ベルリン――ドイツの警察は24日、大都市フランクフルト近くの町のスーパーマーケットで万引きが見付かったブルガリア人女性(36)が、3カ月になる乳児が入った乳母車を店内に放置し、逃走する事件があったと述べた。
万引きの現場を取り押さえられ、警備員に部屋に同行するよう言われた後、逃げていた。
ロイター通信によると、乳母車の中に身分証明書があったため、居住先が分かり、赤ちゃんと再会した。
裁判で罪を問われる。万引きした商品などは不明。
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36歳と言うことは、俗に言うマルコーだったわけか。
ドイツなのかブルガリアなのか、マルコー自体存在しているのかどうか知らないが。
「ひどい母親」
「親の資格なし」
と、いくらでも蔑みの言葉は出てくるだろう。
まあ確かにかなり悪いことをしたのは事実だが、何かの事情があったのかもしれない。
万引きする主婦を隠しカメラで撮ったり、万引き取締りを専門にするオバサン系の人を追跡したりする番組は、一定期間ごとに必ずある。
中には80歳を超える女性が、万引きの常習犯だったりするわけで、なんともやりきれない気持ちになることさえある。
でも、万引きをしない人はなぜしないんだろう。
単に悪いことだから?
なぜ悪いことなの?
人様の物を取ることだから?
誰のもの?
会社組織のものだったら、誰ってわからないよ。
お金を借りて返せなかったり、踏み倒したりすると、金融機関は貸倒引当金で相殺する。
一般企業だって、貸倒引当金がある。
お金を借りて返さないのは、悪いこと?
人様のお金を借りておいて返さないのは、罰当たり?
でも誰?
よく「会社が、会社が」って言うでしょう。あれって誰のこと?
社長?偉いオジサンたち?
日本人の場合、超自我というものは形成されにくい。
唯一絶対神というものがいなくて、神様だけでも八百万人もいるのだから。誰の言うことを聞けばいいのか分からないし。
「千と千尋の神隠し」の風呂屋が、彼らの憩いの場らしいけれど、いろんな神様がいたよ。
じゃあ、日本人は何で道徳を守っているかと言うと、恥なんですね。
イザヤ・ベンダサンでもルース・ベネディクトでもみんな言っているけど。
だから、日本人の価値観というのは常に相対的。
「みんながやるから」
「あの人がしたから」
長いものに巻かれっぱなしなのである。その上、和田秀樹さんによれば、シゾフレ人間が圧倒的に増えてきた今、その傾向はますます強まっているらしい。
その昔、浅田彰さんが、スキゾキッズとパラノキッズと言っていたり、小此木啓吾さんが、シゾイド人間と言ったり、モラトリアム人間と言ったりした、あの流れである。
どっちにしても、ブランド崇拝には拍車がかかり、女子高生は全員同じ格好と嗜好で、なんか面白くなくなってきたなあ。
そんな中で、人様ってなんだ。会社ってなんだ。てな価値観の揺らぎの方がまだ面白いかもしれない。
最近の教育者というのはすっかり自信喪失していて、そんな価値観ひとつまともに教えてはくれないらしい。
ジェンダーフリーなんてことを聞いただけで、彼らがいかに自信ないか分かるというものだ。
だから、結局いつまでたっても、人様のものを取ってはいけないとか、その程度の事しか言ってないんだろう。
じゃあ、親として子どもにはどう言えばいいんだろう。
これは身をもって示すしかない。
身をもって示せなかったブルガリア人の母親、3ヶ月でも子どもは親を見ていると思うよ。
城下町けんぞう