【新 刑事コロンボ】 | 馳夫の暴想映画ブログ。

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秋の夜長に、一杯やりながらミステリードラマを観る。まぁ、個人的な感想だが至福の時である。
って事で、『新 刑事コロンボ』なのですが。まずは、「死者のギャンブル」。この話は笑ってしまった。『コロンボ』シリーズのお約束である「倒叙推理」(犯人が解っていて、追いつめていく話。)のパターンでありながら、実は…。
この回は面白いです。(旧作コロンボファンは、『新 コロンボ』に辛辣ですが…。)
ギャンブルにあけくれ借金を抱えるハロルド(グレッグ・エヴィガン)は、アメリカン・フットボールのオーナーである叔父に、金銭的援助を打診するが断られてしまう。ハロルドはマフィアに追われている事から殺害を企て、叔父の車に爆弾を仕掛けるのだが…。実行の日、なんと叔父はひき逃げで死んでしまう。哀しみにくれる叔母(実は、この二人は愛人関係)と一緒に、叔父の邸宅へ向かうと、コロンボ警部が現場を仕切っている。しかも、そこには爆弾が仕掛けられた車が、現場検証を行うには邪魔な場所にあった。「動かせば爆発する。」と思ったハロルドは、なんとか仕掛けた爆弾を外そうとするのだが…。
好きだなぁー、こういったイライラする話。最近、『新 ヒッチコック劇場』も観てるのだが、こういったイライラする話が多いこと。って、『ジョジョの奇妙な冒険』も、このイライラ感がたまらないから、僕は大好きなのですが。これって結構嫌いなかたもいると思う。このイライラ感はミステリーに必要な要素である! 「だめよ、ダメダメっ。」と同じなのである!!
まぁ、二転三転するストーリーに、コロンボ警部は事件を解決出来るのか? とヤキモキしながら観てしまった。これは、『コロンボ』のパターンを知っていると面白いです!

次は、「恋におちたコロンボ」。犯人役はアカデミー賞女優フェイ・ダナウェイ。脚本はピーター・フォークと力が入ってる回です。フェイ・ダナウェイは、この作品でエミー賞助演女優賞を受賞しています。

ハリウッドのセレブ、ローレン(フェイ・ダナウェイ)は、恋人ニックに利用され、ニックの別の恋人リサと共謀してニックを殺害する。コロンボ警部が捜査を進めていくうちに、コロンボ警部はローレンに惹かれていくのだが…。

この回こそ、暴想にうってつけのエピソードです。
まず、ローレンの動機なのだが。ここらへんは最後まで解らない。リサとローレンは、同性愛者なのでは? と考えてしまう。フェイ・ダナウェイの代表作『俺たちに明日はない』は、実は同性愛を描いた作品ともとれるのだ! (ここらへんは賛否両論であるが。)まぁ、アメリカン・ニューシネマの代表作である。同じように、1990年代に女性同士が、強姦を射殺した事から逃避行する映画『テルマ&ルイーズ』がある。この作品も女性の自立がテーマであるが。こういった作品を観ている自分としては、「恋におちたコロンボ」のエピソードが、フェイ・ダナウェイに捧げられた作品に思えてくる。自立した女性の已む無き殺人…。
スティーヴン・キング原作の映画『黙秘』も倒叙推理形式の作品であり、『刑事コロンボ』を彷彿させるのだが、この作品も女性の社会的問題を描いた作品である。「恋におちたコロンボ」は、ピーター・フォークが脚本を手掛けてる事から、アメリカン・ニューシネマを意識した作品なのだと、勝手に解釈してしまったが、実は動機はレズビアンではなく…。って『チャイナタウン』じゃないか! と、最後までフェイ・ダナウェイに捧げた作品でした。犯人に誘惑され、恋してしまうコロンボ警部。まぁ、僕は「恋におちたコロンボ」は傑作だと思うのですが。
結構面白い作品があるので、秋の夜長にミステリーなんて、どうでしょうか? でわ!