教師の死者数、昨年4千人超


世界最大数のHIV/エイズ感染者を抱える南アフリカで、最近発表されたエイズをめぐる調査結果から、昨年一年間のHIV/エイズによる教師の死亡者数が四千人を超えていたことが分かった。そうした中、厚生相が、国際的に認められているエイズ治療法を否定するような発言を行い、国内エイズ団体や野党から猛反発を食らっている。


波紋呼ぶ厚生相の治療法否定発言


…略… 全国の教員総数のおよそ13%に当たる教師四万五千人がHIV陽性であることも分かった。死亡した教師の八割が四十五歳以下で、三割強が二十五歳から三十四歳の年齢層を占めた。


「南アフリカ全国現職教員組織」では、調査結果を受け「予想をはるかに上回っている」と驚きを表明。協力した教員数の多さから「結果は正確だろう」と事実を重く受け止め、教員のためにHIV/エイズ講習会などの教育プログラムを早急にスタートさせる必要があると述べた。


…略…男性教員(40)は「エイズで死んでいるのは大半が黒人の教師。十年以内には教師の三分の一がいなくなると言われている」と語り、人種問題となることから公には出てこないエイズをめぐる裏事情を打ち明けた。


HIV/エイズの拡大が衰えを見せぬ中、政府厚生省では昨年、遅まきながら抗レトロウイルス(ARV)薬の全国配布を開始した。現在、投薬治療を受けているのは四万二千人ほどとされるが、これは国内HIV感染者総数五百三十万人のわずか0.8%程度にすぎない。


世界各国ではすでにARVは、効果的なエイズ治療法として認知されている。


ようやく軌道に乗り始めたかに見えた南アのエイズ対策だが、今月、ムシマング厚生相が「ARVには強い副作用があり、副作用ゆえに死亡しているエイズ患者が多い」とARVを否定するような発言を行い、エイズ団体や野党から猛反発を食らっている。


同厚生相は「正しい食生活」がアフリカ的エイズ治療法だとした上で、HIV感染者、エイズ患者は生ニンニク、レモンの皮、オリーブ油、ビートルート(赤紫色の根菜)を食べることが重要、と強調。


国内エイズ団体は一斉に反発を表明。


エイズをめぐる政府と関連団体・野党の対立が再燃しそうな気配だ。


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南アフリカ 死因の第1位がエイズ 死者の3分の1 05.05.20


南アフリカの医療研究評議会は、同国国民の死亡原因のトップがエイズであると結論付けた調査報告書を作成した。


国連によると、南アはエイズウイルス(HIV)感染者が530万人(03年末現在)と世界最多だが、死亡原因のトップがエイズであるとした報告は初めて。


全国の死者の29.8%はエイズが原因と判明。9州のうち8州で死因1位はエイズだった。最も高かったのはクワズールーナタール州で41.5%。政治経済の中枢であるハウテン州は32.5%だった。



報告書は外部に流出し、報道で存在が明るみに出た。政府は「厚生相が報告書を見るまでは論評しない」としているが、南アの現政権はエイズ対策に消極的だと指摘されてきただけに、「調査結果は政府の失政を裏付けるもの」との政府批判が改めて強まりそうだ。


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エボラについて書いたばかりで、トラックバックをいただいた。


それをきっかけにアフリカのエイズ禍について見てみると、なんと南アは死亡原因の1位であることがわかった。しかも教師の死者が昨年だけで4千人を超えていることも。


アパルトヘイトで有名だった南アだが、フレデリック・デクラーク大統領の功績で、それが幾分軽減されたと思っていた。しかし、エイズで死亡した教師の大半が黒人だという話を読むにつれ、底流にあるアパルトヘイトが垣間見られずにはいられない。


一方でシリコンバレーで働く南アフリカ人の中に、デビアス一族の人間がいることを知っている。CEOでも、ベンチャーキャピタルでもなく、通信機器ベンダーのディレクターだが、世界有数の富豪一族であることには変わりなく、その生活は我々の想像もつかないと聞いたことがある。


また、ケロッグ一族の人間もシリコンバレーの通信機器メーカーで働いていたのを知っている。今もいるかどうかは知らないが、富豪であるがゆえに、普段気にしていないことがごっそりと抜け落ちていたらしい。


つまり、財布を持たずに国際線のフライトに乗っても気にしない、というほどのスケールである。


これは実際にあった話で、シリコンバレーから東京のオフィスに出張で来たとき、財布を持っていなくて、飛行機の中で会った友人にお金を借りて、オフィスまで来たそうだ。


我々ではありえないことだと思う。


よくパスポートを忘れなかったことだ。


何はなくとも財布とクレジットカードとパスポート。

そんなことを気にせずに海外に行く人もいるものなのである。


この差はなんなのだろうか、と思うことがある。

特にダイヤモンで巨万の富を築いたデビアス一族。一方でブルドーザーで踏み潰される黒人居住区。

単なる矛盾として片付けられない問題なのだろう。


南アフリカのアパルトヘイトを描いた「サラフィナ!」という映画がある。

92年のこの映画公開から1年ほどで、アパルトヘイト政策が終わりを告げた。


ブロードウェイミュージカルの映画化だったのだが、1人の少女が世界を変えた、記念すべきストーリーである。


書籍はこちらで、

タイトル: サラフィナ!

ビデオもあります。

タイトル: サラフィナ!

ウーピー・ゴールドバーグは、ちょうど「天使にラブ・ソングを1・2」の頃で、特に2の黒人生徒たちによるダンスと「サラフィナ!」のダンスは通じるものがある。


これは、いずれもうひとつの私のブログ「マインドマップ映画術   でも書くつもりなので、お楽しみに。


アパルトヘイトに反対するアーティストたちが作ったアルバムというものもある。

Sun City というタイトルで、南アにあった白人専用の娯楽施設の名前を取ったもの。

「ここでは絶対に演奏しない」

というメッセージをこめたもので、ビッグアーティストが名前を連ねている。


で、そのユニットにつけた名前がまさに「アパルトヘイトに反対するアーティストたち」なのである。


アーティスト: Various Artists

タイトル: Sun City


城下町けんぞう