前回のまとめ
・小径タイヤはストロングスタイルの定番
・タイヤが小さいと重心が下がる。飛躍的に完走率がアップする
・スプリントやマッハダッシュのマシン速度は最少タイヤでもコース攻略の限界を超える
さて、
今日はバンパーについてです
タイトルに外のフレキと記載していますが
その名の通りです
現状レース優勝マシンのトレンドを
昨日と同じくツイッターの優勝報告画像を見ていくと
入賞マシンの半分以上が
フロント2軸、もしくは1軸のATバンパーでスライドダンパー仕様です
リヤはほぼ全員1軸、もしくはアンカーです
意外にもピボットバンパーの使用者が最近は少なくなりましたね
と思ったら関東のレースではスラダンよりピボットの方のほうが入賞してますね
西のスラダン 東のピボットというような分布図のようです
では
まずATについてですが
入賞マシンは全員何らかのいなし機能が付いたバンパーを使用しています
ほぼ全員 ではなく 全員です
前回の説(統計的思考)で言うと
必須だと考えて間違いないでしょう
じゃあなんでこの機構が必要なのか
さらっと調べただけだと
コースに乗り上げた時復帰できるから強い
という見解が多いと思います
これは半分正解ですがもう半分に全く触れられていません
もう半分は
スラストが可変することによって
リジットマシンより総合的にコーナリング性能がアップすることと
マシンのリフトに対してローラーが傾かないことです
実はMSフレキも表面上だけの説明部分しか知らずに使ってる人が多いんですが
フレキが強いのは着地だけじゃなく
コーナーにローラーが振れた瞬間に起こる
インリフト(マシンの挙動としてはアウトリフト)のエネルギーを
可変部分で相殺していることが大部分を占めています
ATバンパーはその軸に
フレキの支柱と同じ機能を持たせているものなんです
なので
強豪レーサーさんのバンパーは
触らせてもらうとわかるんですが
何らかの方法で減衰機能を持たせている人が多いです
スルッと戻るというよりは
モタっと戻る感じです
まさに外側に用意されたフレキのような動きです
続いてスラダン機構ですが
これは前述の
外側フレキ機構の一つではあるんですが
それだとまた半分しか答えが出ていません
今のレースシーンでは
2017年頃まで主流だった
しっかりブレーキして平面を爆速でぶっ飛ばすような走らせ方では
ほぼ優勝は不可能になりました
如何にジャンプセクションで減速せずに確実にクリアするかが問われます
そうなってくると飛距離を伸ばさなければなりません
すると
最近ではよくYouTubeでも動画が出ている
真っすぐ飛ばすためのローラーセッティングが必要になります
リジットだと
フロントのローラー幅がリヤと同じか、それ以上に広いと
マシンがイン側に傾いて飛んでしまいます
これはジャンプ直前のコーナー出口で
ローラーが踏ん張っていたマシンのアウト側に逃げる力が解放されて
半力が発生して
実車で言うオーバーステアの状態になってしまうからです
これを解消するためにフロントローラー幅を狭くすることで
わざとコーナー出口でマシンのニュートラルポジションを
アウト側に向けて対処したりします
スラダンやピボットがあればこれをしなくてもいいわけです
コーナーの時点でマシンのアウト側に逃げる力を相殺して
出口での反発を防ぐからです
勿論、通常の平面のコーナーでも同じようにバンパーが動いてしまうので
固定バンパーでマシンを無理やり抑え込んで走るマシンよりは
総合的に速度が落ちてしまいます
これは実はたいした問題じゃないです
例えていうなら
高速道路を80㎞/hで走ってる車と
一般道を100㎞/hで走ってる車
どっちが早く目的地に着きますか?
という問いと同じです
信号がない高速道路のほうが圧倒的に早いです
勿論コースレイアウトによっては
リジットバンパーのほうが速い場合もありますが
それはたまたま信号の少ない一般道があったからです
そこを見極めて使いこなせるなら
両方用意してもいいかもしれませんね
さあ
次回は構想編の最後です
パワソ
モーターと電池で行きましょうか
続く・・・