92年前に戦場から出したハガキ、ようやく配達 英国
2007.02.27 Web posted at: 20:59 JST - CNN/AP
第一次世界大戦中に、戦場から無事を知らせるため恋人に送ったハガキが92年ぶりに見つかり、ようやく届けられるという出来事が、英国で起こった。しかし、送り主も受取人も、すでに亡くなっており、実際に受け取ったのは2人の娘だった。
一兵士だったウォルター・バトラーさんは1915年、ロンドンの西約100キロのウィルトシャーで暮らす当時の恋人エイミー・ヒックスさん宛てに、無事を知らせるハガキを書き送った。
しかし、このハガキは届いていなかった。
92年がたってから、郵便局でハガキが見つかり、ヒックスさんが暮らしていた近くに配送された。
当然のことながら、ヒックスさんはすでに亡き人。
そのため、ハガキは2人の娘ジョイス・ハルバートさん(86)の元へ届けられた。
3人の孫があるというハルバートさんは、両親が戦時のことはほとんど話していなかったと回想。「少し遅すぎたと思う。ハガキが92年たってから届くっていうことより、世の中にはもっと興味深いことがたくさんある」と、届いたハガキはあまり意味がないと述べた。
なんともロマンのない結末であって、娘のジョイスという人は、もう少しましなコメントが言えないものなのだろうか。
とは言え、手紙がブームなのは、アカデミー作品賞「硫黄島からの手紙」のアメリカだけなのであろうか。
92年という時を経て、宛先に届けるという、言ってみれば偉業をなしとげたイギリス(は国営なのか、すでに民営化されているのか知らないが)の郵便局を称えるどころか、もっと興味深いことがたくさんある、という陳腐なコメントしか残せない人は、失礼だが少し心が貧しいのではないかと思ってしまう。
やっぱりイギリス人だな、というのはあまりにも偏見に満ちているだろうが。
手紙で思い出す映画といえば、「硫黄島…」はもちろん、「ポストマン」「メッセージ・イン・ア・ボトル」そして「バック・トウ・ザ・フューチャー・パートⅡ」
ケビン・コスナーの出ている映画が2本もある。
「ポストマン」は最悪の映画だった。
特に予告編にも再三出ていたあのシーン、子供が掲げる手紙を馬で走ってきたケビンが、さっとつかみ上げるシーン。噴飯ものなのが(久しぶりにこの表現を使うほど、なんか古臭い)このシーン、もちろん映画の中で、後に銅像になっていたのである。
誰が見ていたんだろうか。それが気になる。
そういえば、「ナイロビの蜂」に変なシーンがあった。
部屋でレイチェル・ワイズと話しているダニー・ヒューストン、クリケットのスティック(と呼ぶのだろうか)にグリップテープをくるくる巻いている。
カットの後でアングルが変わると、巻いていたテープがかなり後退してしている。つまり、何周か戻っているのである。
こんなところが気になるのは、細かすぎる私の欠点なのかもしれないが、「ライオンキング」で花びらで「SEX」と書いてあるのよりは見つけやすい。
1888年の西部から書いたドク・ブラウンの手紙を、どしゃぶりの雨の中、1955年のマーティに届けたアメリカ郵便の人はたいしたものであった。
手紙が届くというのは、当たり前のようで、実はたいへんなことなのではないかと思う。
いまやEメールで当たり前になってしまったが、ここ数年に比べると、途方もない時間にわたって手紙に頼っていた人間のコミュニケーションなのである。
逆に言うと、手紙文化とはEメールなどよりもずっと定着した文化であって、忘れてはいけないと思う。
特に1日1000字書くと脳に良いといわれているが、手書きというものを忘れてはいけないのだろう。
ただ、いまだに不思議なのが、Eメールには、何月何日何時何分何秒に送信、という指定ができない(あるいは私が知らないだけ?)ことで、時々不便を感じることがある。
さらに、最大の欠点は、Eメールでは一度けんかすると仲直りできないことである。
城下町けんぞう