えてしまったんですが、もし良かったら少しお話如何ですか?」


イシイ「え?(戸惑い)」


俺「ああ、大丈夫です。変な勧誘じゃ無いですし、ただのナンパです。」


イシイ「えっと・・・こ、困ります」


俺「いやあ、僕も困ったなぁ・・・中々こう言う事無いんで、ドキドキしてたんですけどね」


イシイ「あ、いや・・・お話だけなら・・・」


俺「本当すか!!??ありがとうございます。」


ーーーー30分経過


俺「では、明日また!失礼しまーす」


アラちゃん「す、すげぇな・・・」


サキ「間違い電話から、ここまで発展させる人初めて見ました・・・」


俺「俺も初めてだよ・・・緊張したぁ・・・」


俺「ま、でも明日池袋で待ち合わせしたから、一発で吐かせよう。」


アラちゃん「方法は?」


俺「ガッツさんに連絡する。」








・・・







ガッツさん「手配します」









つづく