「笑いたい奴は笑え」(野宮朋美、山下夏美)

『リアル』8巻より


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『SLAM DUNK』『バガボンド』などの大ヒット作を連発。

おそらく、日本で最も売れている漫画家の一人である

井上雄彦先生が『週刊ヤングジャンプ』誌上で連載している作品です。


この作品、主人公は一人ではありません。

バイク事故でナンパした女の子を傷つけ、高校を中退した野宮朋美。

元陸上選手ながら、骨肉腫にかかって車イス生活となった戸川清春。

そして、もう一人──(ネタバレになるので、一応伏せておきます)。

そんな3人の主人公が現実(リアル)と闘う姿が、

じつに細々と描かれています。


さて、井上先生と言えばバスケットボール。『SLAM DUNK』で

大出世したこともあって、どうしてもそんなイメージが離れません。


もしかしたら、開き直るのは簡単なことじゃないかもしれません。

でも、今の世の中、どこにいてもおかしくないような主人公が変わる

姿を見ると、「もしかしたら自分にもできるんじゃないか」と

思えてくるから不思議です。たぶん、僕らは勇気をもらっているんでしょうね。


『リアル』はスポーツマンガというジャンルではくくれないと

思いますが、同作ではバスケットは重要なテーマになっています。


高校でバスケットをしていた野宮。車イスバスケに出会った戸川。

もう一人の主人公も、当然バスケットがかかわっています。

同作では、バスケットが「リアル」と闘うカギとなっています。

そして今日の名言は、野宮がリアルを打ち破ろうと決心する

キッカケとなった一言です。

事故によって一生消えない傷を負った夏美を見舞う野宮。

その野宮に、夏美は夢があることを告げます。

無謀かもしれない夢。しかし、夏美は言います。

「笑いたい奴は笑え」


この一言と、すでに出会って意気投合していた戸川の存在に

後押しされるようにして、野宮は動きます。

高校をやめ、仕事も定まらず、明日が見えないような

リアルに別れを告げ、再びバスケットをするという決心を──。


人が強い覚悟を持って何かを成し遂げようと動く時、

そのエネルギーは半端ではありません。

時には、周囲にいる人間の人生を変えてしまうことだってあります。

その熱に飲まれたら、世間体だとか、チャチなプライドだとか、

そんなものは関係なくなっちゃいますよね。

そう、まさしく「笑いたい奴は笑え」の精神です。

ある種の開き直りを持ってガムシャラに生きる。

これさえできれば、きっと「リアル」は打ち破れるのでしょう。



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